※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

ひみつかいぎ


初等部に通う子犬、大場犬太は、黒い毛並みの子猫と話していた。

黒い毛並みの子猫=佐村井玄子(さむらい くろこ)は、同じクラスの女子である。
普段の佐村井玄子は三斑恵(みむら けい)と言う三毛猫といつもつるんでいるのだが、
時折こうして大場犬太と人目を避けながら密談している。

人目を憚る理由は、異性との交流を茶化されるのが嫌だという小学生らしいピュアな理由、ではない。
切実な、しかも共通の悩みがあったのだ。
二人は今日も放課後の校舎裏で密会を催していた。

「佐村井は、ねぇちゃん説得できた?」
「全然だめニャ……大場はどうだったかニャ?」
「こっちも全然。聞く耳もたないってかんじ」

はぁ、と、二人揃って溜め息を吐く。

「やめて欲しいのになぁ」
「ほんと、困りものニャ」
「いったい何なんだろう、《甘噛み同好会》って」
「分かんないけど、大場のねぇちゃんと私のねぇちゃんが“百合カップル”だって噂がたったのは、
間違いなくその同好会のせいニャ」

はぁ、と、改めて溜め息を吐く。
大場犬太の姉・大場狗音(おおば くおん)と、佐村井玄子の姉・佐村井御琴(さむらい みこと)の仲は、
学内でもよく知られていることであったが、弟・妹の立場からすると居心地の悪いものがあり、
なんとか別れさせたいのであった。

どうやら、うまく別れさせる目処はまだまだ立ちそうにない。