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人の群衆は、蟻《あり》のように動く。

止まり、歩き、走る。
その動きはまるで、仲間の匂いを辿れなくなった蟻の群れだ。

行き着く先は自分には分からない。
目障りなぐらいに、眼下に広がる大地を埋め尽くす。

私は───私も、この蟻の一匹なのだろうか? それとも…特別な存在で、他の者
と違うことが出来るのだろうか。

それはきっと後者だ。
私は、他の誰よりも優れている。奴を除いては。

だから示さなければならない。私という存在を、この小さい世界に誇示し続けな
ければならないのだ。
それが糧、それが欲。

準備が必要だ。
今の私には、それだけの力が無い。なんという──無様な姿か。

王ならば、自分が最も優れていると唱うなら…なぜ時期を待たなければならない


だが、焦っては負ける。
400年前のように──その力で俺を負かすか。

なあ、ヴィア───?





ミッドチルダは、ルーテシアの言っていた通りかなり文明が進んだ世界のようだ


魔法も、機械技術も栄え…何より人が笑う。
伊達に世界で最も発展した世界というわけだ。

「聖王教会は、遠いのか?」
「はい。あと30分ぐらい車で掛かります」

ミッドチルダに着くと、すぐに迎えの車が来た。
よほど、その教会とやらに俺を連れていきたいらしい。

「ヴィア様には、預言を見てもらいます」
「預言?」
「はい。教会の騎士カリムのレアスキルによって、これから起きる災厄、もしく
は事件など…危険性の高いものを未来予知するんですよ」
「レアスキル…。」

高速を、なるべく速く走る車は、トンネルへ差し掛かる。オレンジ色の灯りは、
気分を害するまで全域に行き渡っていた。
トンネルを抜けて、街が見える。行き交う人々の中に、ただ一人…こちらを見る
影があった。

これは…魔力反応…!

「シャッハ! 車を止めろ! 敵襲だ!」
「ここは高速道路ですよ?! いきなりは無理です!」
「くそ…! フルンティング!」

フルンティングを機動させて、ドアを開けて外に飛び出る。

「いくぞ! 氷天一閃!」

冷気を帯びた剣が、こちらに向かう魔力砲を切り裂く。
同時に起きた爆風で、俺は吹き飛んでしまった。

「この魔力反応…この威力…お前か、アンヘル!」
「そうとも。400年ぶりだな、ヴィアトリクス・フロストリア」
「………」
「どうした。何だ、せっかくの再会を喜ばないのか」

ああ───俺もお前も、あまり変わらないな。
唯一変わったとすれば、お前の心だけだ。

非情で、残酷で…反吐が出る。

「今更、何をしようと言うんだ。お前は…」
「何も…何も変わらない。人は過ちを犯し、殺し合い、憎み合う…さすれば私が
蘇るのもまた必然。ならば、やることは一つしかあるまいて」
「そうか。なら、俺はお前を止める。殺しても、だ」
「ふむ。例の守護騎士とやらが居ないな。それに、魔道書はどうした?」
「出すまでもない。お前は…このフルンティングで十分だ」

互いに、剣を構える。
アンヘルの動き、デバイス、声…全てが懐かしい。

まるで、400年に戻った気分だ。
だがここはベルカじゃない。俺が守る義理も無い。

だが───

「俺は王だ。夜天を統べる王なんだ…。俺が生きた証として、この夜天の下で笑
う民たちを、守る」
「ふん…。もう、カーディナルすら消えた存在だというのに」
「カーディナルは強制解雇みたいなもんだったからな。だが俺は…ガーディアン
を辞めたわけじゃない。最後まで、騎士として守るさ」
「ならば来い…! その心ごと、切り捨ててくれる!」

街の上で、戦いが始まった。
互いにの足下には、魔法陣が出現する。

「蒼天抜刀…十尖斬」

アンヘルの周りには、十本のアンサラーが出現した。
いずれも、黒い炎を纏っている。

俺の呪文の大半は、広域型が多い。
こんな場所で使ったら、街を巻き込む。ならば───

「ちっ…上に逃げる気か」

アンヘルを無視して、更に高く空に上がった。

「行け!」

十本の剣が同時に追ってきた。
全てが不規則な動きを取っている。

(魔法操作か…だが、ここまでくれば)

