既出ジャンル「下ネタ姉」まとめ&保管庫 ゼロの姉弟編

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369 愛のVIP戦士 07/05/23 21:32:41 ID:uHvtFZZ2
どういうことだ。

俺は確かに、姉さんと町を歩いていたはずだ。
その俺のうえに、どうして女がまたがり、さらには接吻をしているのか。

「こらーーーーーーーーー!」
姉さんだ。
一瞬で俺の上にいた女がいなくなる。

「なっ、なにするのよ!」
「それはこっちの台詞よ!おとうとくんは私の物なんだからね!」

姉さんが跳び蹴りで女を吹き飛ばしたのだ。

「もううるさいわねっ!使い魔のくせに!」

前代未聞の事件が、ここに開幕した。


「ゼ  ロ  の  姉  弟」


俺にキスしていたルイズとかいう女が落ちついた後、俺たち姉弟は説明を受けた。

ここは俺たちの住んでいた地球とは異なる場所であること。
魔法を使える人間が貴族、そうでない者が平民であること。
魔法使いは一人につき一匹の使い魔を使役すること。

大体こんな所だ。わからないところはwikipediaででも調べて欲しい。

だがそんな説明で納得できるはずもなく。

「なんだそれ!勝手に呼び出しといて奴隷になれってか!ふざけんのもたいがいにしやがれっ!」
「なによ!私だって、あんたみたいな平民、呼びたくて呼んだ訳じゃないわよ!」
「だったら早く戻せよ!元の世界によ!」
「できたらとっくにそうしてるわよ!」

どうやらしばらく帰れそうにないらしい。

「おとうとくん」
「姉さん・・・」
「早く帰りたいのは分かるけど、ここはこいつに従った方がいいと思うの。
 私達はこの世界のこと、なんにも知らないし。この国ってあんまり治安も良くなさそうじゃない。
 悔しいけど、こいつの庇護が必要よ、今の私達には」

確かにそうだろう。
帰れる目処が立つでまは、使い魔をするほかなさそうだ。

「じゃあ、私の家に来なさい」
指図すんな糞。

その夜。
部屋の隅で寝ろと言われた俺はぶちぎれていた。
「家畜か!?俺は家畜か!?ええ!?」
「うるさいわねだまりなさいよ」

そんな俺に姉さんが囁く。
「良い考えがあるの。ひとまずここで寝ましょ」
「文句無いわね?じゃあ寝るわよ。朝は私より早く起きて、朝食をつくるのよ。」

消灯後。
俺の布団に姉さんが入ってきた。
「おとうとくうん」
「なに、姉さん」
「おとうとくうん、お姉ちゃんもう我慢できない・・・」
「ね、姉さん?」
「ね、おとうとくん、しよ」
「こ、ここで!?」
「いいじゃない。ねえ、しよ」
姉さんが服を脱ぎだした。本気か!?あの女たぶんまだ起きてるぞ!?
「ねえねえ」
ついにルイズが起きた。
「う・・・・うるさーーーーーい!!出ていけーーーー!」

結局俺たちは屋根裏部屋で寝た。性的な意味でも寝た。

翌日。

使い魔たる我々姉弟は、主人のルイズについて学校へ行かなければならないらしい。
トリステイン魔法学院とかいう学校へだ。

「トリステイン?」
「どうかしたの姉さん」
「トリステインって、あのゴシックメタルの?」
「それはトリスタニアですね」
「『Illumination』は名盤よ」
「誰も聞いてないっすね」
「それともあれ? ARX-8?」
「レーバテインな」

なんだかんだで午前の授業が終了。
ルイズがなんか色々爆発させたりしていたが、授業中ずっと姉さんに首筋を舐められていたためその辺のことは良く覚えていない。

そして昼休み。
ルイズが言う。
「この食堂は、本来貴族しか使えな・・・・・

ルイズの言葉なんぞを聞いている余裕はなかった。
俺は姉さんに、口移しでスープを飲まされていたのだ。

「んんっ、姉さん・・・・・」
「ち、ちょっとあんた達!聞きなさいよ!」
「えへへおいしかったでしょ」
「本来使い魔は外で
「まだまだたっぷりあるからね~」
「だから、あんた達は床で・・・・ ってもう!聞けえ!
「ごちそうさま♪」

