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手錠編

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hutati

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ある日の放課後。
俺は姉さんと一緒に、屋上にいた。

より正確に言うなら、屋上で姉さんに押し倒されていた。
より正確に言うなら、屋上で姉さんに手錠プレイを強要されていた。

「いいじゃないか。今更何をためらう」
「外でするのは嫌だって、いつもいってるだろ!?
 誰かに見つかったらどうすんだよ!
 近親相姦っていうのは、姉さんが思うよりずっと世間的には悪なんだよ!?」
「そこで手錠だ。
 弟君がこれで拘束されていれば、近親相姦ではなく私が情欲に駆られて弟君を強姦しただけだという言い訳が出来るだろう?」
「俺はそんなことを言ってるんじゃない!
 聞いた話では、近親姦した姉弟は、正常な社会生活を送らせるために、無理矢理引きなはされるらしい。
 俺は姉さんから離れたくないんだよ!別に、姉さんに意地悪してるわけじゃない!」
「おとうとくん・・・」

姉さんの表情が少し緩む。
この俺の身を貼ったデレに、心を動かされたらしい。
「分かってくれた?姉さん・・・」
「うむ。すまんな・・・ わがままを言ってしまった」
「いいんだよ。」

姉さんが俺の上から退いて、手を伸ばし

「じゃあ、帰ろうか」

すっかり安心して手を出した俺に、

姉さんは容赦なく手錠をかけた。

「!!!111!!」
「ははははひっかかったねおとうとくん」
「姉さん!?」
「弟君の言ってくれたことはよく分かるし、嬉しくも思う。
 だがしかし、この世には危険だと分かっていてもやりたいことと言うものがあるのだよ!」
「かっこいい言い方すんなあ!このドS!」
「ふふふふふふ観念したまえ」

誰が観念なぞするか。まだメインカメラをやられただけだ!
拘束されていない左腕で、姉さんから手錠を奪い取る!
が、姉さんも突っ立って居るわけではない。逆に俺の動きを利用して、左腕に手錠の輪をかけようとしてきた。

「そんな動きは既に予想の内!」

だが俺は、手錠の鎖を考慮に入れていなかった。
右腕が引っ張られ、バランスを崩す俺。

「ちっ!!!」
「ハァハァハァハァハァハァハァ」

姉さんは既に感じ始めている。男が感じやすいと早漏と蔑まれるのに、女が感じやすいと絶賛されるのは不公平だと皆さん思いませんか?

「おとなしくさせてあげよう!」

空中で動きをとれなくなった俺に、姉さんが畳みかける。






そのとき、奇跡が起こった。

ガチャ


「?」
「!?」

手錠の輪が、姉さんの腕に掛かっていた。

図らずも、俺の右腕と姉さんの左腕が手錠でつながれてしまったわけだが。


「姉さん」
「・・・?」
「ぼーっとしてないで、これを外してくれないか・・・?」
「ん、ああ、すまない。軽くイッてた」

都合の悪いことは聞き流すのが俺のアークドライブ。

「鍵あるんだろー?」
「もちろんだ。」

姉さんがポケットをまさぐり、小さな鍵を取り出す。
姉さんの腕に掛かっている方の鍵穴に鍵を差し込み、回そうとするが、

「?」
「?」

回らない。

「姉さん。ちょっと俺にもやらせて」
「ん」

鍵を受け取り試してみるも、やはり回らない。

「不良品か?」
「おかしいな。昨日試したときにはちゃんと回ったんだが」
「で、どうするよ」
「仕方ないから、これを買った店に行って壊してもらいましょう」

よく見ると、この手錠かなり頑丈に出来ている。鎖がちょっと長めになっているあたりはさすがにSMプレイ用らしいが、学校にある工具なんかでは外れそうもない。
そもそも片手ふさがってるし。

「じゃあ、もう少し待って、人が少なくなってからその店に行こうか」
「そうだな」

そう言い終わるやいなや、男が扉を開けて屋上に入ってきた。

「WAWAWA忘れ物~」

忘れ物を取りに来たらしいその男は、太い鎖で拘束された俺たちを見るや、

「・・・すまん
 ごゆっくり!!!!」

「お姉さま!あれを使うわ!」
「合点承知の助!」
「ビッグバンアターーーーック!!」「滅びのバーストストリーム!!」

「アッーーーーー!!」

「さて・・・目撃者の口は封じたが」
「今の音、多分誰かに聞かれているな」
「急いでここを離れよう」

屋上を出た俺達は早速立ち往生していた。
いつの間にか一つ下の階、屋上へ続く階段の入り口辺りにカップルが一組いて、愛を語らっているのだ。
踊り場を少し上った所からちらちらと様子を窺うも、全く帰る様子がない。