ある程度上まで来ると、すぐに反転した。
そして、フルンティングを杖代わりに、魔法を唱える。

「闇に、染まれ。デアボリック・エミッション!」

フルンティングを振ると、俺の周りから闇の魔力が雲を巻き込みならがら広がっ
ていく。
十本のアンサラーも、俺の魔法により消滅した。

「その魔法だけで…勝ったつもりか!」
「なに…?!」

雲を突き抜け、アンヘルが突進してくる。

「切り裂け…蒼天抜刀! 忌炎!」
「ちっ…! パンツァーシルト!!」

紫電一閃のように、アンサラーに黒炎を纏わせての斬撃に、俺は魔法陣を盾に防
御した。
その盾ごと、アンヘルの斬撃は俺を切り裂こうとしてくる。

「ヴィア、 死ぬぞ! さっさと魔道書を呼び出せ!」
「黙れ! …魔力、全開!!」

更に強度を増したシールドは、アンヘルを弾き飛ばす。
一度距離を取って、体制を立て直す。

「なぜ夜天の魔道書を出さない。もはや、夜天を失ったか」
「…だったら、なんだ」
「それは好都合。さっさとお前を殺して、残りのジュエルシードを回収するだけ
だ」
「なに? ジュエルシードはあの時お前から乖離したはずだ!」
「半分、な。…夜天を失ったお前なぞ、半分もあれば楽に殺せる」

なんてことだ。
奴は、ジュエルシードを失っていなかったのか。
状況が変わった。今の俺では…奴には勝てないかもしれない。

だがそれでも、やらなければ…!

「来よ、白銀の風、天よりそそぐ矢羽となれ! フレースヴェルグ!!」

超長距離砲撃魔法…この近距離で撃てば、奴といえどもただでは済まないだろう


「シールド!」

爆発に巻き込まれないように、こちらは魔法陣で防御する。
アンヘルはフレースヴェルグを直で受けた。

これで、良ければ終わったはずだ…。

「ジュエルシード、機動。アンサラー2ndモード。ランス」
「───直撃の、はず…」
「リミット1リリース。貫け、魔槍…アイリスランス!」
「くそ! フルンティング!!」

フレーグヴェルグを撃った直後は、その魔力消費から一時的に身体が動かない。
フルンティングが自動的に魔法陣を出現させると、アンヘルの魔槍が魔法陣に当
たる。

体内に融けたジュエルシードから膨大な魔力を採取し、それを自分の物として使
う。
そうして送られた禍々しい魔力を糧に、アンサラーは槍へと姿を変えた。

「くそ…! こんな場所で…」

アイリスランス…そう呼ばれたアンサラーの第二形態は、黒炎と共に軽々と障壁
を貫通し、俺の身体ごと貫いた。

「ぐ、ぁ…!! かはっ…」
「哀れ。その皇后しき正義感ゆえに、残りの命を散らせる」
「く、そ───!! て…めぇ…!!」
「堕ちろ。仄暗き闇の底まで」

ずぷ、と身体から槍が抜かれる音と共に、俺は地面へ落下した。
アンヘルは笑っている。さぞ楽しそうに。笑っていた。

魔法で地面への衝突のダメージは無いが、かなりの魔力消費と腹部を貫かれたせ
いで大量の血を流してしまった。
フルンティングすら、保つ気力が無い。
いきなり落ちてきた俺を見て、人が叫ぶ。
シャッハも近付いてきて、何か言っているように聞こえた。

ダメだ…意識が、保てない。

──気を失う直前、何か、暖かい風を感じた。





「フレースヴェルグ、デアボリック・エミッション、パンツァーシルト。…これ
は一体…」

映し出されたヴィアとアンヘルの戦闘映像を見て、この部屋に居る全ての人間が
息を呑む。

カリム・グラシア。
クロノ・ハラオウン。
シャッハ・ヌエラ。

その三名は、この映像を見て、同じことを感じていた。

“似すぎている”

