友達はどこへ消えた?

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友達はどこへ消えた?」(2018/05/29 (火) 03:00:39) の最新版変更点

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&color(gray){106 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:07:17 ID:vz34JHpS} では私から出題させていただくことにします。 □ 友達はどこへ消えた?  アリスは可愛い女の子。ちっちゃいのに魔女見習いになった心優しい 娘です。6歳のお誕生日に新しくお友達になったリンゴとミカンと、今日も 仲良く遊びます。 「今日はホットケーキを焼いてみたよ、一緒に食べよう」 『わーい』 『やっほー』 「二人とも、まず手を洗いましょうね」  ワイワイガヤガヤ、いつも一緒の三人です。  ところが、そんな仲睦まじい三人を、いつの頃からか、憎しみを 込めて見つめる眼差しがありました。  それは、森の奥に住む黒い魔女でした。黒い魔女は、三人が仲良くしている のが面白くなかったので、いつか悪さをしてやろうと企んでいました。ところが、 魔女見習いのアリスは魔女を寄せ付けない魔法を持っていたので、黒い魔女は 手が出せずにいたのです。  黒い魔女はしばらく魔力を蓄え、アリスが寝ている隙を狙うことにしました。  朝、アリスが目覚めると、リンゴとミカンの姿がありません。アリスは一所懸命に 探しますが見つかりません。夕方まで探したのに見つからなくて、とうとうアリスは 泣き出してしまいました。  泣き疲れて眠ってしまいそうになった時、アリスは自分に魔法を教えてくれた、 魔女のことを思い出しました。 「そうだ、ベアトリーチェに頼もう!! きっとベアトが見つけてくれる!  お願いです、ベアトリーチェ様。アリスの前に姿を見せて……」  アリスが目をつぶって呪文を唱えると、どこからともなく黄金の蝶が、 煌めく鱗粉をまき散らしながら舞い降りました。喜ぶアリスの前で、それは 形を変え、最後には荘厳なドレスに身を包んだ、黄金の魔女になりました。 「……良き魔女見習いアリスよ。そなたの求めに応じたぞ」 「うれしい! ベアトリーチェ! あのね、リンゴとミカンを探して欲しいの」 「……ふむ。そのことだが。……非常に、言いにくいのだがな。そなたの 友人たちの行方は、この妾にも分からんのだ」  その言葉を聞いたアリスは絶望し、大粒の涙を流しました。慌てて ベアトリーチェがアリスを抱きよせます。 「……泣くでない、アリスよ。……そなたが強く強く望むなら、リンゴと ミカンとは再び会える! 妾が断言するぞ! 黄金の魔女の保証付きじゃ!」 「……本当に? うれしい!」 「ああ、本当だとも。さ、目を閉じて、リンゴとミカンに呼びかけてみよ。妾も 手伝おう。二人で強く念じるのだ」  アリスは頷いて瞳を閉じ、そして深く念じました。その小さな肩に手を置いて、 ベアトリーチェの魔法の詠唱が始まりました。  すると、まばゆい光とともに、リンゴとミカンが現れたのです。 「あ、アリスだ。おはよう」 「どうしてアリスは泣いてるの? ねぇ?」 「……何でもないよ! また一緒に遊ぼうね」 「わーい」「やっほー」  アリスは再び笑顔を取り戻し、また三人仲良く遊ぶのでした。 &color(gray){107 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:07:39 ID:rRy/1Gip} おぉ、IDが変わりましたね。 次のゲーム盤も楽しみです…! &color(gray){108 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:08:05 ID:vz34JHpS}  ところが。  ……その一部始終を、また黒い魔女が見ていたのです。  遊び疲れたアリスが眠りにつくと、森の奥から黒い魔女が這い出して、 今度は強い強い呪いをかけました。  そして、またリンゴとミカンがいなくなってしまったのです。  アリスは今度も必死に探しますが、結局見つからず、そしてベアトリーチェの ことを思い出しました。 『お願い、ベアトリーチェ。また来て』  アリスが強く念じると、ベアトリーチェが再び姿を現しました。ところが、 その表情はぱっとしません。それに気づかないアリスは、無邪気にベアトリーチェ のスカートに抱きつきながら言いました。 『ベアトリーチェ! また黒い魔女が意地悪したんだよ! また力を貸して!』 『……今度こそ本当に残念だ、アリスよ。妾の力では、もはやリンゴとミカンを 救うことはできぬ……残念だ……』 『えっ、どうして? 昨日は二人で見つけたよ! また、二人で呪文を唱えよう!  きっと出来るよ!!』 『……そうしたい、そうしたいのだが……今度の黒い魔女の呪いは強力でな……。  リンゴとミカンは、この世から本当に消えてしまったのだ。