なんだかんだで食い終わってしまった。
事件が起こったのは、その後である。

「まったく、君たち平民という者は、静かに食事をするって事ができないのかい?
 大体、実の姉弟だろう?君たちは。何で毎日毎日そんなベタベタしているんだ。
 気分が悪いから、先に教室へ戻らせてもらうよ」
そういって席を立ったのは、気障な感じの美少年ギーシュである。
ルイズについていった教室で何度か見た覚えがある。どこぞの貧乳と違って、魔術の方もなかなかの腕前らしい。
「ねえねえおとうとくん。さっきここへ来る途中、人があんまり来なさそうな倉庫を見つけたのよ。
 後で行ってみない?」
姉さんは全く無視している。少々顔の造形がよいくらいでは姉さんの注意を引くことはできないのだ。
「ちょっとあんたたち!貴族に話しかけられたらちゃんと返事しなさいよ!」
ルイズが叱責するが、
「あの場所、多分体育倉庫みたいなところだと思うのよ。
 体育倉庫といえばやっぱり制服姦よね!この学校なかなか分かってるわ!」
決して俺たちがセックスするために体育倉庫がある訳じゃあないと思うが、それはまあいい。
「姉さん。この世界で生きて行くには奴らの庇護が必要だとか言ってたじゃあないか。無視してていいの?」
「最初はああいったけど、やっぱりお姉ちゃんにとっての最優先事項はおとうとくんなの」
だそうです。
ギーシュはスルーされ続けてかなり腹を立てたようだが、キレるにはいたらず、ちょっと顔をゆがめてそのまま立ち去ろうとした。
そのとき俺は、奴の椅子のうえに小さなビンを見つけた。

「ちょっと、これ落としましたけど…」
「これは僕のじゃない。君は何を言っているんだね?」
「でも確かに…」

そのビンに気づいた他の貴族達が騒ぎ始めた。
「おい、その香水はモンモランシーのじゃないか?」

貴族達が騒ぎ始めた。
ギーシュが抑えようとするが、全く効果がない。
そこへ最近ギーシュが口説いていたらしい後輩が通りかかり、 事態は更にややこしくなる。
更には名指しされたモンモランシーとかいう少女もやって来る。

結局この騒ぎは、二股をかけていたギーシュが香水を頭にぶちまけられることで収束した。

収まらないのは二股をかけていたギーシュだ。
「君のせいで、僕と彼女の名誉が傷ついた!どうしてくれるんだね!?」
「しらんがな」
「そうよおとうとくん。こんな二股かけてた下司野郎に謝ることなんて無いわ。
 こういうのに限って童貞なのよ!
 大体、貴族貴族って、所詮は自分で手に入れたものじゃなくて親にもらったものじゃない!
 そんなにお父様にもらったものが誇らしいの?まるでガキね!」

さっきさんざんスルーされて、さらにここへ来ての暴言。プライドの高い貴族をキレさせるには十分だったようだ。

「も、もう許さんぞ!決闘だ! 今日の五時、広場へ来い!」
「いいわよん♪」
勝手に了承しないで欲しいな。



数分後。
俺と姉さんは食堂で作戦会議をしていた。
「そもそも、なんであんな誘いにホイホイのったの?」
「ここであの貴族をぶっ飛ばして私達姉弟の愛の力を示せば、平民平民ってバカにされることもないかなって
 私はともかく、おとうとくんが貶められるのをいつまでも放っておけるほど、私はチキンじゃないわよ」
「姉さん・・・・・」
普段は馬鹿なことばっかりするくせに。卑怯だぜ、姉さん。
「とにかく奴の情報が欲しいわ。
 あ、そこのメイドさん、ちょっといい?」
「はい、なんでしょう?」
呼ばれてきたのはメイド服に身を包んだ、少しおとなしそうな感じの女の子。俺と同年代だろうか。
「ギーシュって男についてkwsk」
「ギーシュさんですか。
 あの人は使い魔さん達のご主人、ルイズさんと同じ学年の方です。
 『青銅』という二つ名を持ってられます。その名の通り、青銅で出来た兵士『ワルキューレ』を操る魔術に長けておられます。」
「ありがとう。ええっと、名前を聞いていなかったわね」
「シエスタと申します」
「シエスタさんね。
 もう一つお願いがあるんだけど」
「なんでしょう?」
「そのメイド服、後で貸してくれない?」
姉さんの頭をはたく。
「貸さなくても良いですよシエスタさん。いつものことですから」
「は、はあ・・・・」

とにかく作戦を立てなければ。
「私達の使える道具を整理してみましょうか」
「そうだね」

俺が持っていたものは、修理に出していたノートパソコン、録音用マイク、予備の充電池。
姉さんが持っていたものは、『姉の淫腔』『姉の媚乳』『姉汁』『姉、ちゃんとしようよ!』『あねらぶ』