そう、感じていた。

「…彼は?」
「はい。現在、聖王医療院の第3隔離病棟の305室で意識不明の重体で寝てい
ます」
「そうか。ならば起きるのは当分先か…」
「いえ。それが…」
「どうかしたの?」
「それが…腹部の傷は敵の槍型デバイスに貫通され重症でしたが、傷は既に治っ
ているとのことで…」
「そうですか。ならば目覚めた後、ここに」
「はい」

シャッハが退室した後、室内は重い空気に包まれていた。

「本当に我々はでかい事件に巻き込まれるな」
「私はともかく…クロノさんは昔から、ですね」
「今となっては良い思い出だ。さて、彼等のことについては彼に頼もうか」

クロノは、とある場所へ連絡した。
そこは、無限の知識が集まる場所であり、希望と絶望が入り混じった図書館だ。

「なんだい、クロノ」
「ユーノか。古代ベルカに、ヴィアトリクスという魔道師がいたか調べてくれな
いか」
「古代ベルカ? なら、シグナムたちに聞いた方が早いかもよ」
「いや、彼女達にも話しは聞く。お前も一応調べてくれ」
「分かった。仕事が溜まってるから、少し遅くなるかもしれないよ」
「出来るだけ急いでくれ。なにせ、緊急事態でな」

それだけ言うと、その図書館の主…ユーノ・スクライアとの通信を切った。
これで、やることが一つ片付いた。

「ジュエルシードは、確かに全部集めた。アンヘルがまだ我々の知らないジュエ
ルシードを持っているのならば、危険だ」
「たった一欠片でもあの魔力…あの力があれば…預言の通りになるわ」
「陸も海も空も…きっと、彼に対応できる部隊は無い。だから───」
「また彼女たちに、頑張ってもらわなきゃいけませんね」
「八神はやて特別捜査官に連絡を、事は急ぐ。早くしなければ、手遅れになる」


ヴィアトリクス・フロストリア、及びアンヘルが目を醒ましてから約2日…事件
は早くも起こる。
カリム・グラシアの預言を回避すべく、再び、旧機動六課メンバーが招集されることとな
る。





《第212管理外世界にて、原因不明の大爆発が起きた。
調査隊はツーマンセルで組み、現地へ急行せよ。
尚、爆発、及び消滅の原因は未確認ロストロギアの可能性がある為、用心する事
だ》


その命令があってから、既に約五時間が経過していた。
そして今、俺は人生最大の危機を迎えている。

子供の頃から魔道師に憧れて、本局に入隊───期待のルーキーとかちやほやさ
れて、何事もなく空曹まで登ってしまった。

“事件が起こらなければ、つまらない”と、常日頃から軍人としてあるまじき事
を願っている程、俺には何も巨大な任務は回ってこなかった。

だが今は後悔している。
教会にでも逃げ込みたい所だ。

周りには、先程まで“生きていた”調査隊の遺体。
一瞬で斬られて地面に伏せる者もいれば、魔法によって灰になる者もいた。
運が良かったのか悪かったのか───たった一人の生き残りは、俺だった。

獄炎に包まれた地上の上に、神々しくも長剣を持つ男の姿。
人間型のロストロギアなんざ聞いた事も無いし…知りたくもない。
というか、これは本当にB-の任務だったか?

「最後まで生き残ったか。運がいいな少年…いや、青年と言うべきか?」
「───あ、ぁ───」

絶対的な畏怖の象徴。
満月が指す夜天に降り立つ炎を纏いし悪魔。

「これも何かの縁だ。名を、聞いてやろう」
「───血燕(シェイエン)」
「変わった名だな。まぁ、今から死ぬ奴の名前などどうでもいいが…」

ゆっくり、ゆっくりと近付いてくる。
死が───すぐ、そこに。

「懺悔の時間は与えられないが、その変わり、直ぐにあの世に送ってやる」
「───あ、ぁあ───」


「死ね」
「…うわあぁぁぁ!!!」

必死に、最後の悪足掻き。
俺は子供頃からの愛剣、ギルガメスを持ち、疾走する。

何故逃げなかったのか。
いや、逃げても一瞬で追い付かれていただろう。
だからせめて、奴に傷一つぐらいは────

つ、けだ、かった…

…その時───俺は生まれて初めて、心臓に剣の刺さる音を聞いたのだった。




暗い世界に馴れ、しばらく経った時に、懐かしい温もりを感じた。
それは友か、恋人か、家族か──いつか感じていたその温もりは、数百年振りに
俺に“思考”をもたらした。

