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 つい最近隊長になった、(正確に言うとなってしまった)美井山は売店の自動販売機でコーヒーを買った。その熱さは彼女の手を傷つけた。
「あつ」
 思わず手を放してしまい、コーヒーはフローリングの床に落ちた。
「はあ」
 自分のこの鬱陶しい憂鬱をはね飛ばしたいものの、どうすることもできなかった。私はため息をつきながら缶コーヒーを拾った。まだ熱い。私はコーヒーを両の手で転がした。
 天井から吊してあるテレビに目をやってみると、生きていたらしいアイネアスがテレビに出ている。どうやら、近くにいた人に助けてもらって、自分は生き延びたらしい。ああ、昨日もやってたな
 私は缶コーヒーを開けた。白い湯気が上がり、口の中にはコーヒーの独特の香りが広がり、苦みと酸味が広がって、熱いその液体は私の喉を通っていく。ん?また間違えて微糖を買ってしまったらしい。少し甘い。
「……軍も、アイネアスを失うのはイタイらしいな。」
「ここにいたんですか?」
 少し長めの黒い髪をそのままおろし、警察の制服を着てバッチをつけた青年が居た。新山岡だ。新山岡はニヤッと笑って茶化すような声で言う
「キムタクさんがよんでますよ」
 ああ!このむかつく笑い方!私は睨みつけた。
「すいません」
 彼は頭を下げた。別にそこまでしなくっても。
「……今はそんな気分じゃ……ない。木村にいっといてよ。『美井山さんは、帰りましたー』って。ね?」
 彼はため息をついて顔をゆるませた。
「わかりましたよ」
「……じゃあね」
「……ッ美井山さん!ずる休みできるの、今日限りですよ」
 美井山は新山岡に手を振ると、去っていった。
「……’あいつら’は……もうすぐ……」




 アイネアスメイヤーは、手首の包帯がやっと取れたことに感激を憶えた。こんにちの医学はここまで進んでいるのか。こんなに簡単に包帯が取れるとは気づかなかった。
「さ、これで大丈夫ですよ。一が月ほどしたら、もう一度来てください」
 私は答えずに立ち上がった。
「……あの証拠、消すの面倒だったんで、気をつけてください。これからは。まあ、あなたはきっと、軍にとっても重要な人材なんでしょうね」
 部屋の中は静まりかえり、私は立ちあがった。
「とんだ軍医もあったもんだな」
 私はうしろにある扉に手をかけた
「それでは、お大事に」
「……」
 私は外に出て、扉を閉めた。
「ああ、隊長。大丈夫だったんですか?」
「……クボヤマ……だったな?」
 そいつは私の前で立ち止まり、敬礼した。
「そういうのは、いい。用件を言え。何があった?」
「作業用のアームヘッドが暴走中との情報が……」
 私は歩き出した。
「……行かないんですか?」
「……そういうのに適したのか警察にいるだろう?そいつらに任せておけよ」
「あと、ですね、菊田重工の菊田武蔵氏が、面会を求めています。」
 私はずっと聞いていなかった菊田という名前を聞いた。
「……キクダゴンザエモンの……父親だったか?」
 クボヤマは頷いた。彼の黒い髪が揺れる
「……いまからか?」
「はい」
 私はあるき出した。全く、病み上がりの人間を……