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スレ3>>923-924 丑年でも懲りない「馬」鹿

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lycaon

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丑年でも懲りない「馬」鹿


年が暮れようが明けようが、彼ら三馬鹿に変わりはなかった。

「はいっ、今年もこの季節がやって参りました!チーム鹿馬ロIN初詣っ!今日もガン飛ばすゼ!イェイ!」
無駄に元気な塚本は今日も体力が有り余っていた。

「塚本よ……、今年は馬鹿な事をして俺達を困らせるなよ」
冷やかに来栖。

「初詣って人多いから嫌なんだよな。俺のトゲが誰かの振袖に引っ掛かったりしそうでさ」
とか言って身体を縮こまらせる鎌田だが、歩くユニクロ状態の鎌田に、
引っ掛かりそうなトゲの張り出す隙は無さそうだった。
ぶつくさ言ってる来栖と鎌田に比べて、塚本はアゲアゲである。

「なんだなんだ~?ったくよぉ、年が明けたってのに揃いも揃ってシケた事言いやがって。
俺はインテリ鹿野郎と寒がり蟷螂のお前らが暇してんじゃねーかと思って
わざわざ初詣っつーイベント会場に連れてきてやったんじゃねーか!ありがとうのひとつも言え!」

「アホらし。帰る」
「俺も寒いから……」

にべもなく踵を返す来栖&鎌田。

「うわ、ちょっ、タンマタンマ!帰んなって!頼むから!このとおり!なっ?」
と言いつつ塚本がポケットから取り出したのは、牛沢先生@振袖バージョンの年賀状と、
牛沢先生@メイドバージョンの年賀状であった。

「こ、これは!いったいどうやってこの年賀状を入手したんだ?!」
食いついた来栖。牛沢先生ファンなのだ。

「くっくっくっ……とある情報筋(朱美)から手に入れた極秘年賀状だ」
未だかつて年賀状に“極秘”と言う修飾語を付けた奴が居るだろうか。いや、居ない。(二重否定)
とか鎌田は思って居たが、寒いし馬鹿らしいのでツッコミを入れる事もせず黙っていた。

「そ、その年賀状を譲ってくれ!頼む塚本!」
来栖は必死である。

「ああ、いいぜぇ?今日一日チーム鹿馬ロのために働く事を誓うならなぁ……?
ヒャッヒャッヒャッ、ヒ、ヒヒ、ヒヒーン!ブルルル」
塚本は高笑いが馬の嘶きになってしまうほど調子に乗っていた。

「チーマーごっこも初詣もやる、
なんなら牛の着ぐるみ着てカクカクうしうしダンスすら披露する。だからその年賀状くれ!」

なんだか来栖も馬鹿になってきた。

「よーし、その粋やよし!持ってけ泥棒!」
「アーザーっス(ありがとうございます)!」
「……楽しそうだね、君ら」
鎌田は呆れながらホッカイロを揉みほぐした。


「じゃあ、さっそく拝んでおみくじでも引くか」
来栖は牛沢先生の年賀状を眺めながら言った。顔は笑ってる。

「初詣なんて、それくらいしかやる事無いしね。元旦じゃ店も営業してないし」
鎌田は正義の有り方について考えながら言った。

はてさて、心此所に在らず状態の二人に対して、塚本が妙な事を口走ったのはその直後だった。

「あ、お参りはもう済ませといたから。おみくじも三人分引いといた。
これ、来栖の分、こっちライダーの分。おら、おみくじ代百円ずつ払え」

人の分のおみくじを引いておいた?
来栖と鎌田、二人の塚本に対する馬鹿疑惑が真実味を増し始めた事にも頓着せず、ニヤけた馬面がおみくじを配る。

「……このクジ、もう封が切られてるんだが」
「俺のも……」

ちなみに占い結果は、来栖=末吉、鎌田=大吉。  そして塚本のクジは──

「みっつも引いて選んだんだから、どうせ大吉なんだろ?」
末吉の鹿が野次を挟む。

「ヲイヲイ、俺がそんなチンケな奴に見えるのか?俺はこれよ」
ほら、と塚本が二人に見せたクジは、まぎれもなくただの吉だった。
二人はますます意味が分からなくなって困惑したが、塚本の奇行の理由はすぐに明らかになった。

「よーし、初詣もおみくじも終わった!ナンパすっぞ!」
吉のおみくじは、恋愛運だけ他の二枚より良かった。
寂しく一人でクリスマスを過ごした塚本は、どうしても彼女が欲しかったのだ。

「実は来栖に着せようと思って牛のキグルミ持って来てたんだよ。
きっと馬鹿ウケして女の子よって来るからよ、ぜひ着て踊ってくれよ!……ん?」

塚本がバッグから牛がらのキグルミを取り出してふり返えると、角で人並みを掻き分けて走り去る来栖と、
ブーン、と空の彼方へ飛びさってゆく鎌田の姿が見えた。

その後、一人でナンパに挑戦するも惨敗。
同じく(?)参拝に来ていたタスクアキラナガレの三人にラーメンを奢るかわりに慰めて
もらったとかいないとか。





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