姉さんの頭をはたく。
「いたぁい!」
「何でエロ本ばっかりなんだよ」
「しかたないじゃない!」
「しかたなくないだろ・・・常識的に考えて・・・」

まともに使えそうなのはノートパソコンくらいか。
「なにかできるかなこれで」
「グーグル先生に聞いてみようよ!」
「うん、それ無理♪」
「ですよねー」

コントをしている場合ではない。

ノートパソコンに何か入っていないか、調べてみることにした。

しばらく動画類を漁っていると、

「ねえ、これつかえるんじゃない?」
「おお、そういえばこんなもん保存したな。
 まだ残ってるとは思わなかった」

良さそうな物があったじゃあないか。


五時。広場。

約束の時間丁度に広場へ行くと、ギーシュが既に来ていた。
野次馬もかなりいる。制服を着た貴族が大半で、ギーシュはもう勝った気でいるらしい。

「いけギーシュ!」
「生意気な平民に、力の差ってもんを教えてやれ!」

「気にしなくていいわよおとうとくん」
「大丈夫だよ、姉さん」
姉さんが勝てない勝負なんてしないことを、誰より知っているのはこの俺だからな。

大仰な動作とともにギーシュが芝居がかった台詞を口にする。
「やあやあ平民君。逃げるかと思っていたが、ちゃんときたじゃないか。そこはまあほめてやってもいいよ?」
妙な気分だ。
こいつと戦うのは始めてのはずなのに、どうしてか俺はこいつが負ける姿を見たことがあるような気がする。
それも一度や二度ではない。
シスの暗黒卿、傭兵、VIPPER、出会い厨などがよってたかってこの気障野郎をフルボッコにしているのを、俺は見たことがある。
デジャヴってやつか?

「もう聞いているかもしれないが、僕は皆に『青銅』のギーシュと呼ばれていてね。
 決闘は僕の忠実な戦士、『ワルキューレ』にしてもらうよ」
姉さんが答える。
「『青銅』がなんだっていうのよ!
 私は『激愛』の姉! こっちは『淫乱』の弟よ!」
ちょっとまて。
「『淫乱』て。どう考えても姉さんの二つ名だろ」
「じゃあ『抜かず三発』の弟と、『ミミズ千匹』の姉っていうのはどうかな」
「風俗店じゃないんだから」
「コントをやめろ!」
ギーシュが割り込んできた。
「さっさと始めるよ!」
ギーシュの持っていた薔薇の花が地面に舞い落ちる。と同時に、ギーシュの前に青銅の人形が出現した。
戦乙女の姿をしたギーシュの兵士、『ワルキューレ』である。

「おとうとくん!あれ見てあれ!さまようよろいよ!」
しかし姉さんは全く物怖じしない。
「優先して倒さないと、ホイミスライム呼ばれるわよ!ホイミスライム!」
「聞け!」
ギーシュはかなり焦れている。
「来ないなら、こっちから行くよ!」
「その前にちょっと、見て欲しいものがあるんだけど」
俺がノートパソコンを開く。
「この映像に、ちょっと集中してみてくれないか?」
「なんだと?」
少し不審がりつつも、見る気はあるらしい。
「これだ」
再生したのは、強い光とめまぐるしく変わる原色を含んだ一本の動画。

しばらくその動画を見ていたギーシュだったが、

「ん・・・んな・・・」

気を失って仰向けにぶっ倒れた。

ギャラリーがとたんに騒ぎ出す。
「ギーシュが負けた!」
「一体どうしたんだあいつら!」
「平民が、貴族に勝つなんて!」


「うまくいったね♪」
「ああ」
ギーシュに見せたのは、十年以上前にテレビ放送され全国の小学生を昏倒させた伝説の動画。
いわゆる『ポリゴンフラッシュ』だった。

その後のこと。
結局、決闘は互いの合意の上だったということで特に処罰もなく、俺たちは家に戻った。
ルイズは「平民が貴族を傷つけるなんて!」とかなんとか言っていたが、まあいつものことなので適当に聞き流しておいた。
この世界にも早く民主主義というものが生まれれば良いなとだけ思った。
姉さんはルイズの部屋でなにやら話し込んでいたが、特に問題も無かろう。

特に何か運動したわけでもないが、緊張のし通しだったので疲れた。
布団に潜って、早めに眠ることにした。


そして夜。
屋根裏部屋で寝ていた俺は、妙な音に気づいて目を覚ました。
視線を出入り口の方へ向けると、小さな炎のようなものが見える。
「・・・使い魔か」
あれはたしかサラマンダーとかいう生き物だ。なんとかいう貴族がルイズにさんざん自慢していたのを覚えている。

サラマンダーの方もこちらに気づいたようで、よってくる。
「おい、なんだよ」
足下に少しとどまった後、出入り口の方を頭を向ける。
「・・・ついてこいってか?」

そのサラマンダーのマスターたる貴族の部屋。
やけに露出度の高い服を着た女が、男を待ちわびていた。
彼女の名はキュルケ。恋多き女である。
どのくらい恋多き女かというと、瀬戸内寂聴よりも恋多き女である。

彼女も、今日の決闘の観戦者だったのだ。
貴族を一方的に昏倒させた、あの平民に、彼女は非常な興味を引かれていた。
恋多き女であるが為に、行動は早い。早速使い魔に命じて、彼を連れてこさせようとしたのである。