完全に消えたものを 蘇らせる力は、妾にはない……』 『……そんな……』  がっくりと肩を落として謝るベアトリーチェの姿を見て、アリスは、二人が もう戻ってこないことを悟るのでした……。 (終) ベアトリーチェ 「……さて。初めからこんなことを言うのは逃げてるようで好まぬのだが。  ……実は、このゲーム盤を使うのは少々気が進まぬのだ――非常に脆いからな。  事実、ラムダデルタ卿には、一発の青でリザインに追い込まれた。  だが、全力は尽くそうぞ。  さぁ、リンゴとミカンが消えた謎を、ニンゲンで説明してみせよ!」 &color(gray){109 ◆.IeS.OIlW. sage 2009/04/09(木) 00:08:14 ID:+a8yH7Ej} 出題者も増えてきましたね。 僕も、次にゲーム盤を出そうかと準備していましたがが明日の夜になりそうですね。 とりあえずトリップテスト。 &color(gray){110 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:09:19 ID:dkHUxAZV} .>>102,104 幻想描写と言うと敷居が少し高そうなので 通常では起こりえない、言うなれば拡大解釈したファンタジー的要素を 盛り込んで欲しいとは思います。 例えば"密室"はある意味でファンタジーですよね? そういった意味合いで出題して欲しいとは思います。 .>>106 新たな魔女おいでませ。 &color(gray){111 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:09:30 ID:vz34JHpS} ID変わってしまったので念のため、.>>97は私です。 .>>102さん .>>105さん お先に失礼します。 &color(gray){112 名無しさん@お腹いっぱい。 2009/04/09(木) 00:11:43 ID:rRy/1Gip} .>>107で問題の合間に来てしまって申し訳ありません(汗 .>>106 新たな魔女様、よろしくお願い致します。 &color(gray){113 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:12:26 ID:dkHUxAZV} .>>106,108 では早速。 『&color(blue){ミカンとリンゴはそのまま果実。} &color(blue){悪い魔女に食べられてしまったけど、翌年、実がなった。} &color(blue){しかし、今度は樹ごと抜き取られてしまったので、実がなる事はもうなかった。}』 &color(gray){114 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:13:27 ID:RrZNm+j7} 『&color(blue){リンゴとミカンはさくたろ的な人形} &color(blue){黒い魔女は母親で、一人人形遊びをする娘を快く思っていなかった} &color(blue){最初は隠したが見つかってしまったので、次は燃やして灰にしてしまった}』 &color(gray){115 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:17:06 ID:vz34JHpS} .>>113 の青い槍はベアトの前で粉々に砕ける! 「なるほどなぁ…名前が名前だから、疑うのは分かるぜぇ… 【&color(red){ゲーム盤に出てくるリンゴ、ミカンはゲーム盤の駒の名称である。文中の} &color(red){いかなる時も”果物のりんご”、”果物のみかん”を指したことはない}】」 .>>114 の青い槍がベアトリーチェの右腕を貫く! 「ぐ…」 ベアトリーチェは自らに刺さった青の槍を引き抜き、真っ二つにへし折った。 「く…痛かったが…これは想定内ッ! 【&color(red){黒い魔女の仕業で、最終的にリンゴとミカンは存在を消された}】  チリ一つ残さず、だ。くっくっく」 &color(gray){116 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:17:33 ID:OFPbMMGl} 復唱要求 「&color(green){リンゴとミカンは無生物である}」 &color(gray){117 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:19:25 ID:dkHUxAZV} .>>115 一瞬切れてないかと思ったけど チリ一つ残さず、か…。 復唱要求 「&color(green){ミカンとリンゴはゲームのキャラクターないしはデータである}」 &color(gray){118 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:20:34 ID:vz34JHpS} .>>113 「…コホン…すまぬ。赤の切り方がまずかったな。 【&color(red){リンゴとミカンは食べ物ではない}】 .