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猫の性(さが)


ゆーら、ゆーら

……今すぐ飛び掛かってくれと言っている様なあの動き、ああ、今すぐ飛び掛かりたい。

ゆーら、ゆーら

だめよだめ、私は先生なのよ。ここで本能に駆られちゃ……ああ、でも、飛び掛かって猫パンチを食らわせたい!

ゆーら、ゆーら

だから、本能に身を任せちゃ駄目、ここは先生として理性を保たなく…て…ああ、もう我慢できない!!

「泊瀬谷先生?……何やってるんです?」
「……っ!? あ、いや、ちょっと落し物しちゃって探していたんですよ、ええ」
「そうですか……?」

目の前で揺れる物に飛び掛かる直前、
パック牛乳片手の卓に話しかけられた事で我に帰った泊瀬谷教師は、
飛び掛かろうと屈んでいた体勢から慌てて立ちあがり、手をパタパタと振って誤魔化した。
……彼女が飛び掛かろうとしていた物、それはベンチに座ったまま昼寝する利里の尻尾であった。

「それより利里、そんな所で寝るなよ。他の人の迷惑だぞ」
「んあ……ああ、今日は日差しが暖かかったからついうとうとしちゃったぞー」
「(危ない所だった……もう、わたしったら!)」

早速話し始める二人を余所に、
泊瀬谷教師は暴走しかけた自分の本能に恥かしさを感じ、その場からそそくさと離れる。
……尚、彼女が昼御飯を食いそびれた事に気付くのは、その三十分ほど後の事である。

それは小春日和の日差しも暖かい、ある晴れた昼休みの事だった.