「うふふ。平民だけど、あれでなかなか精悍な顔立ちをしていらしたわ・・・ 本気で恋しちゃったらどうしましょ・・・」
そのとき、ドアをたたく音がした。
待ち望んだ音である。
「今開けるわ・・・」
自分のヴォイスヴァリエーションのなかでもとびきり色っぽい声を出して、扉を開き彼を迎え入れる。
だがそこに立っていたのは、

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
 WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!
 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」

「ヤッダーバアアァァァァァァァァァ」

「無駄アッ!」


『燃えるゴミは月・水・金』

地上最強のガーディアン、姉であった。

翌日。
貴族達が俺たちを見る目が少し変わったような気もするが、とりあえずはいつも通り。
ルイズについて授業に出ていたのだが、

「おとうとくん。お姉ちゃんは今から、18禁な物を一切用いずに弟君を勃起させてみせるわ」

こちらもいつも通りです。

「おとうとくんが勃起したらお姉ちゃんの勝ち。授業が終わるまで耐えられたらおとうとくんの勝ちよ」
「直接触れたりしないの?」
「しないしない。
 罰ゲームは、負けた方は勝った方の言うことを一生聞くっていうので」
「ちょっとまて。いくら何でもその罰ゲームはヘヴィ過ぎないか。
 普通こういうのは、一日限定じゃないか?」
「いいじゃない!私はアブノーマルなのよ!始めるわよ!」
「まあ、アブノーマルってとこには同意だな」

姉さんが小さいスポイトのような物を取り出した。妙にとろみのある白濁液が入っている。

「これを使うわ。この液体は、単に片栗粉を溶かしただけだから、18禁ではないでしょ」
大体予想がついてきた。
「どうせそれを顔に塗ったり飲んだりするんだろ」
「さあそれはどうかな」

と、姉さんが次に取りだしたのは眼鏡。
普段はコンタクトレンズをしている姉さんが、どうしてこんなものを持ってきているんだ。

姉さんは白濁液を半分くらい眼鏡の凹んでいる方に垂らし、ゆっくりとレンズを舐め始めた。
しかもちらちらと上目遣いでこっちを見てくる。

「んっ・・・・ちょっと苦いね」

これは。
これはまずい。

「んっ・・・んくっ」

必要以上に喉の動きを強調して液体を飲み込む姉さん。
これは扇情的に過ぎる。
いつの間に俺の性癖がばれたのか。
もはや隠しようもない。

「うふふふふお姉ちゃんの勝ちだね」
「姉さんこれは卑怯だよ」
「これからはずっと眼鏡でいてあげるね♪」

「あんたたち!」
怒鳴ったのは最近とみに影の薄いルイズ。
「じゅ、授業中になんてことしてるのよ!出て行きなさい!」
「あ、出ていって良いの? 
 じゃあちょっとショッピングに行きたいから、お金を貸して下さい」
「はあ!?何で私が」
「ええっ!貸してくれないのですか!?」
大げさに驚く姉さん。
「そんな!まさか私達のご主人様がお金を貸してくれないなんて!
 ショ・・・ショックだわ!あまりにもショックすぎてご主人様の
「か、貸すわよ!貸せばいいんでしょ!」
財布を投げてよこすルイズ。反射的につかみ取ったが、かなり中身が入っているらしく、分厚く膨れている。このブルジョアめ。
「有り難うございまあす♪おとうとくん、行きましょ」
「あ、ああ」

で、教室を出たわけだが。
「姉さん。さっきのやりとりはなに?なんか弱みでも握ったの?」
「いや別にぃ。ただルイズの前で、パソコンの録音再生機能を実演してみただけよ」
「ほほー」
「ちょっとしたカマ掛けのつもりだったんだけど、予想外に効いたのねこれが」
「なんか秘密でもあるんかねー?」
「オナ声録られたとでも思ったんじゃない?」
「そんなとこか。
 で、ショッピングって、どこ行くの」
「きょうはちょっと、私達の装備を調えようと思って。
 まずは杖屋よ」
「杖屋?俺たち平民だぜ?」
「まあいいからいいから」
と、いうわけで町へ繰り出した俺たち。

目に付いた杖屋に入る。

入店するなり、店主らしき老人が話しかけてきた。
「・・・ん? あんた達、平民じゃろ? ここは杖屋じゃよ」
「ええ。知ってるわ。杖を売って下さる?」
「そりゃあ頼まれれば売るが、平民が杖?」
「いいのいいの。」
「杖との契約はせんのか?」
「いいのいいの。あ、これなんかが手頃かな。 これ二本下さい」
かなり怪しまれたが、無事買えた。
しかし杖なんか買ってどうするつもりなんだろう。まあどうせルイズの金だが。