>>116 復唱要求か…悪いが拒否させて貰おうか。 この時点で既に、そなたらがかなり有利と見ておるでな。 &color(gray){119 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:20:36 ID:X9xcUxe3} 復唱要求 「&color(green){黒い魔女は人間である}」 &color(gray){120 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:22:20 ID:vz34JHpS} .>>117 悪いが拒否だ! そんな無粋なものではない。 &color(gray){121 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:22:48 ID:+a8yH7Ej} .>>117を待ってみよう。 &color(gray){122 名無しさん@お腹いっぱい。 2009/04/09(木) 00:25:21 ID:rRy/1Gip} 復唱要求 「&color(green){リンゴとミカンは動物ではない。}」 &color(gray){123 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:26:33 ID:Paf9zr+M} 存在を消された…か。ならこれはどうだろう。 『&color(blue){リンゴとミカンは、ひそかに自分の名前を改名しようとしていた。} &color(blue){最初は受理されなかったが、次は親がついていったので受理された!}』 黄金の魔女もお役所には勝てない…? &color(gray){124 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:28:55 ID:ONYi5/PB} 灰と化すのは"存在を消される"とは違うのか。 『&color(blue){ミカンとリンゴは人形師の操る人形。} &color(blue){一旦人形は失われたが、人形がなくなっても代わりはある。} &color(blue){次には人形師が失われた。それにより、ミカンとリンゴが動き出すことは二度となくなった。}』 &color(gray){125 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:30:25 ID:RrZNm+j7} 『&color(blue){リンゴとミカンは毛糸で編まれた人形} &color(blue){悪い魔女が解いて毛糸玉にしてしまった} &color(blue){別の存在になったから、リンゴとミカンの存在は消えた}』 んー微妙。でもどう切るかは興味あるのでこれで &color(gray){126 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:31:29 ID:rRy/1Gip} では、青字を。 『&color(blue){リンゴとミカンはアリスの描いた絵。}  &color(blue){一度はどこかに隠されたが、次は消しゴムで消されてしまって無くなってしまった。}』 &color(gray){127 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:31:37 ID:vz34JHpS} .>>119 悪いがそれも拒否させて貰おう。 魔女が魔女を否定してはお話にならぬでな、くっくっく。 .>>122 ふむ。これぐらいは譲歩しておこうか。 【&color(red){リンゴとミカンは動物ではない}】 .>>123 青の槍はベアトの前ではじけ飛び、バラバラと崩れ落ちる…。 「甘いなぁ…。この赤で楽勝だぜぇ? 【&color(red){登場する駒の中に、複数の名前を持つものはいない}】 【&color(red){登場する駒の中で、名前が変わったものはいない}】 &color(gray){128 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:33:32 ID:vz34JHpS} (魔女はリザインします。青はそこまででお待ち下さい) &color(gray){129 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:37:27 ID:vz34JHpS} .>>124 .>>125 .>>126 の三本の一際輝く青の散弾が、ベアトの胸を深く抉る。 「……リザイン」 □ 真相 ―― 友達はどこへ消えた? 黒い魔女の日記  あの娘はやっぱりおかしい。普通の女の子に育って欲しかったのに。私が 育て方を間違えた? 忙しいなりに頑張ってきたつもりだったのに。  一番心配なのは、あの娘のお人形遊び。  あの娘は、6歳の時に貰った誕生日プレゼントのお人形と、12歳になった 今でもまだ遊んでいる。私も、もちろん子供だった時はお人形で遊んだけれど、 小学校の中学年ぐらいになればお人形遊びは卒業した。  