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「菊田アッ!」
 そう叫んで飛び込んできた宝生のキックを菊田は避けることができなかった。
「ゴメスッ」
 奇怪な事を言って菊田は倒れた。
「あら、おじさん、こんにちは」
 宝生は菊田の横にいた武藏に気がつき、あいさつをした。
「な、なんのようだ? 宝生」
 菊田は宝生に踏まれながらうなるように言った。
「そうだった、これ」
 宝生は菊田の上から退きながら、持ってきた鞄の中から、あるものを取りだした。
「……これは」
 それは、輝くアームコア、ユグドラシルだった。驚く菊田に対して、武藏はあまり驚く気配を見せない。
「やはり、もどってきたか。ユグドラシル」
 武藏は呟いた
「……おじさん?」
「宝生、君に見せなければならない、物がある。言左右衛門、お前も、ついてきてくれ」
 武藏に従うまま歩くと、菊田重工本社内のもう使われていない試験プラントにたどり着いた。
「父さん、ここは?」
「……これを、みろ」
 そういって試験プラント内の電源を入れた。部屋の中が明るくなると同時に、一体の赤いアームヘッドがそこにあった。
「……これは?」
「あと、角をつければ完成なんだ。」
「これはなんなんだっ父さんッ! また、また変な物を作って居るんじゃないだろうな? 答ろッ!」
 叫ぶ菊田に対して、武藏は冷静に答えた。
「これが何? 簡単だ。私が、託された物だよ」
「……託された?」
「そうだ。ラグナロク消滅の少し前、その老人はやって来て、私に、見えない設計図を託したんだよあたまになかにね」
 凶人とも取れるその発言に、菊田は舌打ちした。
「……オーディン?」
 宝生は、ついそう呟いていた。違うかもしれない、だが確かに、これはオーディンのようにも見える。
「……君がそう思うのなら、これはオーディンだ。」
 武藏は、にっこりと笑った。
「……それを、貸してくれ」
 武藏は宝生からアームコアを奪うと、なにやらよく分からない作業をし、手元にあった金槌で叩き始めた。
 アットいう間に、巨大な、それでいて美しい一本のアームホーンが完成した
「……これは?」
 宝生の問いかけに武藏は答えることなく、それを持って、赤いアームヘッドの頭へ続くはしごを、その巨大なホーンを持ったまま上がっていった。
 そして少しすると、それは完全にアームヘッドの一部となった。
「完成だ。」
 そのアームヘッドは、その瞬間、赤く輝き、コックピットが開いた。
「APPDシステムを稼働させたアームヘッドの機動力の二倍以上の機動力を持つアームヘッドだ。名前は。君が決めろ」
 武藏の言葉も無視して、コックピットに乗り込んだ。
 色々なシステムを起動させる。
「……」
 つい、息をのむ。なんていうアームヘッドだ。触って分かる。
(久しぶりだ、宝生)
 心に触れる、懐かしい声。
「……久しぶりだね、オーディン。」
 武藏がやってくれたのか、それとも菊田のねぎらいか、試験プラントの天井ハッチが開き、アームヘッド射出用のレールがせり出した。
「……行くぜぇ……オーディンッラグナロオオック!」