次に向かうは武器屋。
「どっちかというとこっちが本命ね」
「さっきの杖は?」
「あれはまあ、保険というかおまけというか。使わないに越したことはないものよ」

なんだかよくわからないが、まあいい。いずれ説明してくれるだろう。

少し治安の悪そうな裏通りに、目的の武器屋はあった。
入ってみると、カウンターには誰もいない。外出中だろうか?
「とりあえず商品見とこうよ」
「そうだね」

刀剣類がいろいろと壁に掛かっている。パッと見て多いのは西洋剣の類だが、案外種類は豊富だ。店の奥の方には弓矢や銃もあるらしい。

「しっかし・・・これはどうよ・・・」

刀剣類にさほど詳しくない俺だが、なんというか、どれもこれも見た目重視で扱いにくそうな剣ばかりだ。
「やっぱり魔法があるから、こういう文化は進歩しないのかしら」
「みたいだねえ。これなんかみてよ。刃こぼれしてるよ」
「エリミネイター00とかグリフォン・ハードカスタムみたいなイカしたブツはないかしらねー」
「どこの闇突ですか」

早々に剣に見切りを付けた俺は奥の商品を見てみたが、こちらもなんだか見た目重視というか威嚇用みたいな物ばかり。
これは駄目かと思っていたが、姉さんは何か見つけたらしい。

「おとうとくん!ちょっとこっち来て!」
「なに?」
姉さんが片刃の長剣を持って立っていた。
「なにそれ?日本刀っぽいね」
「うふふ」
姉さんはその刀を床に突き立て、右足の親指と人差し指で峰の部分をつかみ、柄を両手で握って体を左にねじ曲げ

それは一切の流派に 見たことも聞いたこともない奇怪な構えであった

こんなことをされては、俺に出来ることは一つ。
左腕を袖から抜き、左袖を縛り、姉さんが持っているのと同じタイプの刀を右手だけでつかみ、肩に背負って

「怪物め!」

隻腕の剣士の刃は
骨を断つことが出来るのか?
盲目の剣士の刃は
対手(あいて)に触れることが出来るのか?
出来る
出来るのだ


結局、小さめの銃だけ買うことにした。

大通りに出るなり、姉さんが宿屋を見つけて叫んだ。

「おとうとくん!ちょっとあの宿屋に入ってみましょうよ!」
「まあべつにいいけど・・・なんで?」
「いいからいいから」
中にはいると、正面のカウンターに初老の女が座っていた。店主だろうか。
姉さんが話しかける。

「すいませえん、表に『一泊1000イェン』って書いてあったんですけれど、『ご休憩』はいくらですか?」
ちょっとまて。
「『ご休憩』? ・・・申し訳ございません、そのようなサービスは承っておりませんが」
「おとうとくん!ここラブホじゃないみたいよ!」
「見た目で気づかないか普通」
「休憩所なら、地下にバーが御座いますが」
「ではそちらにいかせていただきます」

バーの丸テーブルに着き、小休止。
「姉さん、どうもこの世界にラブホは無いようだよ」
「使えない奴らめ!」
「落ち着いて姉さん。キャラが変わってるよ」

ラブホがそんなに重要か。別に今までもやりたいことは出来てるじゃないか。

と、その時。近くのテーブルに座っていた男二人組の会話が聞こえてきた。

「あの『土くれのフーケ』が、今度はついにトリステイン魔法学院を狙うらしいぜ!」
「また予告状を出したらしいな! ああいう場所だし、きっと珍しい品も色々あるんだな」

トリステインとな。これは聞き捨てならんな。
と思った瞬間、姉さんが話しかけていた。

「すいません、今トリステインって言いましたか?」
「え? ああ、言ったが、それがどうした?」
「トリステイン魔法学院に、誰か進入するんですか?」
「ああ、『土くれのフーケ』だよ。魔法具専門の盗人で、必ず事前に予告状を出す、あれ」
「今回も?」
「ああ。新聞なんかじゃ報道されてないが、確からしいぜ」
「そうですか・・・ありがとうございます」
姉さんは俺に向き直ると

「おとうとくん、どういうことだろうね。隠してるのかなやっぱり」
「あそこに通っているのはかなり位の高い貴族の子弟らしいからな・・・
 苦情を受けたくないんだろうが、よほどセキュリティに自信あるんだな」
「ふうん・・・ 私達がその『フーケ』を倒したら、また私達の名が上がるわよね」
「しかしギーシュみたいにはいかんだろ。ポリゴンフラッシュはある程度集中してみてもらわないと効果無いし」
「まあ、出来るならってかんじかな。ルイズあたりを盾にして、その隙をついても良いかも」
「それが安全かな」

それで俺たちのショッピングは終了し、
学校に帰ると大騒ぎになっていた。

「あ、あんたたちーっ!!どこ行ってたのよ!!こんなときに!」
ショッピングですが。
「学校に賊が忍び込んで、魔法具を奪って逃げたのよ!」
「賊!?」
「そうよ!『土くれのフーケ』よ!!」
行動早っ!!