感じる、感じる。
誰かが…この闇の世界をこじ開けてアルハザードへ向かおうとしている。
同時に…忌々しいジュエルシードの魔力さえも、流れ込んできた。

アンヘルから乖離したジュエルシードを、誰かが使用しているのか。
すぐにその温もりは消え、ジュエルシードの魔力も消えてしまった。

あれは一体…なんだったのだろうか?





「ここ…は…?」

また、見知らぬ場所に来たみたいだ。
いや…この世界すら知らない俺にとって、どこに行っても分かる場所なんてあり
はしない。

腹部に包帯が巻かれ、腕には点血用の針が刺さっている。

ああ、血が騒ぐ…。
血が無いせいか、渇いているせいなのか。
どちらにしよ、もはや状況は悪くなる一方だ。

ならば、早々にここを立ち去り、奴を倒す手段を探すのが優先だろう。

「なんだよそういうことかよ…準備がいいな、全く」

服は壁に掛けられていた。
それに着替えても、足りないものがある。

「フルンティングを取り返さなきゃな…」
「お目覚めですか、ヴィアトリクス様」
「シャッハか。デバイスをどこにやった」

扉が開き、シャッハが入ってくる。
その姿は、いつも通りの教会の制服だった。

「勝手ながらデバイスは調整に出しました。気絶されてから約二日経っておりま
すから、もう返ってくるでしょう」
「そうか。それで? ただ起こしに来たんじゃないんだろ」
「はい。お目覚めになられたら、至急教会の方へ来るようにと」

次から次へと、休むことさえままならない。
それほど、この世界の者も今回のケースの重要性を把握しているということだ。

「ならば早く行くぞ。俺も早く動きたいしな」
「はい。では、こちらに」

外を見ると、雲一つ無い晴天だ。神経をつんざすような空気の冷たさと、怖いぐ
らいに澄んだ空…。

ああ───冬の空は、良く火が燃えるから嫌いだ。





結局シャッハに言われたまま付いて行って着いたのが、教会の一室。
ここが、話しで聞くカリム・グラシアのオフィスらしい。

いや、実にどうでもいい。
預言だかなんだか知らないが、その預言に記されている側の俺としては、これか
ら起きることなど大体は予想がつく。

戦って、戦って、倒すだけだ。

「騎士カリム。ヴィアトリクス様をお連れしました」
「入ってください」
「ヴィアトリクス様、こちらに」

シャッハが扉を開け、中へ誘導する。中は、至ってシンプルな空間だった。

机、花、テーブル。
仕事とプライベートを両立された様な部屋の真ん中に、彼女は居た。
カリム・グラシア。
俺とアンヘルのことを預言で知り、“味方”である俺を呼び出した人物。

その横には、知らない男が居た。服装的に、教会の者とはまた別のようだ。

「用件は?」
「折角会えたことですし、まずはお茶でも」
「早めに済ましてくれ。俺は急いでいる」
「まあまあ。ヴィアトリクス・フロストリアさんだね? 僕はクロノ・ハラオウン
。一応、提督だよ」

提督、とは…確かかなり身分が高かった気がするな。
ならば、クロノは時空管理局の職員だろう。

「ヴィアトリクス、か。面白い名前だな」
「ふん。俺からしたら、クロノなんて名前も面白いがな」
「そうか? 昔にも似たような名前が居ると思うが」
「まあこんな余談話なんて興味無い。本題に入ろうか」

