創作ノート内検索 / 「幸せのかけら」で検索した結果
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プロット 第一章 病める薔薇 白鳥の死? 棘 嵐の夜 幸せのかけら? 夜明け? 幕間 妖精の約束? 第二章 剣の乙女 決意? 三章 幽囚の姫君 第四章 魔性の恋人
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嵐の夜
嵐の夜だった。 鎧戸は叩き破られんばかりに激しく音をたてて揺れていた。外を彷徨う亡霊が入れてくれとすすり泣き、唸り、脅しつけている――あれはただの吹き荒れる風の音だ。彼女は耳を塞ぎ、ベッドの中で胎児のように丸まって震えながら、必死に言い聞かせていた。 荒れ狂う風に怯える夜は、アルベルトが手を握ってくれた。彼女が眠りにつくまで。 だが今、側に彼はいない。拒絶された日から、彼の姿を追いかけそうになる度に唇を血が滲むほどに噛みしめた。心は凍てついたはずだ。恋が死んだあの時に。なのに! 明日になれば、結婚相手である隣領主の城に向けて出発することになっていた。せめて、最後に別れの言葉を交わしたかった。未練たらしいと自分に腹を立てたが、これで最後かもしれないと思うといてもたってもいられず、アルベルトを探した。城中を探し回った。 だが彼はどこにもいなかった。 ――こんな嵐の夜に...
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棘
深紅の滴が白い布に散った。 それが、雪のなか鮮やかに散った血を思いださせた。 幼きころに交わした誓約と白鳥の流した血――死を連想させる。 カーラインは、血が滲んでいる指を舐めた。 「馬鹿ね」 刺繍よりも、遠い異国の地にいるアルベルトのことしか頭になかった結果がこれだ。 ため息をついて針をおく。物憂げに窓の外を見れば、吸い込まれそうなほど天高くどこまでも青い空がひろがっている。 別れた日も、こんな青空の下だった。 * 「アルベルト! お父さまと一緒に十字軍に加わるというのは、本当なの?」 昼下がりの気怠げな空気を破ったのは少女の高い声。薔薇園に佇んでいる彼を見つけて、一直線に向かっていき、勢いあまって転けそうになったところを抱きとめられた。全速力で走ってきたせいで肩で息をしている。まだ幼さを残した頬を紅潮させて、青年を睨みつけた。...
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折れた魔剣
折れた魔剣 (ハヤカワ文庫 SF (1519)) ポール・アンダースン 関口 幸男 早川書房 2005-06-09 評価 by G-Tools , 2008/03/30 9月1日読了しました。 読んでいる間、どっぷりと北欧神話の世界に浸っていました。なんて壮絶な運命なのか。夏なのに寒気がして鳥肌が立ちました。 スカフロクよりも取り換えっ子のヴァルガルドの方が悲惨です。彼の人生っていったい何だったの? エルフとトロールの混血で人間じゃないのに、彼の慟哭は人間のもの。運命に操られるようにして弟を父を妹を次々と殺していく。そして我に返ったときに、やつらはオレの本当の家族じゃないんだ、と言い聞かすようにつぶやくのが哀しい。家族と信じていたものには血のつながりはなく、人間の子どもを手に入れるためだけにエルフの太守イムリックによって作られた彼は、スカフロクの影でしかない。だから...
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