ルイズの言う所によると、昼頃、学院内に突如巨大なゴーレムが現れ、宝物庫を破壊しだしたらしい。
貴族達が恐慌を起こしている隙をついて、フーケはまんまと目的の物を奪って逃げたと。
「つまりあんたたちがヘタレってことじゃない」
姉さんは貴族に対しては必要以上に辛辣だ。
「!!!!1111!」

その後、やはり下手人は『土くれ』のフーケであると断定された。
ルイズが一番近くでフーケを見ていたため、教師達と共に対策会議に出席していた。
使い魔たる俺たちもそれに同伴する。

「これはなかなか幸運だったわね」
「ああ。まさに情報の最前線だからな」

しかし対策会議と言っても、校長以外はあまり積極的な意見を出す者がおらず、
犯罪者を取り締まる騎士団とやらに任せるべきと言う意見が支配的だった。

と、そのとき。

ガチャ
「申し訳ありません。遅れてしまいましたわ」
「おお、ミズ・ロングビル。こんな時に、一体どこへ行ってたんじゃ?」

ロングビル・・・確か校長の秘書だ。ずっと姉さんといたせいで、女性の顔は殆ど覚えられていないが。


「朝から調査を進めていました。」
ロングビルは書類を取り出すと、
「ついさっき、フーケの居場所がわかりました」

「なんですと!!」
一人の教諭が驚く。

「それは本当かねロングビル!
だ、誰に聴いたんじゃね?」
校長も身を乗り出す。

「周辺の農民に聞き込みをしたところ、 この辺りには平民の家しかないないのですが、
 不審な黒いローブを被った者が、森へ入っていくのが目撃されていました」

「黒いローブなら…
ゴーレムの肩に乗っていた人間もそうだったわね・・・」
ルイズがつぶやくと、教師達が一斉にこっちを振り向く。

「そこは近いのかね?ミズ・ロングビル」
校長がロングビルに訪ねる。

「徒歩で半日。馬ならば4時間くらいでしょうか」

「騎士団に連絡して、討伐してもらいましょう!」
さっき驚いていた教諭が意見を述べる。

「降りかかる火の粉を振り払えずに何が貴族かっ!!
 我々の力で、フーケを捕らえるのじゃ!!
 学院の宝が盗まれた!これは学院の問題じゃ!!
 ならば我々の力で!我々の誇りで!
 学院で解決するのじゃ!」

校長が叫ぶ。やはりこいつもプライドの塊か。


「捜索隊を結成する。我こそはと思うものは杖を掲げよ!」

とたんに辺りが沈黙する。誰も戦いたくはないと言うことらしい。
やはりフーケ、有名なだけあって強力な魔術師らしい。あるいはフーケが使うらしいゴーレムが問題か。

「どうした?フーケを倒し名を上げようとおもう貴族はおらんのか?」

一瞬の後。
1本の杖があがり、辺りがざわめき始める。

杖をあげたのはルイズ。爆破魔法の使い手だ。

「おぉ、ヴァリエール君。君が行くというのかね」
「君達は生徒じゃないか!!」
教師が声を張り上げる。
「最近どこぞのカップルのせいで、私の影が薄いのよ!
 ここらでバシっと、私の存在感をアピールしたいのよ!」

なんてやつだ。

しかし結局他の候補は現れず、ルイズ、俺、姉さん、隠れ家の場所を知っているロングビルでフーケ討伐へ向かうことになった。

数分後。屋根裏部屋で。
俺と姉さんは作戦を練っていた。
「まあ、やばくなったら逃げると言うことで」
「とりあえず貴族が二人いるわけだから、最初は彼女たちに任せましょう」
「このメンバーなら、ロングビルを最初に狙ってくるだろうから。
 ロングビルはいないものとして、どう対処するか・・・」
「私達は銃の素人だから、かなり接近しないと多分当たらないわよ」
「杖も使えないしなー。ポリゴンフラッシュもゴーレムには効かないだろうし」



「「・・・でも、倒したいねえ・・・」」



「殺っちゃう?」
「やっちゃっちゃう?」
「そんときゃーキャッチアンドリリースよ」
「ア セイ!」「フー!」
「ア セイ!」「フー!」
「「谷間にダーリンダーリンプリーズ!」」

ノリが良すぎるのも困りものですね。

数十分後。

俺たち5人は正門前に集まっていた。
5人。
俺、姉さん、ロングビル、ルイズ、








ギーシュ。

「どうしてあんたがここにいるんだ?」
例によって芝居がかった口調でギーシュが答える。
「フーケ討伐に君たちが参加するときいてね!
 いつぞやの借りを返してもらおう!」
「どういうことだ?」
「もう一度勝負しようじゃあないか!
 先にフーケを倒し、無力化した方の勝ち、どうだい?」

これは予想GUY。

「どうするよ?姉さん」
「まあいいんじゃない?戦力が増えるのは悪いことじゃないわよ。負けても私達に損はないし。」
「じゃあそういうことで」

全員で馬車に乗り込み、目指すはフーケのアジト。

馬車内でもギーシュはなにやら色々言っていたが、俺は周りの景色を観察するのに精一杯でそれどころではない。
いうまでもなく逃走経路の確保だ。もともと勝ち目の薄い戦いだし、無理して倒す必要もない。
そもそもフーケの使うらしいゴーレムの情報が禄にない。ないないづくし奈良づくしだ。