できれば先程のような、暴力に訴える手段は避けたい。

「どうしようか姉さ

振り向いて話し掛けようとした俺の耳に届くぬめった水音。

くちゅ くちゅっ…

「ん、ううんっ… ひゃうんっ!」
「姉さん何してんだ!」

姉さんが脚を大きく、某ジョイトイを彷彿とさせる形に拡げて自慰をしていた。

「すまんおとうとくん」

姉さんは言う。

「私の手首にこの鉄輪が食い込んでな
 正直痛かったんだが、この輪でおとうとくんと、文字通り繋がっているのだと思うと、急に我慢が出来なくなってしまった」
「姉さんMっ気もあったんだ」
「どうやらそうらしい…
 ああっ、そんなに見られてはまた感じてしまう… んっ!」

そこで俺は気付く。

「姉さんノーパンじゃねーか!」
「駒都えーじを見習ってみた」
「『ぱんつはいてない』?」
「イリヤやまぶらほもいいが、個人的にはミナミノミナミノにおける氏のアートワークも捨てがたい」
「続きが出ないんじゃ仕方ないだろ」
「だな」

そうではなくて。

「なんでノーパンなんだよ!?」
「妙なことを言う。そんなもの、ぱんつはいてないほうが興奮するからに決まっているだろう」
「そうだな!たしかにそうだよ!」
「考えてもみろおとうとくん。
 私が今日一日中『状態異常:ぱんつはいてない』だったとしたら。
 授業中、妙にスカートを気にする私。
 外を歩いているとき、風に酷く驚く私。
 妙に脚をぴったり閉じて座る私。
 萌えないか?」

そういわれると。

「エロい。エロいよ姉さん」
「まあ実際はおとうとくんと会う直前に脱いだんだがな」
「なあんだ」
「万が一にも、おとうとくん以外の男に私のえっちぃところを見られてはならんからな」
「姉さんのそういうところが俺は大好きだよ」
「嬉しいこと言ってくれるじゃないの」

姉弟の絆を再確認したはいいが、未だ問題は解決していないわけで。
「それなら良い方法が」

そういって姉さんが取り出したのは小さな人形。
「これで奴らを追い払う」
見るとその人形は何の支えもなく直立し、あまつさえ歩行しだした。

「なんだよこれ…姉さんのテクノロジーは宇宙か?」

ていうかAIR?

「秘密は女を女にするのだよワトソン君。
 さあ行け我がしもべ。ちゃんとやらないと股を裂いてしまうぞ」
「羽美!?」

人形は姉さんの指示に従い、カップルの方へ歩いていった。

数瞬後、

『な!? なんだよこれうわぁーっ!』『やめ、やめて!』
バタバタという音が響き、


そして静寂。

姉さんが立ち上がって言った。
「さあ行こうか」
「い、今のは!?もしかしなくても殺した!?」
「心配するな殺してはいない。追い払っただけだ」

まあ、あんな訳の分からんもんに追い掛けられたら、逃げるしかないわな。


「ひとまず、財布と鞄を取りに行こう」
「そうしようか」


――――――――――
姉さんの教室には誰もいなかったので財布と鞄は簡単に回収できた。
問題は俺の教室にあった。

俺達は廊下から教室内を窺っているので音はほとんど聞こえないのだがそれでも教室で何が起こっているのか知るには十分過ぎる。

美人で有名なクラス委員の山田さんと帰国子女のマリアさんが抱き合い口付けあっていた。

「いや…この場合は『マリア様』と呼ぶべきか」
「しかし困ったな。これでは荷物を回収出来ない」

見れば山田さんとマリアさんはまだ互いを貪り始めたばかりのようである。
とてもじゃあないが今の俺達に、彼女たちの禁じられた遊びが終わるのを待っている余裕は無いし見物している時間も無い。




それでもどうしようもなく惹き付けられてしまう光景だった。

どうやらマリア様のほうが『お姉さま』のようで、小柄な『妹』の体を抱きかかえて、激しくキスしている。
 二人とも目を閉じ、僅かに身をくねらせている。

「あれは舌入ってるな」
「マリア様がみられてる…」

ゆっくりと二人が唇を離す。別れを惜しむかのように残る銀色の糸がやけにエロい。
マリア様が山田さんに何か囁くと、山田さんはなんとも言えない、恥ずかしそうな嬉しそうな顔をしてうつむいた。

「『可愛いわよ』とでも言ったんかね」

マリア様が山田さんの下着を脱がせ始めたので、俺は慌てて顔を背けた。

「いけないいけない見てはいけない人として」
「あまり盛り上がっているところを邪魔するのも悪いな。早くどいてもらおう」

「しかしどうしようか姉さん」
「そうだな」

姉さんが少し考える。
「そもそも女性というものは、雰囲気やムードといったものを大事にする」
「いきなりなにを…
 まあそれはそうなんだろうが」
「特に百合カップルはこれが激しい。なにせ通常の二倍女性がいるわけだからな」
「確にそうだな」
「つまり何らかの手段で彼女たちの耽美空間を破壊してやれば、あの姉妹はどこか別のところへ行くのでは?ということだ」
「なるほど。しかしどうやって?」
「放送室へ行こう」



