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 一体、何時間が経過しただろうか。黒い髪の女性は畳の上で円くなり、動かない。赤ドレスと、黄ドレスは、今も口論を続けている。
「だから……」
「それは……」
 いつ、終わるのだろうか、もう、日が暮れ、夜になってから3時間は経過しているのだ。
「この話は、明日にでもしましょう」
「そうね。お姉さま」
 やっと終わり、ついに自分の出番が……と、用意をしようとした瞬間、彼女らはどこから取り出したのか、寝袋を馴れた手つきで着て、みの虫のように畳の上に来ると、何のとまどいもなく睡眠を始めた。
 それは、何かを感じる暇もなかった。数分経って、現実を理解した。まるで、スイッチのオンオフがあるかのようだった。
「……」
 久世は玄関の靴箱に立てかけられたエレキギターを持った。
「ピックアップが、壊れてるな」
 一人でブツブツ呟いて、ドライバを動かした
 何時間経ったかは分からないが、スピーカーに繋いでみたら、ちゃんとなったから、大丈夫だろう、と一人で納得した
「器用なものね」
 どきっとした。後をゆっくり振り向くと、赤いドレスが居た
「……あ、どうも」
「まだ、ウルズもオシラ起きてないようだから、まだお邪魔するけど、大丈夫かしら?」
「あ、いえ、大丈夫ですよ」
 大丈夫などではなかった。仮にもお客である彼女たちが出ていかない間は、眠ることすらできない。集中を解けば、一瞬にして夢の世界に昇天してしまう。冗談ではなく。二日間まともに寝ていないのだ。
「ウィイィイイッシュウ」
 黄色いドレスが起きあがった。
「うわ、オシラ寒そう」
 彼女は呟くと、頭を掻きながらウロウロした
「……おなかすいた」
「我慢しなさい、ただでさえ、人の家なのに」
 赤いドレスが注意すると、彼女は不服そうだった
「けど、お腹空いたよう」
 黄色いドレスが言うと、黒い髪の、女性はゆっくり起きあがり、目をこすっている
「お、オシラおきたあ?」
 オシラ、と呼ばれた黒髪の彼女は、ゆっくり頷いた
「さあ、オシラも起きたし、帰るわよ、二人とも」
「え?あたいの、カーネーションヒットは?直ったの?」
 赤いドレスは頷き、久世を指差した
「彼がなおしてくれたの。」
「アリガトウ。えっと、」
 黄色いドレスが言葉を詰まらせると、赤いドレスが口を出した。
「久世さんよ」
「そうそう、久世ちゃん、アリガトウ。」
 彼女は、頭を下げた
「いえ……」
「あたいは、ウルズ、あの赤人参がウィアドで、ハワイアンブルーが、オシラ」
 ウルズは、にっこり微笑んだ。久世が対応に困っていると、彼女は少し、不満そうに言った
「あなたの名前は?」
「あ、久世、創甫と言います」
「そっか、んじゃ、またね、ソースケ」
 また壊すのか……久世は、ひっそりそう思った