外固定: 体外部から骨折部を固定. ギプス包帯は骨折のある骨の隣接関節を含めて巻くのが原則 (2関節固定の原則). 固定直後でもギプス内での等尺性収縮運動を行なうことにより廃用性筋萎縮を予防.

内固定: 骨折部を手術的に連結固定. 早期の関節運動・筋力訓練が可能になる. ただし感染の危険性はある.

 

Nocturnal cramp の治療:

ストレッチ運動は一般に推奨されていますが, 検証すると予防効果が得られなかったとする報告がありました. 現状では副作用のリスクを考慮する必要はあるものの薬物治療が最も期待できます. 海外論文ではquinine (マラリア治療薬), diazepam (抗痙攣薬として), diphenhydramine (抗ヒスタミン剤), dantrolene (筋弛緩薬) などが推奨されております. 先に述べたように典型的なnocturnal crampであれば芍薬甘草湯はきわめて有効と思われますが, 副作用として低カリウム血症に注意が必要とされます. 他に本邦ではビタミンBや中枢性筋弛緩薬も紹介され ています. また腰部神経根障害に伴う場合には神経ブロックが有効との報告があります. 何らかの基礎疾患に続発する場合は専門の診療科に治療を依頼すること になります.

[http://www.sgop.edisc.jpより]

 

コデイン:

麻薬性鎮痛剤. 咳と痛みに適応. リン酸コデインとして末, 錠剤があり, 20-30mg/回が鎮咳目的で用いられる. 弱オピオイドとして軽度から中等度の痛みの除去にも推奨されている. 鎮咳作用はモルヒネの約1/6である. 呼吸抑制, 悪心, 便秘作用も弱く, 薬物依存形成も低いが, 鎮咳作用は弱い. 大量投与により中枢興奮作用がある.

[田中: NEW薬理学, 南江堂]

 

特発性血小板減少性紫斑病

急性型: 小児に多い. 発症前に上気道感染, ウイルス感染を認めることが多く, 数週間ないし, 数か月で完治する.

慢性型: 数年以上の経過を示し ,  成人女性に多い.血小板に対する自己抗体の産生により起きる病態と考えられている.

診断基準

1. 自覚症状・理学的所見

出血症状がある. 出血症状は紫斑 (点状出血及び斑状出血) が主で, 歯肉出血, 鼻出血, 下血, 血尿, 月経過多などもみられる. 関節出血は通常認めない. 出血症状は自覚していないが血小板減少を指摘され, 受診することもある.

2. 検査所見

(1) 末梢血液

血小板数減少:血小板減少10/µl以下. 自動血球計数のときは偽血小板減少に留意する.

赤血球及び白血球は数, 形態ともに正常ときに失血性又は鉄欠乏性貧血を伴い, また軽度の白血球増減をきたすことがある.

(2) 骨髄

骨髄巨核球数は正常ないし増加: 巨核球は血小板付着像を欠くものが多い.

赤芽球及び顆粒球の両系統は数, 形態ともに正常: 顆粒球/赤芽球比 (M/E) は正常で, 全体として正形成を呈する.

(3) 免疫学的検査

血小板結合性免疫グロブリンG (PAIgG) 増量, ときに増量を認めないことがあり, 他方, 特発性血小板減少性紫斑病以外の血小板減少症においても増加を示しうる.

3. 鑑別除外診断

血小板減少をきたす他の疾患: 薬剤又は放射線障害, 再生不良性貧血, 骨髄異形成症候群, 発作性夜間血色素尿症, 全身性エリテマトーデス, 白血病, 悪性リンパ腫, 骨髄癌転移, 播種性血管内凝固症候群, 血栓性血小板減少性紫斑病, 脾機能亢進症, 巨赤芽球性貧血, 敗血症, 結核症, サルコイドーシス, 血管腫など.

先天性血小板減少症: Bernard-Soulier症候群, Wiskott-Aldrich症候群, May-Hegglin症候群, Kasabach-Merritt症候群など.

4. 診断基準

1及び2の特徴を備え, 更に3の条件を満たせば特発性血小板減少性紫斑病の診断をくだす. 除外診断に当たっては, 血小板寿命の短縮が参考になることがある.

特に小児のウイルス感染症やウイルス生ワクチン接種後に生じた血小板減少は特発性血小板減少性紫斑病に含める.

5. 病型の基準

①急性型: 推定発病又は診断から6か月以内に治癒した場合

②慢性型: 推定発病又は診断から経過が6か月以上遷延する場合

小児においては, ウイルス感染症が先行し発症が急激であれば急性型のことが多い.

 

Sulfonamides = sulfa drugs

ST合剤: 経口摂取後, よく吸収され, 尿から排出される. 多くのグラム陽性球菌とグラム陰性桿菌に有効であるが, 嫌気性菌に無効, 緑膿菌も耐性. 尿路感染症は最も良い適応. 前立腺への移行も良く, 慢性細菌性の前立腺炎にも用いられる.

[青木: 抗菌薬ガイドライン, 三輪書店]

 

キニーネ (キニン) quinine: 塩酸塩, 硫酸塩は抗マラリア薬.

 

キニジン (コンキニン) quinidine: キニーネの光学異性体. キニーネに比べ抗マラリア作用は弱いが, 不整脈に対する効果はキニーネの約2.

[東京化学同人 生化学辞典 より]

 

(血小板の) 衛星現象platelet satellitism:

抗凝固薬 (抗凝血薬) EDTA (ethylendiamine tetra-acetic acid) を用いた血液で塗抹標本を作製した際に, 成熟好中球の周囲に複数個の血小板が付着した像をみることがある.これを血小板衛星現象と称する.血小板が付着するのはほとんどが成熟好中球で, 時に単球にもみられるが, 好酸球, 好塩基球, リンパ球には付着しない.一部に好中球が血小板を貪食している現象をみる.また, 周囲に付着した血小板を介して, 複数の好中球が凝集しているようにみえることがある.血小板衛星現象が出現する機序は不明であるが, IgG型の凝集素の関与が示唆されている.特定の基礎疾患は関係していない.発生頻度は, EDTA依存性偽性血小板減少症よりまれであるが, 同様に見かけ上の血小板減少を呈することがあるので, 注意する必要がある.抗凝固薬を添加しない血液や, EDTA以外の抗凝固薬を用いた血液で塗抹標本を作製し観察すれば, 容易に診断できる.

[南山堂医学大辞典より]

 

最終更新:2007年04月08日 19:19