あの娘の同級生だって、アリスのお人形遊びを馬鹿にしてる……。  毎日虐められて帰ってきているらしい。可哀そうだと思う反面、自業自得だとも 思ってしまう自分が情けない。  もうずっと、あの人形をプレゼントしたのを後悔している。  あの娘が寝ている間に、あの人形をゴミに出した。あの子は一日泣いていた けど、これがいいきっかけになってくれればと願う。  ――悪夢を見ているようだった。  久しぶりに早く帰宅すると、あの娘が一人で遊んでいた。  ”見えない人形”を手に持って!!  おぞましい物を見た気がしてしばらく立ちすくんでいた。 「アリス、ただいま」  私は台所で横になったアリスに声をかける。 「ママ、おかえり」 「遅くなっちゃったけど、アリスの大好きなカレーよ」 「わーい」「やっほー」「うれしい!」  人形たちも一斉に返事をする。  やっぱり私はあの子の母親だったんだな、と思った。だって、 こんなに人形と上手に遊べる。……これが、アリスの魔法だったんだ。  ああ……私も、昔は人形遊びをしてたんだなぁ。  そんな当たり前のことを思い出した。それなのに、どうして優しくして やれなかったんだろう。どうして認めてあげられなかったんだろう。 「ごめんね」  泣きながらアリスの身体を抱きしめると、腐臭が鼻についた。否応なしに 現実に引き戻される私。  そう、これは全て私の一人芝居。  お人形遊びはもうできない。……あの頃には帰れないのだ。  魔法が解けてしまったアリスの頬を撫で、私は自分の命を捨てた。 &color(gray){130 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:39:37 ID:OFPbMMGl} 怖いよw &color(gray){131 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:41:03 ID:ONYi5/PB} おおう、思いのほか暗い話だったんだぜ 出題文の人形のセリフ、『』と「」の違いはこういうことだったのか &color(gray){132 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:44:13 ID:dkHUxAZV} .>>129 これは欝くしいお話ですね…。 .>>131 なるほど、.>>108だとアリスのセリフも『』になってますね。 &color(gray){133 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:45:23 ID:vz34JHpS} (中の人) 魔女幻想フィルターをとことんまでそぎ落としたので リザインはあっという間だと思いましたが、それでも ここまでとは……結構引っ張れるかも、と思ったのですが。 .>>131 「」は現実に発せられた人間のセリフ、『』は人間以外、あるいは幻想。 リンゴとミカンはボタンを押すと『わーい』『やっほー』と喋れるお人形でした。 &color(gray){134 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:46:12 ID:Paf9zr+M} ガクブルガクブル… .>>124の青字の人形師が実は……ということなのか。 .>>131 目から鱗だ…すごい! &color(gray){135 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:46:31 ID:rRy/1Gip} .>>131.>>108 本当だ、『』になっている、気付かなかった……。 真相を聞いた後だと深いですね。 &color(gray){136 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:50:54 ID:RrZNm+j7} これは剥がれなくていい幻想 出題中「」と『』の違いに気付かなかったわー ベアトお疲れ様でした &color(gray){137 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:55:47 ID:qFbVOXTy} こ、怖い・・・w しかし早かったですね。.>>124すごい。 物理的な物ではなく、時が経つと二度と取り戻せないような 概念的な物かなーって考えてました。お疲れ様です。 &color(gray){138 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 01:00:37 ID:rRy/1Gip} .>>124 流石、お見事です…! 真相は恐ろしいですが美しかったです ベアト様お疲れ様ですっ &color(gray){139 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 01:05:10 ID:vz34JHpS} 個人的に瞬殺続きなので、次のゲーム盤は 幻想まみれの極悪な物になるといいなぁと思うのですw みなさんお付き合い頂いてありがとう。 次の人どうぞ。明日の夜からかな。