――――――――

目的地に着いた俺は激しい既視感に襲われていた。
「なんだろうこれ…ものすごいデジャ・ヴ」
「デジャ・ヴ?アイアンメイデンの?」
「なんだそれは」
「隠れた名曲だ」
「しらんがな
 だいたい放送室を乗っ取ってどうする。呼び出しでも掛けるか?」
「いや、できれば私たちがこの放送室を使ったと言うことは隠しておきたい。
 それに、用もないのに呼び出すなんて可哀想じゃないか」
「まあそうか」
「これを使う」

姉さんが取り出したのは一枚のCD。

「(また既視感がっ)それはもしかして」
「若本則夫氏朗読の『無明逆流れ』
 これ食らって平気な百合カップルなんていないよ」

教室に戻ると、俺たちの目論見どおりリリィシスターズはいなくなっていた。

「上手くいったが…あの姉妹には悪いことをしちゃったな」
「いずれ何かで借りを返したいところだな」
「それにしても姉さん、よくあんなアイデア思い付いたな。
 いや、若本則夫氏朗読のCD持ってたのも驚きだけどさ」

何気無く言ったことだったんだが。

「なあに、かつては私も百合っ娘だったからな。あれぐらいの策は出せる」

来ましたよ爆弾発言が。

「…なんだって?」
「もうかなり前になるな…
 私がまだ、近親相姦はNOなどという下らんルールに縛られていたときのことだ。
 おとうとくんは好きだけどおとうとくんは実の弟だし、他の男でも好きになればいいかと思えどろくな男がいない。
 悩み苦しんでるうちにいつの間にかそうなってた」
「逃避かよ!ガチレズが聞いたら怒るぞ!」
「そんなこといったってしかたないじゃないか。
 まあ、どこの誰が決めたかもしれん決まりに従う必要なんかないと悟ったときに、きっぱりと百合は捨てたよ」
「…姉さんでも、悩むことはあるんだな…」
「その言い方は少々引っ掛かるがまあよしとしよう。

 しかしあの時期に、もしおとうとくんに彼女でも出来てたら、多分手遅れになってたな」
「手遅れって、まさか」
「どっかのお姉さまに処女を奪われていたかもしれないということだ
 おとうとくんが最終的に私を選んでくれたから、私は百合小説に耽るくらいで済んだのだ。
 私をノーマルな異性愛者の世界に引き戻してくれたと言う点では、私はおとうとくんに感謝してもしきれない」
「いや、今の状況も決してノーマルじゃないと思うが。
 それに俺は姉さんが好きだから姉さんを選んだだけだよ。感謝なんてしてもらわなくても


続きの言葉は言えなかった。
姉さんの唇が俺のに重なったせいで。

たっぷり二十秒は俺の舌を吸った後、姉さんは言った。

「……ありがとう」
「……だから、感謝は要らないって……」
「それでも、だよ。ふふふ」

姉さんの顔が紅く染まっているのは、夕焼けのせいだけではないはずだ。

「……なあおとうとくん」
「なんだい、姉さん」
「このまま、手錠が外れなかったらいいな」
「……え?」
「これが外れなければ、ずっといっしょにいられるじゃないか。
 誰も、私たちを無理矢理引き離すことなんて出来なくなる」

姉さんらしくない、まるで夢見る少女の言いそうな言葉。

「おとうとくんが他の女に奪われる心配もなくなる。
 おとうとくんが私を捨てる心配もなくなる」

いつも自信満々な姉さんが、珍しくも言った弱気な言葉。



いや、これが本来の姉さんなのか?

そもそも自分の恋人について、絶対の自信を持っている人間など、恐らく居まい。

ましてや俺達は実の姉弟なのだ。
そのことについて、姉さんが不安に思わないはずがないのだ。

いつもは大胆で強気な発言を繰り返す姉さんでも、実際はまだ十代の少女に過ぎない。

あるいは、普段の言動は姉さん自身を支えるためのものだったのかもしれない。



そう思うと、急に姉さんがこの上なく儚い存在のように見えてきた。

「……姉さん、俺は……」
「はははっ。驚いたか?おとうとくん?」

俺を見上げるのは満面の笑顔。

「冗談だよおとうとくん。大体、手錠が外れなかったらトイレの時に困るじゃないか。
 まだスカトロプレイに走るほど私たちの仲は冷えていない」

「……」
「さあ、早くここを出よう。いつまでもここに居るわけにはいかない
 百合姉妹の残り香が気になるのは分かるが」
「なっ!? べ、別にそんなつもりは」
「さあ! 行くぞおとうとくん!」

腕を引っぱられながらも、愛する人の新たな一面を垣間見られたことに、俺の心ははずみ続けていた。




「ところで、百合とレズの違いってなに?」
「『貝合わせ』の有無ではないだろうか」
「うわ直接的」

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