昭和36年から、母子保健法第12条に基づいて、3歳児の身体発達と精神発達に関する健康審査が行われ、病気や障害の発見に貢献した。
昭和52年から、厚生省通達により1歳6ヶ月児検診が行われるようになり、病気の早期発見・早期治療だけでなく、障害の早期発見・早期療育の役割を果たしている。
1歳6ヶ月児健康診断の例(発達年齢が1歳から1歳半程度の項目)
①移動運動 | 200mくらい一人で歩ける。片手を持てば階段の昇降が出来る。三輪車などを押して歩ける。ボールをオーバーハンドで投げる。 |
②手の運動 | 積み木を2つ積み重ねる。ドアを1人で開閉出来る。自動販売機のボタンなどを押したがる。鉛筆でぐるぐる書きをする。 |
③言語理解 | 絵本で「ワンワンどれ?」などと尋ねると指を指す。「新聞持ってきて」などの簡単な指示に従う。目、鼻、口などの名前が2つ以上わかる。 |
④言語表出 | 名前を呼ばれると返事をする。動物を見て「ワンワン、ニャーニャー」などと言う。2語以上の語彙(パパ、ママなど)を使い分ける。 |
⑤概念 | 熱い―冷たいがわかる。恐いがわかる。 |
⑥子供関係 | 自分より小さい子供を見て近づいていく。親から少し離れて遊べる。友達に玩具を貸してあげる。友達と手をつなげる。 |
⑦大人関係 | ほめると同じ事を繰り返す。親を見ながらいたずらをする。難しいことに出会うと助けを求める。簡単な手伝いが出来る。 |
⑧生活習慣 | 自分で口元を拭こうとする。手が汚れたら綺麗にして欲しがる。包み紙をむくようにせがむ。パンツをはかせる時両足を広げる。 |
3歳児健康診断の例(発達年齢が3歳から3歳半程度の項目)
①移動運動 | ブランコに乗り立っている。でんぐり返りが出来る。片足で5秒くらい立っている。片足ケンケンが出来る。 |
②手の運動 | 真似て○が書ける。真似て十字が書けるハサミで紙を直線に切れる。ボタンをはめられる。 |
③言語理解 | 赤、青、黄、緑がすべてわかる。櫛、帽子、鏡、コップ、鉛筆の用途がわかる。「お腹が空いたらどうする?」という質問に正しく答えられる。 |
④言語表出 | 2語文の復唱が出来る。自分のことをボク、ワタシと言える。絵本を見ながらしゃべる。同年齢の子供と会話が出来る。 |
⑤概念 | 「高い・低い」「遠い・近い」「浅い・深い」「強い・弱い」がわかる。3までの数がわかる。(「いくつある?」「3つ頂戴」など) |
⑥子供関係 | ままごと遊びで役を演じる。テレビの主人公遊びをする。ブランコなどで順番を待つ事が出来る。 |
⑦大人関係 | 「こうしていい?」と許可を求める。自分が作った物を見せたがる。ほめるともっとほめられようとする。 |
⑧生活習慣 | 箸が使える。口をすすぐ事が出来る。夜のオムツがいらない。自分で靴を履く。自分でパジャマを着る。 |