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斬激は、フェンリルに大きな傷跡を残した。 「フウウウ」  フェンリルはうなったが、菊田は引こうとはしない。  フェンリルが大きな口を開けながら突進すると、菊田のアームヘッドは、右足で下顎を押さえつけ、左手で上顎を固定すると、右手の刀で一閃した。  フェンリルが叫んで大きく口を開けると、菊田のアームヘッドはフェンリルの口の中に自ら入っていった。  そして、しばらくしてフェンリルの頭に角が生えた。  その角は横に倒れ、フェンリルはぐったりと動かなくなった。  中から一体の黒いアームヘッドが出てきた。 「やあ」  それはさも当然のように言った。 「感嘆するのは後だ。まだまだファントムは来るぜ」  菊田が言うと、そこに居たのは羽根を生やしたファントムだった。 「きどちゃん、次は、お前だ。」 「なぜ?」 「俺は、空中は範囲外なんだ。」 「だったら、俺も……」 「ミョルニルがなんのためにあると?」 「もう、諦めたら、どうかな?」  ラグナロクはしずかに言った。  片腕のないリアルメシアはふらふらと宙を舞っていた。雪那の意識も、ハッキリしているとは言い難い。  それにもかかわらず、リアルメシアの胴体部分に光が集まる。光がはき出され、ラグナロクはそれを堂々と受け止める。 「なぜ、何故自壊粒子砲が効かないんだ?」 「簡単だ。とても簡単なことだよ。わたしが、‘完全なる物体’だからさ。」 「……完全なる、物体?」 「そうさ。……わたしはすべてのパーツがアームコアでできているのさ。だから、貴様のちゃちな攻撃など……」  御蓮軍から放たれたミサイルをひょいとつまんだ。 「……通用しない」  手の中でミサイルが爆発した。リアルメシアがアームホーンをラグナロクに向け、全速力で体当たりをしようとする。しかし、それも、阻まれた。  ラグナロクは、蠅をたたき落とすように、リアルメシアを墜落させた。 「ざま、無いな。リアルメシア。無様だよ。」 「君の後処理は、わたしの忠実な蠅がやってくれるだろう。」  ラグナロクの身体から、大量の小型ファントムが現れた。  そのファントムはリアルメシアをゆっくりと包み込んでいった。
 斬激は、フェンリルに大きな傷跡を残した。 「フウウウ」  フェンリルはうなったが、菊田は引こうとはしない。  フェンリルが大きな口を開けながら突進すると、菊田のアームヘッドは、右足で下顎を押さえつけ、左手で上顎を固定すると、右手の刀で一閃した。  フェンリルが叫んで大きく口を開けると、菊田のアームヘッドはフェンリルの口の中に自ら入っていった。  そして、しばらくしてフェンリルの頭に角が生えた。  その角は横に倒れ、フェンリルはぐったりと動かなくなった。  中から一体の黒いアームヘッドが出てきた。 「やあ」  それはさも当然のように言った。 「感嘆するのは後だ。まだまだファントムは来るぜ」  菊田が言うと、そこに居たのは羽根を生やしたファントムだった。 「きどちゃん、次は、お前だ。」 「なぜ?」 「俺は、空中は範囲外なんだ。」 「だったら、俺も……」 「ミョルニルがなんのためにあると?」 「もう、諦めたら、どうかな?」  ラグナロクはしずかに言った。  片腕のないリアルメシアはふらふらと宙を舞っていた。雪那の意識も、ハッキリしているとは言い難い。  それにもかかわらず、リアルメシアの胴体部分に光が集まる。光がはき出され、ラグナロクはそれを堂々と受け止める。 「なぜ、何故自壊粒子砲が効かないんだ?」 「簡単だ。とても簡単なことだよ。わたしが、‘完全なる物体’だからさ。」 「……完全なる、物体?」 「そうさ。……わたしはすべてのパーツがアームコアでできているのさ。だから、貴様のちゃちな攻撃など……」  御蓮軍から放たれたミサイルをひょいとつまんだ。 「……通用しない」  手の中でミサイルが爆発した。リアルメシアがアームホーンをラグナロクに向け、全速力で体当たりをしようとする。しかし、それも、阻まれた。  ラグナロクは、蠅をたたき落とすように、リアルメシアを墜落させた。 「ざま、無いな。リアルメシア。無様だよ。」 「君の後処理は、わたしの忠実な蠅がやってくれるだろう。」  ラグナロクの身体から、大量の小型ファントムが現れた。  そのファントムはリアルメシアをゆっくりと包み込んでいった。

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