まあ、姉さんさえいてくれるなら、なんでもいい。


そうこうしているうちに、森に着いた。

前方の小屋がフーケの隠れ家らしい。かなり老朽化が進んでいるらしいが、中に入ってみると人が生活していた痕跡のようなものはある。

と、俺の足に何か当たった。
「・・・?」
暗くてよく見えないが、太く長い金属の筒で、持ってみるとかなり重い。

「・・・これが・・・『破壊の杖』?」

おれの知識では、これは杖なんかじゃない。 これは・・・

「なんでもできちゃうバット、RPG7?」
「姉さん。確かにあのMADは名作だけど、ここで使うのはおかしいよ」

MGSをプレイした俺には分かる。これはRPG7、いわゆるロケットランチャーだ。

「あんたたち、『破壊の杖』を知ってるの?」
ルイズが怪訝な顔で聞いてくる。
「ああ、実物を見たのはこれが初めてなんだがな。
 ひとまず外に出よう」

外で見ると、かなり使い込まれたものらしいことが分かった。
兵器の知識はほとんどない俺だが、傷の付き具合などから、少なくとも新品でないことは見て取れた。

「フーケはいない、破壊の杖は放置・・・・ ロングビルさん、どうしま・・・ あれ?」
さっきまで俺たちと居たはずのロングビルが居ない。
「ロングビルさんは見張りをしていたはずだよな・・・?
 姉さん、知らない?」
「分からないわ・・・ どういうこと・・・」

次の瞬間。
轟音と共に、俺たちの前に巨大なゴーレムが出現した。


「フーケ!?」
とっさに反応したのは姉さん。持っていた銃を構え、二三発発砲する。
しかし全く効いていない。ゴーレムはギーシュの方へ向き直り、拳を振り上げた。
その隙をついて、俺と姉さんは森へ駆け込む。
「ちょ、ちょっとあんたたち!待ちなさいよ!」
ルイズも着いてきた。
「主人を置いて逃げる使い魔なんて、聞いたこと無いわよ!」
「逃げたわけではありませんよ」
戦略的撤退という奴だ。

俺は姉さんを背にして、森の中から叫ぶ。
「おい!フーケ!お前のねらいはわからんが、交渉しようじゃあないか!」
ゴーレムがこっちを向く。ギーシュは放心状態だ。
おれは杖を取り出し、ルイズの首に腕をまわすと、さらに叫ぶ。
「フーケ・・・ いや、ロングビル!
 隠れてないで出てきたらどうだ!? お互い顔を合わせて話をしようじゃないか!」
「ロングビル!?」
ルイズが驚きに目を見開く。
「そんな馬鹿な・・・」
おれはかまわず続ける。
「ロングビル!出てこないと言うなら、『破壊の杖』を爆破し、ルイズを殺す!」
「はあっ!?ころs」
ルイズの口を塞ぐ。
「どうだ!?あと10秒待ってやる! 1! 2! 3! ああもうだめだ! まずルイズを殺す!」

「ま、待ちなさい!」

ゴーレムの陰からロングビルが出てきた。
「何を考えてるのあなたは!?」
「あ、やっぱりロングビルだったんだ。 ちょっとしたハッタリだったんだけど」

ロングビルの顔が歪む。

「まず、お前の目的は何だ!」
「『破壊の杖』よ・・・ 盗んだはいいけど、使い方が分からなかったのよ
 あんたたちが他の世界から来たって言うのは聞いてたから、追いつめればあれをつかうんじゃないかって」
「そうだったのか。残念だな。あれの使い方は俺たちにもわからん。素人なんでな。」

言いつつ俺は杖を取り出し、ルイズの頭に当てる。

「では、杖を捨てて投降してもらおうか?」
「はあ!?あなた何言ってるの!?」

「魔法?平民が何を」
「お前も聞いているだろう?俺たちがギーシュを倒したことを
 魔法も使えない人間が、どうやって貴族の意識を奪うことが出来ると思うんだ?
 お前を倒すことは出来ないだろうが、このルイズを殺すことは出来る!」

ハッタリだ。だがこれで良い。ロングビルと会話し続けることこそが重要なのだ。

「お前は知らないだろうが、ルイズの家では時々残虐な処刑ショーが行われる!
 本当にひどいものだぜあれは。生きている人間を樽に入れて、外側から太い釘を何本も刺すんだ。
 100本位刺して、樽を坂の上から転がす。
 全身を釘に刺されて、それでもなかなか死ねないもんだから、樽の中から獣みたいな叫び声が延々と聞こえるんだ。
 ルイズの親戚どもはそれを眺めて、談笑しながら酒を飲むって訳だ。

