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小さな体の深い歴史




ドイツのドーベルマンの血筋の名門ローゼンタール家のひとり息子として育ったリヒター。
厳格な父親の元で何不自由なく育っていたが、
ある日メイドとして仕えた若く美しいジャーマン・シェパードの娘、ハンナに心魅かれ、いつしか恋仲となる。
ハンナは天涯孤独の身で、当然身分違いとして父親はふたりの結婚を認めるはずもなく、引き離そうとするが、
ふたりの思いは強く、やむなく家を飛びだすこととなる。

リヒターは教師をハンナはお針子をして慎ましく暮らし、ほどなくフリードリヒを授かる。
しかし、慣れない暮らしにリヒターは胸を病み、
更には夫と子の為に無理をしたハンナは産後まもなく倒れかえらぬひととなる。
失意のリヒターは乳飲み子のフリードリヒを抱えてローゼンタール家に戻るものの、
病は癒えることはなくこの世を去る。

リヒターの父(フリードリヒからは祖父)はローゼンタール家の直系としての価値でしか
フリードリヒを愛す事はなく、すべては乳母に任せきりでいつしかフリードリヒは、
父リヒターの書斎の書を友にして成長する。

乳母は清廉で愛情深かったものの、残念ながら規律を重んじる性格であったために、
子供に対しても厳しくなることが多く、そのために暗く内向的で無口な性格となり、
体格も父母の血にそぐわない小柄なままで成長が止まってしまうこととなる。

ただ、乳母にはずいぶん懐いたようで、この後祖父の意向でギムナジウムの寄宿舎に入れられる際には、
乳母と離れることを嫌がりずいぶん反抗した。

しかしながらギムナジウムで出会った友によって今までの性格は一変し、明るく快活になる。
この時期のフリードリヒはまるで子供時代を取り返すかのように陽気なお調子者で学校中から愛されることとなる。

また、それ以前は文学を好んでいたのだが、担当教官により数学に天賦の才を見いだされる。
跡取りとしての教育を望んでいた祖父は快く思わず反対されるものの、結局数学を専門として大学へと進む。

修士後ローゼンタール家へ戻る約束であったものの、
直前にローゼンタール家を従姉妹(ギムナジウム時代の親友と結婚)に任せて出奔。
なぜか極東の地に落ち着き、高校の数学教師に収まり昔の渾名である“サンスーシ”を名乗って現在に至る。
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