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「なんだ?この数は」  あわてふためくようにして逃げる人々。それから遠くに、大量のファントム達が列をなして機械的に歩いていた。 「凄い量だな……」 「ロキは遠方攻撃、トール、ヘル、ジークフリートは前方で。」  無線から虎次がてきぱきと指示を出すと、言われたとおりに並んだ  人々が遠くに去ったのを見届けると、目の前に近づいてくるファントム達を見つめた。 「……」  ロキの射程距離に入った途端、赤いレーザーが飛び、敵は無造作に攻撃を浴びた。  つづいてトール達はとにかく前にいる敵を潰したり、薙いだり、殴ったりして、確実にダメージを与えていた。 「……敵が多いッ」  トールに乗った木戸がぼやいた。多すぎる。トール達のダメージの方が高く、やられるのは目に見えていた。 「クソ、軍隊は何をやって居るんだ」 「民間の避難の方が大事なのだろう。」  木戸の愚痴をスーが静かな口調で答える 「けど……ヘルの能力も使えやしない。相手が人間じゃないもの」  唯一、効率的に敵を倒しているジークフリートの胸パッチが開き、一つの砲台がせり出してきた。  太陽にも等しく輝きだした砲台は、一旦輝きをやめたと思った瞬間、太い光の棒を持続的に吐き出し続けた。  敵の量は目に見えるほど減って、地面は黒くただれて、民家は跡形もなく消え去った。 「……」  旬涼以外は皆絶句した。レーザーは今もなおはき出されている 「良い趣味とはいえねえな。」  木戸が言うと、無線に通信が入った。 「大丈夫か?」  李からだった。 「大丈夫なわけがない。」  スーが答える 「今から、通信局をジャックする。電波をジャックして、放送を流す。」 「何て流すんだ?」 「……みんな逃げて、ってな」  スーは鼻で笑った。 「犬死にか。楽しくないな。」 「……それは……させない」 「今の聞きました?美井山さん」  イラミは手渡されたコーヒーをあけた 「彼ら、明日頃には、死んでるわね。」  アイネアスは公園のベンチに座った 「何のようだ?アイネアス」 「……軍部は、この件には関与しません。それだけ」 「……奇遇だな、警察もだ」  二人は黙り込み、コーヒーをのみ込む音だけが響いた。 「これで、良いと思う?」 「いいわけないでしょう、テロリストが戦っているのに、私達は戦わない、何て。間抜けな話とは思いませんか?」 「何もできんとはな……」  二人は一斉に立ち上がった。 「できるとおもう?」 「無理だろうね」  二人は顔を見合わせた。 「彼らには可哀想だけど……」 「彼は言いました。『やらない善よりやる偽善』と。」  灰色にかすんだ皮のコートを着た青年がそこにいた。 「誰?あなたは」 「どうも、こんばんは。駿河です」  イラミが聞くと、駿河はそう答えた。 「……キクダ?」  アイネアスは一人で呟いた。 「ハロウ、お嬢さん、久しぶりだ。ちょっと、慈善活動のお誘いに。」  駿河――菊田はコートの襟を持って言う。 「いま、世界の危機第一号となった我らが御蓮の武力政局が、こんな時に椅子に座って鼻歌を歌うなんて、恥ずかしいとは思いませんか?」 「……しずかに答えろ。貴様等の揺れる椅子の脚はもう……腐りかけてンだぜ」  菊田はゆっくり、重圧的に言った。  イラミは立ち上がり、歩き出した。アイネアスは菊田の方に近寄ると、笑いかけた。 「久しぶり、キクダ……」 「笑いかけるのは後にしよう、アイネアス。……早くしないと、俺のマージャン仲間が死んじまう」
「なんだ?この数は」  あわてふためくようにして逃げる人々。それから遠くに、大量のファントム達が列をなして機械的に歩いていた。 「凄い量だな……」 「ロキは遠方攻撃、トール、ヘル、ジークフリートは前方で。」  無線から虎次がてきぱきと指示を出すと、言われたとおりに並んだ  人々が遠くに去ったのを見届けると、目の前に近づいてくるファントム達を見つめた。 「……」  ロキの射程距離に入った途端、赤いレーザーが飛び、敵は無造作に攻撃を浴びた。  つづいてトール達はとにかく前にいる敵を潰したり、薙いだり、殴ったりして、確実にダメージを与えていた。 「……敵が多いッ」  トールに乗った木戸がぼやいた。多すぎる。トール達のダメージの方が高く、やられるのは目に見えていた。 「クソ、軍隊は何をやって居るんだ」 「民間の避難の方が大事なのだろう。」  木戸の愚痴をスーが静かな口調で答える 「けど……ヘルの能力も使えやしない。相手が人間じゃないもの」  唯一、効率的に敵を倒しているジークフリートの胸パッチが開き、一つの砲台がせり出してきた。  太陽にも等しく輝きだした砲台は、一旦輝きをやめたと思った瞬間、太い光の棒を持続的に吐き出し続けた。  敵の量は目に見えるほど減って、地面は黒くただれて、民家は跡形もなく消え去った。 「……」  旬涼以外は皆絶句した。レーザーは今もなおはき出されている 「良い趣味とはいえねえな。」  木戸が言うと、無線に通信が入った。 「大丈夫か?」  李からだった。 「大丈夫なわけがない。」  スーが答える 「今から、通信局をジャックする。電波をジャックして、放送を流す。」 「何て流すんだ?」 「……みんな逃げて、ってな」  スーは鼻で笑った。 「犬死にか。楽しくないな。」 「……それは……させない」 「今の聞きました?美井山さん」  イラミは手渡されたコーヒーをあけた 「彼ら、明日頃には、死んでるわね。」  アイネアスは公園のベンチに座った 「何のようだ?アイネアス」 「……軍部は、この件には関与しません。それだけ」 「……奇遇だな、警察もだ」  二人は黙り込み、コーヒーをのみ込む音だけが響いた。 「これで、良いと思う?」 「いいわけないでしょう、テロリストが戦っているのに、私達は戦わない、何て。間抜けな話とは思いませんか?」 「何もできんとはな……」  二人は一斉に立ち上がった。 「できるとおもう?」 「無理だろうね」  二人は顔を見合わせた。 「彼らには可哀想だけど……」 「彼は言いました。『やらない善よりやる偽善』と。」  灰色にかすんだ皮のコートを着た青年がそこにいた。 「誰?あなたは」 「どうも、こんばんは。駿河です」  イラミが聞くと、駿河はそう答えた。 「……キクダ?」  アイネアスは一人で呟いた。 「ハロウ、お嬢さん、久しぶりだ。ちょっと、慈善活動のお誘いに。」  駿河――菊田はコートの襟を持って言う。 「いま、世界の危機第一号となった我らが御蓮の武力政局が、こんな時に椅子に座って鼻歌を歌うなんて、恥ずかしいとは思いませんか?」 「……しずかに答えろ。貴様等の揺れる椅子の脚はもう……腐りかけてンだぜ」  菊田はゆっくり、重圧的に言った。  イラミは立ち上がり、歩き出した。アイネアスは菊田の方に近寄ると、笑いかけた。 「久しぶり、キクダ……」 「笑いあうのは後にしよう、アイネアス。……早くしないと、俺のマージャン仲間が死んじまう」

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