1巻
最初の8割はだるくて仕方がなかった。
最後の方でどんでん返しを繰り返す辺りでちょっとおお、と思って、
最後の最期の数ページが結構衝撃的だった。
緊張感と恐怖心が欠如したことで既に人間じゃなかった。
必死さを感じさせない懸命さで、ずっと人間のフリをしている。
ヒロインに、惹かれているのかどうかすら分からない。
それは結構怖いことだな、と思った。
文章は読みやすい。
俺が嫌いな読者に勘違いさせるような表現もないし、
無駄に詩的だったり恣意的だったりする文章もない。
でもそれは逆に言えばどこか平坦な文章ってことで、
設定を設定以上に魅せることはできていない。
設定だけで最期まで持って行ったような印象の小説だった。
最終更新:2008年10月03日 23:00