&color(gray){106 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:07:17 ID:vz34JHpS} では私から出題させていただくことにします。 □ 友達はどこへ消えた?  アリスは可愛い女の子。ちっちゃいのに魔女見習いになった心優しい 娘です。6歳のお誕生日に新しくお友達になったリンゴとミカンと、今日も 仲良く遊びます。 「今日はホットケーキを焼いてみたよ、一緒に食べよう」 『わーい』 『やっほー』 「二人とも、まず手を洗いましょうね」  ワイワイガヤガヤ、いつも一緒の三人です。  ところが、そんな仲睦まじい三人を、いつの頃からか、憎しみを 込めて見つめる眼差しがありました。  それは、森の奥に住む黒い魔女でした。黒い魔女は、三人が仲良くしている のが面白くなかったので、いつか悪さをしてやろうと企んでいました。ところが、 魔女見習いのアリスは魔女を寄せ付けない魔法を持っていたので、黒い魔女は 手が出せずにいたのです。  黒い魔女はしばらく魔力を蓄え、アリスが寝ている隙を狙うことにしました。  朝、アリスが目覚めると、リンゴとミカンの姿がありません。アリスは一所懸命に 探しますが見つかりません。夕方まで探したのに見つからなくて、とうとうアリスは 泣き出してしまいました。  泣き疲れて眠ってしまいそうになった時、アリスは自分に魔法を教えてくれた、 魔女のことを思い出しました。 「そうだ、ベアトリーチェに頼もう!! きっとベアトが見つけてくれる!  お願いです、ベアトリーチェ様。アリスの前に姿を見せて……」  アリスが目をつぶって呪文を唱えると、どこからともなく黄金の蝶が、 煌めく鱗粉をまき散らしながら舞い降りました。喜ぶアリスの前で、それは 形を変え、最後には荘厳なドレスに身を包んだ、黄金の魔女になりました。 「……良き魔女見習いアリスよ。そなたの求めに応じたぞ」 「うれしい! ベアトリーチェ! あのね、リンゴとミカンを探して欲しいの」 「……ふむ。そのことだが。……非常に、言いにくいのだがな。そなたの 友人たちの行方は、この妾にも分からんのだ」  その言葉を聞いたアリスは絶望し、大粒の涙を流しました。慌てて ベアトリーチェがアリスを抱きよせます。 「……泣くでない、アリスよ。……そなたが強く強く望むなら、リンゴと ミカンとは再び会える! 妾が断言するぞ! 黄金の魔女の保証付きじゃ!」 「……本当に? うれしい!」 「ああ、本当だとも。さ、目を閉じて、リンゴとミカンに呼びかけてみよ。妾も 手伝おう。二人で強く念じるのだ」  アリスは頷いて瞳を閉じ、そして深く念じました。その小さな肩に手を置いて、 ベアトリーチェの魔法の詠唱が始まりました。  すると、まばゆい光とともに、リンゴとミカンが現れたのです。 「あ、アリスだ。おはよう」 「どうしてアリスは泣いてるの? ねぇ?」 「……何でもないよ! また一緒に遊ぼうね」 「わーい」「やっほー」  アリスは再び笑顔を取り戻し、また三人仲良く遊ぶのでした。 &color(gray){107 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:07:39 ID:rRy/1Gip} おぉ、IDが変わりましたね。 次のゲーム盤も楽しみです…! &color(gray){108 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:08:05 ID:vz34JHpS}  ところが。  ……その一部始終を、また黒い魔女が見ていたのです。  遊び疲れたアリスが眠りにつくと、森の奥から黒い魔女が這い出して、 今度は強い強い呪いをかけました。  そして、またリンゴとミカンがいなくなってしまったのです。  アリスは今度も必死に探しますが、結局見つからず、そしてベアトリーチェの ことを思い出しました。 『お願い、ベアトリーチェ。また来て』  アリスが強く念じると、ベアトリーチェが再び姿を現しました。ところが、 その表情はぱっとしません。それに気づかないアリスは、無邪気にベアトリーチェ のスカートに抱きつきながら言いました。 『ベアトリーチェ! また黒い魔女が意地悪したんだよ! また力を貸して!』 『……今度こそ本当に残念だ、アリスよ。妾の力では、もはやリンゴとミカンを 救うことはできぬ……残念だ……』 『えっ、どうして? 昨日は二人で見つけたよ! また、二人で呪文を唱えよう!  きっと出来るよ!!』 『……そうしたい、そうしたいのだが……今度の黒い魔女の呪いは強力でな……。  リンゴとミカンは、この世から本当に消えてしまったのだ。完全に消えたものを 蘇らせる力は、妾にはない……』 『……そんな……』  がっくりと肩を落として謝るベアトリーチェの姿を見て、アリスは、二人が もう戻ってこないことを悟るのでした……。 (終) ベアトリーチェ 「……さて。