「スレ3>>263 静かな図書館」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

スレ3>>263 静かな図書館」(2008/12/05 (金) 10:24:18) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

**スレ3>>263 静かな図書館 和賀甲介(わがこうすけ)は、手に取った紙を見て思わず溜息を吐きそうになった。 その紙には、新規購入調査票とタイトルが書かれており、その下には本のタイトルが幾つか記載されていた。 「予想通り……だな。」 「それを言うならガメラ先輩も同じですよ?」 「うるさい。それにそのあだ名は止めろ。咬むぞ。」 紙を置き、向かい側にいる象人に向かって口を上下させて鳴らした。 ワニガメの様に鋭利な形をした口は、何でも噛み砕く。 その威力を痛感している象人は、逃げる様に一歩下がった。 「や、やだなぁ。冗談は止めてくれませんか。」 「フン、本当に図体だけは無駄にある中学生だな、ババール。」 「あ!先輩だってオイラのあだ名使ってるじゃないですか。後、オイラがでかいんじゃなくて、先輩がちい……」 ババールもとい、羽場大吾(はばだいご)が反撃に出ようとした時、 和賀がまた口を鳴らしたため、押し黙ってしまった。 身長は実際の所、和賀は小学生並に低く、羽場は2mを超えている。 「たく……比取(ひとり)はどうだ?」 「あの、これです。」 和賀は、隣にいたペンギン人の比取に話しかけると、彼は恥ずかしそうに紙を差し出した。 「んーと……これじゃあ俺達と変わらないな。」 呆れと自虐が入り混じった声に、比取は、顔中が赤くなってハイっと小さく応えた。 「しかし比取は、本当に絵が好きだな。初等なのに凄いな。」 比取が紙に書いたのは、絵本と有名絵画絵師の作品集でばかりであった。 因みに、和賀が選んだ本は、歴史及び軍事小説物。羽場が、ファンタジー中心のライトノベルである。 「良いじゃないの。新しい本が増える事には変わりないんだから。」 司書室から4人分のジュースを持った人間の女性が現れ、三人に渡しつつ紙に目を通すと、和賀に笑いかけた。 「お、織田さん……」 「言いたい事は分かる。でもリクエストボックスにちゃんと他のがあるから大丈夫よ。」 織田は、近くにあった箱の中から紙を数枚取り出し、和賀に渡した。 紙には、三人のジャンルと全て違った物のタイトルが書いてあり、 安心するかと思いきや、怪訝な顔をするばかりであった。 「こ、この筆跡……」 「そうなのよ、ねぇ。」 織田は、何故か溜息を吐いてしまった。 理由は、リクエストを人物にあった。 リクエストと書いたのは、全て教師の人達であり、合同図書館にも係わらず、生徒からのリクエストは一切ない。 これは今回のみならず、毎回同じ結果になっているのである。 「みんな、本に興味が無いのかしら?」 「そ、そんな事ないですよ!?オイラ達の他にちゃんと利用している生徒はいますから。な、比取?」 「は、はい!」 テーブルに突っ伏して泣き言を呟く織田に、羽場が懸命のフォローをかけ、話を振られた比取も懸命に頷く。 「でも今は俺達以外いないんだよな。」 和賀の溜息交じりの小さな一言に、全員が凍りついた。 今日も静かに合同図書委員会が終わろうとしていた。 関連:[[和賀甲介&羽場大吾>スレ3>>421 図書委員's]] [[比取>スレ3>>413 返却担当・比取くん]] [[織田>スレ3>>421 いっしょですね]] ---- &bold(){&sizex(4){"その1"&italic(){[[その2>スレ3>>330-334 それでも静かな図書館]]}}} &bold(){&italic(){&sizex(4){[[ケモノ学校シリーズ:SS 3スレ目の作品一覧に戻る>ケモノ学校シリーズ:SS 3スレ目の作品]]}}} &bold(){&italic(){&sizex(4){[[ケモノ学校シリーズ TOPへ戻る>ケモノ学校シリーズ]]}}}
**スレ3>>263 静かな図書館 和賀甲介(わがこうすけ)は、手に取った紙を見て思わず溜息を吐きそうになった。 