どうせ言われることは想像が着くが、いきなりアンヘルと戦っても、時空管理局
が敵に回って三つ巴になっては洒落にならないからな。

この組織には、俺の名前と顔、そして目的を知ってもらう必要があった。
シャッハにある程度話したからカリムやクロノと話す必要は無いのだが、念には
念をだ。

「私の能力はご存知ですね? 私の預言には…あなた方の事が記されています」

カリムの周りを、預言が記された紙が飛び回っている。

その内の二枚が、こちらに来た。

「確かにこの能力は未来の危険を予知する素晴らしいものですが、記されるのは
全て古代ベルカ語…解読には時間が掛かります」

二枚の預言の内、一つはアンヘルのことが事細かに記されているのが分かる。

“炎帝、地を燃やす”
“正義を振るものを地に沈めん”とか。

だが二枚目は───

「一枚は分かった。二枚目は分からんな」
「そうですか。では引き続き預言については調査を続けます。次は──」
「貴方の処遇についてだ」

カリムの言葉を遮るように、クロノが喋った。

「貴方は、我々時空管理局が設立する組織に加わり、この事件の首謀者にである
アンヘルを追って下さい」
「断る」
「なぜです? 貴方にとっても、我々と共にアンヘルの行方を追う方が効率がいい
でしょう」
「関係ないな。これはな、私闘なんだよ。俺とアンヘルのな」

そうさ。悪いが俺たちの戦いに邪魔は要らない。
これは400年前から始まった俺たちのチキンレースだ。
時空管理局だの聖王教会だの…訳も分からない組織に介入されるのは不愉快だ。

「この預言が正しければ、アンヘルはまた大きな災厄をもたらす。なのになぜ?

「よく聞け小僧。今も昔も変わらないものはなんだ?」
「…人間、か?」
「文化も、言葉も、名前も、常識も。全てが変わったてしまっても、変わりない
ものがただ一つ。それは罪人だ」

責任も、罪悪感も、差別も。
憎悪と嫉妬、色欲と強欲にまみれたその言葉は…今も昔も変わらず人々に定着し
ている。

「効率とか、協力とか…そんなことが出来るぐらいの意思さえ、俺は失った」
「…………」
「在るのは、ただ内に在る信念のみ」

だから、放っておいてくれ。
何もお前たちまで…今をちゃんと生きているお前たちまで、わざわざ巻き込まれ
ることはない。

「だがもう君をうちの組織…機動六課に組み込むための働きもしているんだがね

「知らん。焦ったお前が悪い。だから早くデバイスを返せ」
「ヴィアさん。私は信じていますよ。貴方が、私たちを救う救世主だということ
を」

その言葉と共に、フルンティングが返ってくる。

「ふん。…いくか、フルンティング」

『Ja.』

「ぬおっ…喋った…?!」
「はい。もう貴方が機動六課に加わるものだと思っていましたから、少々手を加
えました」
「なぜ喋る!」
「それはインテリジェントデバイスと呼ばれるもので、デバイス本体に人工知能
と意思を持っています」

そこまで協力しないことを根に持つか。
まあ…話しを勝手に進めたお前たちが悪いということで。

「いずれ戦場で会うだろう。その時は、敵にならないことを祈るよ」
「全くだ。では、また後ほど」

中々話しが分かる奴等で良かった。
話しが拗れて戦闘になるのはなるべく避けたいと思っていたからな。

「あの、ヴィアトリクス・フロストリアさんですか?」
「ああ、そうだが」

教会を出たところで、一人の女に話を掛けられた。
茶髪で、サイドポニーのその女は、素晴らしい笑顔でこう告げた。

「私は高町なのは一等空尉です。貴方を、市民街戦闘、及び器物破損の容疑で機
動六課に連行します!」

ああ───昔から俺は女運が無い上に面倒事に巻き込まれる。
それよりも、俺はカリムとクロノにはめられたか。

「いいぜ、こいよ魔道師。伊達に400年も生きてないからな。そう易々と捕ま
えられると思うなよ!」

これが、俺となのはの出会い。
何の因果か、俺にとって出会いとは───

戦いと共に来るらしい。



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