初めからこんなことを言うのは逃げてるようで好まぬのだが。  ……実は、このゲーム盤を使うのは少々気が進まぬのだ――非常に脆いからな。  事実、ラムダデルタ卿には、一発の青でリザインに追い込まれた。  だが、全力は尽くそうぞ。  さぁ、リンゴとミカンが消えた謎を、ニンゲンで説明してみせよ!」 &color(gray){109 ◆.IeS.OIlW. sage 2009/04/09(木) 00:08:14 ID:+a8yH7Ej} 出題者も増えてきましたね。 僕も、次にゲーム盤を出そうかと準備していましたがが明日の夜になりそうですね。 とりあえずトリップテスト。 &color(gray){110 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:09:19 ID:dkHUxAZV} .>>102,104 幻想描写と言うと敷居が少し高そうなので 通常では起こりえない、言うなれば拡大解釈したファンタジー的要素を 盛り込んで欲しいとは思います。 例えば"密室"はある意味でファンタジーですよね? そういった意味合いで出題して欲しいとは思います。 .>>106 新たな魔女おいでませ。 &color(gray){111 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:09:30 ID:vz34JHpS} ID変わってしまったので念のため、.>>97は私です。 .>>102さん .>>105さん お先に失礼します。 &color(gray){112 名無しさん@お腹いっぱい。 2009/04/09(木) 00:11:43 ID:rRy/1Gip} .>>107で問題の合間に来てしまって申し訳ありません(汗 .>>106 新たな魔女様、よろしくお願い致します。 &color(gray){113 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:12:26 ID:dkHUxAZV} .>>106,108 では早速。 『&color(blue){ミカンとリンゴはそのまま果実。} &color(blue){悪い魔女に食べられてしまったけど、翌年、実がなった。} &color(blue){しかし、今度は樹ごと抜き取られてしまったので、実がなる事はもうなかった。}』 &color(gray){114 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:13:27 ID:RrZNm+j7} 『&color(blue){リンゴとミカンはさくたろ的な人形} &color(blue){黒い魔女は母親で、一人人形遊びをする娘を快く思っていなかった} &color(blue){最初は隠したが見つかってしまったので、次は燃やして灰にしてしまった}』 &color(gray){115 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:17:06 ID:vz34JHpS} .>>113 の青い槍はベアトの前で粉々に砕ける! 「なるほどなぁ…名前が名前だから、疑うのは分かるぜぇ… 【&color(red){ゲーム盤に出てくるリンゴ、ミカンはゲーム盤の駒の名称である。文中の} &color(red){いかなる時も”果物のりんご”、”果物のみかん”を指したことはない}】」 .>>114 の青い槍がベアトリーチェの右腕を貫く! 「ぐ…」 ベアトリーチェは自らに刺さった青の槍を引き抜き、真っ二つにへし折った。 「く…痛かったが…これは想定内ッ! 【&color(red){黒い魔女の仕業で、最終的にリンゴとミカンは存在を消された}】  チリ一つ残さず、だ。くっくっく」 &color(gray){116 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:17:33 ID:OFPbMMGl} 復唱要求 「&color(green){リンゴとミカンは無生物である}」 &color(gray){117 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:19:25 ID:dkHUxAZV} .>>115 一瞬切れてないかと思ったけど チリ一つ残さず、か…。 復唱要求 「&color(green){ミカンとリンゴはゲームのキャラクターないしはデータである}」 &color(gray){118 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:20:34 ID:vz34JHpS} .>>113 「…コホン…すまぬ。赤の切り方がまずかったな。 【&color(red){リンゴとミカンは食べ物ではない}】 .>>116 復唱要求か…悪いが拒否させて貰おうか。 この時点で既に、そなたらがかなり有利と見ておるでな。 &color(gray){119 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:20:36 ID:X9xcUxe3} 復唱要求 「&color(green){黒い魔女は人間である}」 &color(gray){120 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:22:20 ID:vz34JHpS} .>>117 悪いが拒否だ! そんな無粋なものではない。 &color(gray){121 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:22:48 ID:+a8yH7Ej} .>>117を待ってみよう。 &color(gray){122 名無しさん@お腹いっぱい。 2009/04/09(木) 00:25:21 ID:rRy/1Gip} 復唱要求 「&color(green){リンゴとミカンは動物ではない。}」 &color(gray){123 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:26:33 ID:Paf9zr+M} 存在を消された…か。ならこれはどうだろう。 『&color(blue){リンゴとミカンは、ひそかに自分の名前を改名しようとしていた。} &color(blue){最初は受理されなかったが、次は親がついていったので受理された!}』 黄金の魔女もお役所には勝てない…? &color(gray){124 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:28:55 ID:ONYi5/PB} 灰と化すのは"存在を消される"とは違うのか。 『&color(blue){ミカンとリンゴは人形師の操る人形。} &color(blue){一旦人形は失われたが、人形がなくなっても代わりはある。} &color(blue){次には人形師が失われた。それにより、ミカンとリンゴが動き出すことは二度となくなった。}』 &color(gray){125 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:30:25 ID:RrZNm+j7} 『&color(blue){リンゴとミカンは毛糸で編まれた人形} &color(blue){悪い魔女が解いて毛糸玉にしてしまった} &color(blue){別の存在になったから、リンゴとミカンの存在は消えた}』 んー微妙。でもどう切るかは興味あるのでこれで &color(gray){126 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:31:29 ID:rRy/1Gip} では、青字を。 『&color(blue){リンゴとミカンはアリスの描いた絵。}  &color(blue){一度はどこかに隠されたが、次は消しゴムで消されてしまって無くなってしまった。}』 &color(gray){127 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:31:37 ID:vz34JHpS} .>>119 悪いがそれも拒否させて貰おう。 魔女が魔女を否定してはお話にならぬでな、くっくっく。 .>>122 ふむ。これぐらいは譲歩しておこうか。 【&color(red){リンゴとミカンは動物ではない}】 .>>123 青の槍はベアトの前ではじけ飛び、バラバラと崩れ落ちる…。 「甘いなぁ…。この赤で楽勝だぜぇ? 【&color(red){登場する駒の中に、複数の名前を持つものはいない}】 【&color(red){登場する駒の中で、名前が変わったものはいない}】 &color(gray){128 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:33:32 ID:vz34JHpS} (魔女はリザインします。青はそこまででお待ち下さい) &color(gray){129 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:37:27 ID:vz34JHpS} .>>124 .>>125 .>>126 の三本の一際輝く青の散弾が、ベアトの胸を深く抉る。 「……リザイン」 □ 真相 ―― 友達はどこへ消えた? 黒い魔女の日記  あの娘はやっぱりおかしい。普通の女の子に育って欲しかったのに。私が 育て方を間違えた? 忙しいなりに頑張ってきたつもりだったのに。  一番心配なのは、あの娘のお人形遊び。  あの娘は、6歳の時に貰った誕生日プレゼントのお人形と、12歳になった 今でもまだ遊んでいる。私も、もちろん子供だった時はお人形で遊んだけれど、 小学校の中学年ぐらいになればお人形遊びは卒業した。  あの娘の同級生だって、アリスのお人形遊びを馬鹿にしてる……。  毎日虐められて帰ってきているらしい。可哀そうだと思う反面、自業自得だとも 思ってしまう自分が情けない。  