 お前が杖を捨てなければ、俺はルイズを殺す!
 状況からいって、お前が犯人だと思われるのは避けられんだろうな。
 お前はこの後逃げるつもりだろうが、あのプライドの塊みたいな貴族達から逃げ切れると、本気で思っているのか?
 間違いなくお前は捕らえられる。そしてあの恐ろしい・・・この世のものとは思えん責め苦を、受けるのだぞ!」

ルイズが暴れ出す。いいぞもっとやれ。必死になってくれればそれだけ、俺の話の迫真性が増す。

「この前も一人やられてな。
 一晩中悲鳴を上げ続けていたよ。
 俺も正直、あんなものはもう聞きたくないんだ。杖を捨てて投降してくれれば、きちんとした裁きを受けられるよう、俺が取りはからってやっても良いぜ?」

ロングビルは少し怯んだようだったが、すぐに杖を掲げると、

「ふん! どこまで本当のこと言ってんだか知らないけど、とりあえずあんただけ潰せば問題ないでしょ!」

その瞬間銃声が鳴り響き、

俺は勝利を確信した。

銃を撃ったのは姉さん。
ロングビルの右手を打ち抜き、さらに杖を根本の部分から折ったのだ。

「遅いよ姉さん。話題が無くなるかと思ったぜ?」
「ごめんごめん。あんまり遠くから当てる自信なかったのよ。」

「い、いつのまに!?」
「あんたがおとうとくんとの会話に夢中になってる間に、よ
 さて、トリステインの授業が正しければ、杖のない魔法使いは無力、らしいけど?」

くるりと振り返って森へ逃げ込もうとするロングビル。
しかしもう一発銃声がして、ロングビルは前のめりに倒れる。

「そろそろコツが分かってきたわ」

右膝を打ち抜かれたロングビルが呻く。

「くそ・・・ こんな素人に・・・」
「私は素人じゃないわ
 専門家(スペシャリスト)よ」
「嘘つけ」
「嘘じゃないわよ!毎月サンデーGXを読んでるもの!」

言いつつ左膝も撃ち抜く姉さん。

「ま、そういうことだ、ロングビル。
 お前は余裕をこきすぎた。
 殺しはしねーから、おとなしくお縄につけ」

それからのこと。

フーケは無事捕縛され、投獄された。
ルイズとギーシュには、フーケ逮捕に尽力したと言うことで勲章が授与されるらしい。

実際には奴らは何もしていないが、平民の、それも使い魔に勲章は与えられないらしい。
まあ、べつに構わん。
「平民が貴族を倒した」という事実さえあればいいのだ。
人の口に戸は立てられない。いずれは国中に広がることだろう。

ルイズは、彼女を脅しに使ったことでかなり怒っていたが、勲章をもらって機嫌を直したらしい。分かりやすい奴だ。

ギーシュは今回のことを、全て自分の手柄のように女達に語っているらしい。後で辛辣なつっこみを入れてやろう。


そして、今日は舞踏会。

本来なら貴族らしい正装に身を包んだ生徒達が、思い思いの相手とダンスをしているはずだが、今回はちょっと違った。


姉さんの手を取り、首に腕をまわして優雅に踊る。
姉さんの方もそれに合わせてくれているので、踊り自体に問題はない。


それなのに何故、他の貴族達は踊らずに俺たちを遠巻きに眺めているのか。

追い出そうともせずに、妙な表情を浮かべているのか。


俺と姉さんが貪り合うような口付けをしているからだろうか。

たっぷり5分は舌を絡め合った後、唇を離し、軽く息を吐く。


「ねえおとうとくん」
「なんだい姉さん」
「これからも、魔法使い狩り、やろうね」
「おう」
「それで、名前が売れてきたら、事務所を開きましょう」
「いいね。経済的に自立できれば、誰も俺らに干渉できない、と」
「うふふ。事務所の名前、どんなのにしようかしら。『殺戮奇術の下根姉弟雑伎団』なんてどうかな?」
「ちょっとわかりにくくないか?」

なんだ、この世界もなかなか悪く無いじゃないか。

と、ダンスホールの扉が開いて、ルイズが入ってきた。

さすがに貴族らしく、かなり豪華なドレスを着ている。
だがそんなものに構っている暇はない。俺と姉さんは人生設計に忙しいのだ。

「ちょっとあんたたち、なにご主人様を放って・・・」

皆まで聞かずに再び姉さんの唇を吸う。

ルイズはまたなにか言うだろうが、どうでもいい。
姉さんさえいてくれれば、それでいい。

「姉さん」
「なあに?」
「経済的な目処が立ったら、結婚式でも挙げようか?」
「いいわねそれ!やっぱり一度くらいはウェディングドレス、着てみたいもん!」

まだまだ問題は山積みだが、

二人なら、きっと何とかなる。



             -「ゼロの姉弟」 終-