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 誰? 誰だ? そのことだけが久世の心を捕らえていた。
「お、おきたみたい。」
 そこにはウルズと、ベルカナが居た。
「だ、誰ですか、この人は?」
 久世は動揺しながらも尋ねると、ウルズは首を傾げた
「ん? ああ、そのこのことか。倒れていたから、拾ってきただけだよ。」
 ウルズは、簡潔に、そう答えた。正直迷惑な話だった。
「迷惑かい?」
 ベルカナはまた、毒のある笑みを浮かべた。馬鹿にしているような、挑発しているような、とにかく、本気して良いことはないだろう、久世はそう決めつけた。
 事実、そうだし。
「ふふふ。もう、大丈夫そうだ。僕、もう行っていいよね?」
 ベルカナがそういうと、ウルズはこくり、と頷いた。ベルカナは、僕のある笑みとはまた違う笑みを浮かべると、スラッとした歩き方で、玄関から外に出ると、すぐにバイクの音がした。
「オシラも、ウィアドも、もう居ないよ。わたしも、もう少ししたら、出ていく。」
 早く出ていってくれないかな。と久世は毒突いた。そのときは、思ったよりも早く訪れた。三十分ほどすると、何も言わずに出ていってしまった。
 ふ、と、背中にある視線を感じた。
 真紅の目が案の定久世を見つめていたからだ。
「……君は?早く、どこかに行ってくれると嬉しいんだけど」
 単刀直入に行ってみた。彼女は何も言わず、ヘッドホンをつけ、ポケットを適当にまさぐって、何かを操作したようだった。その瞬間、外にもきこえてくるような爆音で、ギターの音が聞こえてきたのだ。
「……」
 正直、あっけにとられた。何だろうか、お前の声は聞きたくない、と言うことなのか?
「君は、出ていかなくっていいのかい?」
 久世がそういうと、今度は何らかの反応を示してくれた。首を、静かに振ってくれたのだ。
「じゃあ、何処に行きたいんだ?」
 彼女はポケットから、地図を取り出すと、いきたいのであろう場所を指差した。
「菊田重工のプラントじゃないか。そこに、何かあるのか?」
 彼女は、こくり、と頷いた。
「しょうがないな……」
 早く、出ていって貰いたかった。それ以外に理由はないから、久世はそこまで少女を連れて行くことにした。
「名前は?」
 と久世がきくと、彼女の名前が、分かったような気がした。彼女は口を動かしてないが、何故だろうか、感覚的に分かった。
「ノイジー・ラル・ウェイ」