もうずっと、あの人形をプレゼントしたのを後悔している。  あの娘が寝ている間に、あの人形をゴミに出した。あの子は一日泣いていた けど、これがいいきっかけになってくれればと願う。  ――悪夢を見ているようだった。  久しぶりに早く帰宅すると、あの娘が一人で遊んでいた。  ”見えない人形”を手に持って!!  おぞましい物を見た気がしてしばらく立ちすくんでいた。 「アリス、ただいま」  私は台所で横になったアリスに声をかける。 「ママ、おかえり」 「遅くなっちゃったけど、アリスの大好きなカレーよ」 「わーい」「やっほー」「うれしい!」  人形たちも一斉に返事をする。  やっぱり私はあの子の母親だったんだな、と思った。だって、 こんなに人形と上手に遊べる。……これが、アリスの魔法だったんだ。  ああ……私も、昔は人形遊びをしてたんだなぁ。  そんな当たり前のことを思い出した。それなのに、どうして優しくして やれなかったんだろう。どうして認めてあげられなかったんだろう。 「ごめんね」  泣きながらアリスの身体を抱きしめると、腐臭が鼻についた。否応なしに 現実に引き戻される私。  そう、これは全て私の一人芝居。  お人形遊びはもうできない。……あの頃には帰れないのだ。  魔法が解けてしまったアリスの頬を撫で、私は自分の命を捨てた。 &color(gray){130 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:39:37 ID:OFPbMMGl} 怖いよw &color(gray){131 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:41:03 ID:ONYi5/PB} おおう、思いのほか暗い話だったんだぜ 出題文の人形のセリフ、『』と「」の違いはこういうことだったのか &color(gray){132 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:44:13 ID:dkHUxAZV} .>>129 これは欝くしいお話ですね…。 .>>131 なるほど、.>>108だとアリスのセリフも『』になってますね。 &color(gray){133 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 00:45:23 ID:vz34JHpS} (中の人) 魔女幻想フィルターをとことんまでそぎ落としたので リザインはあっという間だと思いましたが、それでも ここまでとは……結構引っ張れるかも、と思ったのですが。 .>>131 「」は現実に発せられた人間のセリフ、『』は人間以外、あるいは幻想。 リンゴとミカンはボタンを押すと『わーい』『やっほー』と喋れるお人形でした。 &color(gray){134 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:46:12 ID:Paf9zr+M} ガクブルガクブル… .>>124の青字の人形師が実は……ということなのか。 .>>131 目から鱗だ…すごい! &color(gray){135 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:46:31 ID:rRy/1Gip} .>>131.>>108 本当だ、『』になっている、気付かなかった……。 真相を聞いた後だと深いですね。 &color(gray){136 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:50:54 ID:RrZNm+j7} これは剥がれなくていい幻想 出題中「」と『』の違いに気付かなかったわー ベアトお疲れ様でした &color(gray){137 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 00:55:47 ID:qFbVOXTy} こ、怖い・・・w しかし早かったですね。.>>124すごい。 物理的な物ではなく、時が経つと二度と取り戻せないような 概念的な物かなーって考えてました。お疲れ様です。 &color(gray){138 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/04/09(木) 01:00:37 ID:rRy/1Gip} .>>124 流石、お見事です…! 真相は恐ろしいですが美しかったです ベアト様お疲れ様ですっ &color(gray){139 ◆GjmKJMiitM sage 2009/04/09(木) 01:05:10 ID:vz34JHpS} 個人的に瞬殺続きなので、次のゲーム盤は 幻想まみれの極悪な物になるといいなぁと思うのですw みなさんお付き合い頂いてありがとう。 次の人どうぞ。明日の夜からかな。 ---- #comment()

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