※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

スレ2>>805-825 FORMAT:3章


大陸レードを出てからもう少しで半日が経つ。
日が傾き、辺りがオレンジ色に染められる。
俺はその半日で普通じゃない、もとい有り得ない出来事ばかりに遭遇し、
もう今じゃすっかり慣れてしまったようだ。
見たこともない生物を、何の躊躇もなくホームランさせた事がそれを証明している。
もはや普通の生活には戻れない。摩訶不思議アドベンチャー一方通行だぜ。

そんな事より、あの後マントマン達のマントを剥いでみて驚いた。
その姿を見たとき、俺は思わず手の甲を口に当てた。

ソレは人の顔じゃなかった。
全身がツギハギだらけで、口は耳元まで裂けていて、元は何族だったかもわからないほど酷かった。
捕まえたスーツ男に問い詰めてみたが、奴は一切口を開こうとしなかった。
だが1つだけ分かったのは、コイツはビリアルデの一員だということである・・。
何の機関なんだ?ビリアルデって。
この俺と敵対するという時点で怪しいものだとは思っていたが、
奴らは一体何をしていて、何が目的なんだろうか・・。

さて、村人達は礼代わりといって、ダンボールいっぱいに詰められた作物を手渡そうとしたが
さすがに荷物になるのでと、丁寧に断った。
その代わり、まさかの有力な情報を聞き出す事に成功した。
最近、ここから北の方角にあるクロンファートという工業都市で、異常気象が相次いでいて、
雲ひとつない快晴なのに雷が鳴ったり、真っ黒な霧が発生したりしているらしい。
これは例のバグと関係があるんじゃないか、と考えた俺とシンディの二人は、早速クロンファートへ向かうことに。
だがそこまでの道のりはかなり険しく、6キロほどの森と巨大な湖を渡らないといけない。

そんなわけで今、その森の中を歩いている。
6キロという大した規模の森ではないので、何とか日の入前までに抜けることは出来そうだけども、
薄暗いそれは不気味な香りが充満している。

「なんか、オバケでも出てきそうな森だな。」
「そうね。」
「俺、虫もそうだけどこういうのも苦手なんだよなぁ・・。」
「そうね。」
「・・・・?なぁ、シンディ?」
「そうね。」
「シンディってば!」
その叫びで彼女は目をカッと開き、尻尾がピンっと逆立った。

「・・・・あ、あぁ。ごめん。何?」
「その・・大丈夫か?」
「う、うん。大丈夫。ありがとう。」
そう言うが、彼女はこの森に入ってから落ち着きなくソワソワして、辺りを見回している。
あ、もしかして俺がオバケ云々って言ったせいで怖がってるのか?
だとしたら悪いことしたとは思うが、方角・昼飯・遅刻の件の仕返しだと思えば・・ククク。


「・・・ムリ。」
「え?」
シンディは突然俺のほうを向いて、早口で
「・・ザックス、ちょっとだけ待ってて。すぐに戻るから。」
と言って、道を外れしげみの方に入っていこうとする。
「ちょ、おい!どこ行くんだよ!」
「・・・どこって・・すぐ、そこ。」
「いや、だから何しに行くんだよ!」
こんなに不気味森で、女性を単独行動させるのは危険、というかそんな事させると男が廃る。
ましてや道なき道を進もうとしているんだ。何があるかわからない。
・・・これ、心配してあげてるんだぜ?
だけども彼女の顔は段々険しくなっていった。俺、何か悪いこと言ったか?

「・・・・・・・・・・・・・ゴフジョウ。」
「・・・は?何それ?」
その言葉により、彼女は怒鳴った。
「――っゴフジョウはゴフジョウよ!!言っておくけど、こっち来たらぶっ飛ばすからね!!」
彼女はプリプリしながら森の奥に行ってしまい、やがて姿が見えなくなった。
・・・フ、知っていたさ。思わずとぼけてみたんだけど。
御不浄・・・・要するにトイレの事だろ?
いやはや、ナイスな表情とリアクションでした。これで仕返し出来たな!グヘヘ

む…腹の虫が再来したようだ。
まぁ、あれだけ動いたんだ。かなりカロリー消費したんじゃないか?
フルマラソンするよりよっぽど疲れるわ。
ふと財布の中を見ると、札一枚と小銭が少しばかり入っているだけだった。
元々買い出しするために入れた金だから、こんなに乏しいのは仕方がない。
だけどいつまでこんな旅が続くか分からない。そのためにも金はもっと必要だ。
バイト…なんてしてられる程時間はないしなあ。
アゴに手を置いてそんな考え事をしていると、
ボゴッ
という鈍い音がした。

音がした方向を見て、俺の背筋は凍りついた。

さっきまでそこにあった道は、巨大な亀裂によって遮断されていた。


こんな大規模な亀裂は、突然出来るようなものでは、きっとない。
地学は苦手なんだが・・地震とかがあってこそのものじゃなかろうか・・?
ともかく、この亀裂はあまりにも不自然すぎる。
もしかして、コイツも崩壊の前兆、なのか…?

「お待たせー…って何コレ!?」
シンディは戻ってくるなり、またも尻尾を逆立てて驚く。
「何の前触れもなく突然できたんだ…。」
二人並んで、亀裂の奥底を覗き込む。
辺りが薄暗かったのもあって、底はどうなっているか分からなかった。
「なぁ…これって、やっぱり…。」
「そうとは言い切れないけど…無視できるものじゃないのは確かよ…。」
何にしても、道がこうじゃ先には進めない。
もう日はすっかり暮れて真っ暗だ。
どうしたものか。
「それなら心配ないわ。」

そう言ってシンディは両手を交差させる。
「ガージュエール!」
真っ白な翼が、彼女の背中から生えていた。まさに天使。
「うわっ…それ、飛べるのか?」
「当たり前じゃない。」
彼女は翼を二、三回羽ばたかせながら断言した。
「ちょっとの距離で疲れちゃうから、滅多に使わないんだけどね。さ、行くわよ。」

俺の脇に手を回し、彼女は羽ばいた。
地面から足が離れ、フワリと浮く。
脇が締まる。超怖ぇ。
「おーい、落とさないでくれよー…。」
「大丈夫よ。あんまり動いたら死ぬけどw」

俺は再度地面に足をつけるまで、人形になっていた。

そっから更に数十分歩き、やっと森を抜けた。
森の木々で遮られていた空には、光輝く星が無数に敷き詰められていた。
森の出口から少し離れたところに、巨大な湖が広がっている。
エンダールにてシンディに見せてもらった地図に、
隕石でも落ちたんじゃないかってくらい綺麗な円形の湖が描かれていたのを思い出した。
リュネール・ホスーというらしい。
リュネール…確か古い言葉で『満月』という意味だったか。納得。
湖には橋が掛かっているが、先が見えないほど遠い。
「今日は野宿して、明日渡った方がいいかもね。」
「…そうだな。こんな湖と草っぱらしかない殺風景なとこに寝るのは気が引けるけど。」
「森の中よりはマシでしょ。」
火の一つくらい起こすべきかなと思ったら、何処からか香ばしい匂いがした。
元を辿ると赤い火が、周囲数メートルを照らしている。
火の近くには女の子がいて、串に刺した魚を焼いている。
俺たちに気づいたその子はこちらを見て、やらしい物欲しそうな目をしていたように見えたのか
「食べるー?」
と既に焼けた魚を差し出した。
遠慮の言葉を発言する前に、二人の腹が同時に返事をした。
なんて史上最低なデュエットなんだ。無論二人揃って赤面したさ。
そんな姿に彼女はケラケラと大笑いし、
「いっぱい穫れたから食べてよ、ね。」
と魚を勧める。
こちらとしては至れり尽くせりなわけで。
かつ彼女のあどけない笑顔でお願いされたとあっちゃあ、
断る理由なんて考える方が難しいわけで。
俺たちは火を囲うように座り、お言葉に甘えさせてもらった次第である。


「ふう、ご馳走さま。」
「ご馳走さま…ホント助かったよ。」
「いいよいいよー食べきれなくて捨てちゃうはずだった魚だもーん」
この子はずっとこんな軽い感じで話していた。コラット族の典型はまさしく彼女だ。
「そういえば名前、聞いてなかったな。」
「あ、そうだね。あたしソフィ・バーティニーっていうんだー」
しかしまぁ出会った女性が二度続けて綺麗な子だとは。
神様が俺の役回りと悲惨な立場を哀れんで、
せめて出会う子ばかりは美人をと思ってくれているに違いない。

ソフィ、彼女の場合は美人というより可愛いといったほうが適切だろうか。
タマゴ色の綺麗な毛並みとポニーテールがベストマッチングなんだぜ。
ひとつの集団に一人いれば、マスコットキャラみたいな存在になるだろうなあ。

「ザックス君とシンディちゃんは、旅の途中って感じかな?」
「実はそうなのよね。この池の先にあるクロンファートって街に用があるんだけど。」
「!そうなの?あたしそこに住んでるんだよー。」
これは意外だ。ラッキーとしか言いようがない。

ソフィの話を聞くと、クロンファートでの異常気象はほんの二週間ほど前から起こっているらしい。
昨日は人の頭ほどの雹がドカドカと降り、
それにより多くの建物が損傷、ケガをした者もいたそうだ。
街周辺で仕事や狩り等をしていた人のほとんどは、街から遠く離れ活動しているとのことだ。
ソフィもその内の一人で、お金になる魔物の毛皮や食料の調達に夢中になりすぎて、
日が暮れてしまったとの事だ。
「だからこうやって独りきりで野宿しようと思ってたんだけど、二人が来てくれたおかげで淋しさ解消!って感じだったよー」
ソフィは笑いながらそう言った。
まぁこんな無駄に広い草原と湖、後ろには不気味な森があるだけのところに
独りで野宿するとなれば、相当な肝っ玉の持ち主でないと心細すぎて死ねる。
昔から、淋しいと死んでしまうと言われている兎のように。

一段落ついたところで、ソフィは「次はあなた達の番だよ!」と言わんばかりの眼差しでこちらを見つめている。
これ、話してもいいのか?
ていうか話したところで笑われるだけじゃないか?
俺はシンディの方を見た。ゆっくりと頷く。
それを理由に、俺はソフィにこれまでの経緯を簡単に話した。


彼女は終始、紙芝居を見せている子供のように目をキラキラさせながら聞いていた。
そんなドキドキワクワク大スペクタクルもんじゃないぞ。
マジ死にかけたんだぜ…?
「はぁぁ~何てゆうかアレだねー」
「?」
「今あたし、そんな凄い体験をいくつも経験して、いくつも死線を越えてきた人と話してるんだよねーいやー運命感じちゃうなぁ~」
文じゃ分からないだろうが、口調に危機感がない。
「ねね、あたしもついてっていいかな?さっきもいったけど普段は狩りしてるから腕っぷしには自信あるんだ。全力で頑張るから、いいでしょ?ね?」
突然のパーティ入隊申請にビックリしたが、
仲間は多い方が心強いし断る理由もない。
俺が頷きながら了承すると、彼女はガッツポーズをしてピョンピョン飛び跳ねた。

ザックスと愉快な仲間達、第二号が登場しました。

翌日、天候は霧。
寝ずの番させられました。シィット
「眠いんですけど。」
「死にはしないわよ。さ、急ぎましょ」
もうシンディの悪態にはいい加減慣れた。慣れる方もどうかと思うが。
朝からご機嫌なソフィは腕を高く挙げながらノリノリで歩き出した。
湖に掛けられた橋は予想通りかなりの距離で、まだ日が昇って間もない頃に出発したのに、渡りきったのは昼少し前だった。
さすがに俺達足が棒になったよ。一人だけ除いて。
「まだもうちょっとあるんだぞー頑張れーぇぃ」

ようやくクロンファートに到着。
いや、かなり急な展開なんだけど、本当に何時間も歩いたんだぞ。
見ろこのモフモフな足、カッチカチやぞー
まぁそんなわけで着いたんだ。
街を見るなり俺とシンディは唖然とした。

まるで廃墟だ。

あちこちの建物はひどく損壊し、部屋がむき出しになっているものから完全に崩れているものまであった。
人通りも全くなく、あちこちに潰れた自動車が放置してある。
今はその『異常気象』はないようだ。ただ乾ききった風がヒューヒュー吹いているだけだった。
「こりゃ・・ひどいな。」
「・・・・ここの住人はどこにいるの?」
「地下に避難してるよー。あたしもそこにいたんだけど、皆移民の話してたかなー。」
そりゃこれだけ荒れているんじゃ、もう住みようがない。
街を捨てて他の街へ行くか、新しく興すほかない。

「シンディ、どうだ、ここ?やっぱり崩壊か・・?」
シンディは目を瞑ってしばらく唸る。
その間ほんの数十秒だったが、俺にはそれが10分にも20分にも感じた。
そして、シンディがハっと目を見開いた、その時だ。
「伏せて!」
その言葉に反応し、とっさに俺達は地面にうつ伏せになる。

気がつくと周りの建物は、跡形も無く消え去っていた。


「!誰だ!?」
俺の目先に誰かが立っている。
そいつは自分の身長ほどある巨大な鎌をクルクルと回しながら、ツカツカと近寄ってくる。
血に濡れたような薄らピンクの体毛をした、テリア族の女だった。
俺達は素早く立ち上がり、身構えた。

「・・・誤算だわ。まさか貴方達がここに来るとは思わなかった。」
「誰だと聞いている!」
「もう・・せっかちね。同じテリアの癖に。・・ま、いいわ。
 私、ビリアルデの幹部、ウルカ・エオゾーン。よろしく、ザックスクンとその他大勢さん。」

ビリアルデ・・!こいつが・・幹部?
「ザックス落ち着いて!あの兎ヤローは大した事なかったのよ!そんな機関の幹部なんてたかが知れてるわ!」
「・・・あぁ、フォスターぶっ飛ばしたの、貴方だったの。」
ウルカと名乗る女は、耳に巻いた真っ赤なリボンを巻きなおしながらそう言う。
「あいつも一応幹部だったんだけどねー。口だけクンだったかー。」
彼女は更に近づいてくる。俺は武器を構えた。

そこで奴は立ち止まった。
「まーまー落ち着いてよ。今は貴方達に手は出さないからサ。」
鎌を背中にしまって、両手のひらをこちらに向けた。
辺りをキョロキョロと見回して、更に口を開く。
「崩壊の元凶とやらが何なのか考えてたけど、何となく見えてきたわー。」
「なん・・だと?」
「何を考えているの?!」
「教えなーい。でもその内おのずと知ることになるって。安心なさい。


 運命は神が定めし永久不変の存在、『カシュール』は絶対避けては通れないんだもの。」


彼女はそう言って空に飛び立った。背中には炎のような翼が生えている。
「あれ・・シンディと同じ・・。」
上から俺達を見下ろしながら、
「あ、言い忘れてた。私は手は出さないけど、ここから生きては帰さない。そんなわけだからま、よろしく。そいじゃね」
と吐き捨てるように言って遠くへ行ってしまった。
直後、不気味な鳴き声があちこちから聞こえる。
辺りを見回して、俺達は鳥肌が立った。

モンスター、そういうべきだろう。
そいつらが大群で、こちらに向かってきていた。


「くそ!あの女!!」
「ザックス、怒るのは後よ!今は何とかしてこの状況を切り抜けないと!」
「・・そうだな。ソフィ、いけるか?」
「もっちろん!腕がなるなー!」
どいつもこいつも見るに耐えない風貌のヤツばかりだ。
おぞましい皮膚や剥き出しになった牙、目玉がいくつもあるやつまでいる。
あの時の、マントマンと戦ったときとは全然違う。
もしもこの状況で一人なら、俺は諦めていたかもしれない。

けど今は、仲間がいる。なんとかなりそうな気がした。

「ザックスは後方から援護して!」
「わかった!」
モンスターが近づいてくる。
武器は抜かれた。

俺はなるべく威力を抑え、シンディの死角にいる敵を片っ端からハチの巣にしていった。
ソフィの武器は己の拳。両手には鋼鉄の篭手が装着されている。
素早い身のこなしとフットワークで、敵を次々と薙ぎ倒していく様は、とても女性には見えなかった。
シンディも相変わらず、ナイフと魔法を使い分けながら鬼人の如く敵を一掃。
1匹1匹は大した事がないのだが、あまりにも数が多すぎる。

「ハァ・・ハァ・・キリがない、わ・・・。」
「俺、最近疲れっぱなしだぜ・・ハァ・・。」
「ほらー!2人ともー!休んでる暇ないんだよー!」
なんでこの子はこんなにピンピンしてるんだ。
そなたの元気の素を教えてください&分けてください。

が、突然モンスターは何かから逃げるようにその場を離れた。
「・・・?」
終わったのか、と思いきや、もう何というかこれが絶望ってヤツなんだろうなぁ
皆青ざめてたと思う。

超・超・大型モンスター降臨。

大きさ?フジヤマくらいあるよ。


「なっ何よコイツ?!」
「でっっかー!」
こんなの勝てるのか・・・。半ば戦意喪失しかけた時、
ヤツは俺達に気付くとこちらに顔を向け、
ズバアアアン!!
と口から光線を放つ。
素早く横に飛び込み、ギリギリで回避する。
光線を浴びた地面は、物体は、チリと化していた。

「・・・っザックス!フルパワーで撃って!」
「・・わかった!やってみる!」
「ソフィも出来るだけの力振り絞って!キツい一発ぶちかましてやるのよ!」
「オッケー!」
二人はモンスターに向かって走った。
俺はその場に立って、出来るだけの魔力を手に集中させる。
銃が強く光り輝く。
シンディもソフィも、大きな声で叫びながらモンスターの顔に飛び掛り、
バシュッ!!
ヤツの顔から黒い血飛沫が飛び交う。
それを合図に、俺は構えた。
「いっけえええええええ!!」
巨大な光弾が放たれ、見事に命中する。
凄まじい音と共にヤツの叫び声が聞こえる。
だがヤツはまだ生きていた。力を振り絞るかのように、またも光線を放つ。

「ハァ・・!まだ、少し足りない!」
「シンディちゃん!もう1回!」
「いや!いい!俺が行く!!」

俺はすぐさまモンスターに向かって走り出す。
「ザックス!何考えてるのよ!近づくと危険だわ!!」
「いいんだ!イチかバチか、覚えたてだ!!」
「え?!」


そうだ。俺は、また、あの感覚を感じ取った。
意識を左手に集中、魔力を放つ―!


「ヴォルト・ブレードォ!!!」


左手は光る刃物と化した。
俺は夢中で腕を振る。
その巨大な剣は・・モンスターをいとも簡単に一刀両断にした。


霧はいつの間にか晴れていた。


「ザックス君すっごーい!チョーカッコよかったー!!」
ソフィは一人で俺の周りをグルグル回りながらはしゃいでいる。
「・・これまた随分派手な技ねー。」
「あぁ・・危なかった。正直、もうダメだと思ったね。」
俺はヘナヘナと地面に倒れこんだ。全身の力が抜けた。
シンディもため息をついて額の汗を拭う。

元凶・・・一体何なのだろう。
それにあの女、カシュールって・・・。
「・・・分からないわ。」
シンディは首を振った。
分からないことだらけ、謎は深まるばかり。幸先不安だ
この世界は・・どうなっていくんだろうか・・・・。

クロンファートの住人は無事だった。
こうなった以上、やはり別の街へ移動することにしたようだ。
ソフィは皆に別れの挨拶をし、俺達はそこを後にした。
何処へ向かうかは、まだ決めていない。
ただ、急がなければならない事だけは、確かだ。




「ところで、ソフィってもしかして、仲間になるパーティの1人なんじゃないか?」
「お、よく分かったね。敢えて黙ってたんだけど。」
「やっぱりそうかー。あんな子供まで仲間になるなんてなー。さすがに驚いたよ。」
「・・・・あの子、ああ見えて18なんだけど?」
「!?」