その紙には、新規購入調査票とタイトルが書かれており、その下には本のタイトルが幾つか記載されていた。 「予想通り……だな。」 「それを言うならガメラ先輩も同じですよ?」 「うるさい。それにそのあだ名は止めろ。咬むぞ。」 紙を置き、向かい側にいる象人に向かって口を上下させて鳴らした。 ワニガメの様に鋭利な形をした口は、何でも噛み砕く。 その威力を痛感している象人は、逃げる様に一歩下がった。 「や、やだなぁ。冗談は止めてくれませんか。」 「フン、本当に図体だけは無駄にある中学生だな、ババール。」 「あ!先輩だってオイラのあだ名使ってるじゃないですか。後、オイラがでかいんじゃなくて、先輩がちい……」 ババールもとい、羽場大吾(はばだいご)が反撃に出ようとした時、 和賀がまた口を鳴らしたため、押し黙ってしまった。 身長は実際の所、和賀は小学生並に低く、羽場は2mを超えている。 「たく……比取(ひとり)はどうだ?」 「あの、これです。」 和賀は、隣にいたペンギン人の比取に話しかけると、彼は恥ずかしそうに紙を差し出した。 「んーと……これじゃあ俺達と変わらないな。」 呆れと自虐が入り混じった声に、比取は、顔中が赤くなってハイっと小さく応えた。 「しかし比取は、本当に絵が好きだな。初等なのに凄いな。」 比取が紙に書いたのは、絵本と有名絵画絵師の作品集でばかりであった。 因みに、和賀が選んだ本は、歴史及び軍事小説物。羽場が、ファンタジー中心のライトノベルである。 「良いじゃないの。新しい本が増える事には変わりないんだから。」 司書室から4人分のジュースを持った人間の女性が現れ、三人に渡しつつ紙に目を通すと、和賀に笑いかけた。 「お、織田さん……」 「言いたい事は分かる。でもリクエストボックスにちゃんと他のがあるから大丈夫よ。」 織田は、近くにあった箱の中から紙を数枚取り出し、和賀に渡した。 紙には、三人のジャンルと全て違った物のタイトルが書いてあり、 安心するかと思いきや、怪訝な顔をするばかりであった。 「こ、この筆跡……」 「そうなのよ、ねぇ。」 織田は、何故か溜息を吐いてしまった。 理由は、リクエストを人物にあった。 リクエストと書いたのは、全て教師の人達であり、合同図書館にも係わらず、生徒からのリクエストは一切ない。 これは今回のみならず、毎回同じ結果になっているのである。 「みんな、本に興味が無いのかしら?」 「そ、そんな事ないですよ!?オイラ達の他にちゃんと利用している生徒はいますから。な、比取?」 「は、はい!」 テーブルに突っ伏して泣き言を呟く織田に、羽場が懸命のフォローをかけ、話を振られた比取も懸命に頷く。 「でも今は俺達以外いないんだよな。」 和賀の溜息交じりの小さな一言に、全員が凍りついた。 今日も静かに合同図書委員会が終わろうとしていた。 関連:[[和賀甲介&羽場大吾&比取海那>スレ3>>421 図書委員's]] [[織田>スレ3>>421 いっしょですね]] ---- &bold(){&sizex(4){"その1"&italic(){[[その2>スレ3>>330-334 それでも静かな図書館]]}}} &bold(){&italic(){&sizex(4){[[ケモノ学校シリーズ:SS 3スレ目の作品一覧に戻る>ケモノ学校シリーズ:SS 3スレ目の作品]]}}} &bold(){&italic(){&sizex(4){[[ケモノ学校シリーズ TOPへ戻る>ケモノ学校シリーズ]]}}}

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
目安箱バナー