「6.ノイジー」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

6.ノイジー」(2008/12/20 (土) 13:41:13) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

 誰? 誰だ? そのことだけが久世の心を捕らえていた。 「お、おきたみたい。」  そこにはウルズと、ベルカナが居た。 「だ、誰ですか、この人は?」  久世は動揺しながらも尋ねると、ウルズは首を傾げた 「ん? ああ、そのこのことか。倒れていたから、拾ってきただけだよ。」  ウルズは、簡潔に、そう答えた。正直迷惑な話だった。 「迷惑かい?」  ベルカナはまた、毒のある笑みを浮かべた。馬鹿にしているような、挑発しているような、とにかく、本気して良いことはないだろう、久世はそう決めつけた。  事実、そうだし。 「ふふふ。もう、大丈夫そうだ。僕、もう行っていいよね?」  ベルカナがそういうと、ウルズはこくり、と頷いた。ベルカナは、僕のある笑みとはまた違う笑みを浮かべると、スラッとした歩き方で、玄関から外に出ると、すぐにバイクの音がした。 「オシラも、ウィアドも、もう居ないよ。わたしも、もう少ししたら、出ていく。」  早く出ていってくれないかな。と久世は毒突いた。そのときは、思ったよりも早く訪れた。三十分ほどすると、何も言わずに出ていってしまった。  ふ、と、背中にある視線を感じた。  真紅の目が案の定久世を見つめていたからだ。 「……君は?早く、どこかに行ってくれると嬉しいんだけど」  単刀直入に行ってみた。彼女は何も言わず、ヘッドホンをつけ、ポケットを適当にまさぐって、何かを操作したようだった。その瞬間、外にもきこえてくるような爆音で、ギターの音が聞こえてきたのだ。 「……」  正直、あっけにとられた。何だろうか、お前の声は聞きたくない、と言うことなのか? 「君は、出ていかなくっていいのかい?」  久世がそういうと、今度は何らかの反応を示してくれた。首を、静かに振ってくれたのだ。 「じゃあ、何処に行きたいんだ?」  彼女はポケットから、地図を取り出すと、いきたいのであろう場所を指差した。 「菊田重工のプラントじゃないか。そこに、何かあるのか?」  彼女は、こくり、と頷いた。 「しょうがないな……」  早く、出ていって貰いたかった。それ以外に理由はないから、久世はそこまで少女を連れて行くことにした。 「名前は?」  と久世がきくと、彼女の名前が、分かったような気がした。彼女は口を動かしてないが、何故だろうか、感覚的に分かった。 「ノイジー・ラル・ウェイ」

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: