自己効力感
セルフエフィカシー(自己効力感)
やれそうだという根拠のある自信。
- 自己効力感を高める4つの情報源
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- ①遂行行動の成功体験:上手くできた!
- ②代理的経験(モデリング):参考になるモデルを見る
- ③言語的説得:言葉による励ましを受ける
- ④生理的・情動的状態:課題をやり遂げたことによる生理的・情動的反応を自覚
ウイルス性肝炎
肝炎とは、肝臓全体が炎症を起こしている状態をいう。その経過から、急性肝炎・劇症肝炎・慢性肝炎などに分けられる。そのうち、ヒト肝炎ウイルスを原因とするものをウイルス性肝炎と総称する。
C型肝炎
- C型肝炎の特徴
- C型肝炎ウイルス(HCV)によるもの。ワクチンが現在存在しない。輸血や針刺し事故などによる血液感染の後に発症し(輸血後肝炎)容易に慢性化する(60~70%)。また、慢性化の後に肝硬変や肝癌に進展する可能性が高い。HCVはRNAウイルス。インターフェロン療法などが行われる。
- 慢性肝炎
- 6ヶ月以上続く肝臓の炎症で肝機能異常とウイルス感染が持続している病態。
- 慢性肝炎の70~80%はHCVによるもの。
- 肝硬変
- 肝細胞の壊死と再生の繰り返しにより肝臓が線維化した状態。
- 肝硬変の原因はC型肝炎からの移行が多い。
B型肝炎
- B型肝炎の特徴
- B型肝炎ウイルス(HBV)によるもの。主に血液(輸血・針刺し等)や体液(性交等)を通して感染する。劇症化し易い。
- 予防法としてHBワクチンや抗HBヒト免疫グロブリンがある。
- 劇症肝炎
- 肝炎のうち、症状発現後8週間以内に高度の肝機能障害をきたし、Ⅱ期以上の肝性脳症でプロトロンビン時間が40%以下のもの。
肝硬変
- 関連図
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- 肝硬変 → 肝細胞の機能低下 → 血液凝固因子産生↓・胆汁生成/排泄障害・解毒機能↓
- ↓
- 肝血流障害 → 門脈圧亢進 → 側副血行路形成 → 静脈瘤
- 臨床症状
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- 代償期
- 肝臓の予備能力のため、機能は保たれる。自覚症状に乏しい。
- 非代償期
- 肝臓が機能障害を代償しきれなくなった状態。苦痛を伴う(自覚症状)
- 肝細胞の機能障害による症状
- 黄疸・女性化乳房・浮腫・腹水・肝性脳症など
- 門脈圧亢進による症状
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- 脾腫・食道静脈瘤・痔核・メドゥーサの頭・肝性昏睡・肝腫
- 診断
- チャイルド・ピュースコア(重症度分類)
- 治療
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- ①食事療法
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- 代償期:1日3食。栄養素はバランス良く。脂肪、アルコールは控えめに。
- 非代償期:腹水貯留状態では減塩(1日5g)。分岐鎖アミノ酸製剤(アミノレバン)。頻回食。肝性脳症では蛋白質制限(アンモニアの代謝が出来なくなるため)
- ②安静療法
- 食後1~2時間の安静(肝血流↑を狙う)
- ③薬物療法
糖尿病
(=DM)インスリンの作用不足・分泌不足に基づく高血糖を主徴とする代謝疾患。
- 1型糖尿病
- ランゲルハンス島βcellが破壊され、インスリンの分泌量が絶対的に不足する。10歳~18歳の年齢で発症することが多い。
- 2型糖尿病
- インスリン抵抗性・分泌量低下・タイミングのズレなどによりインスリンの作用が低下することで起こる。日本人の糖尿病患者の95%はこのタイプ。成人になってから発症するのは2型。
- 2型糖尿病の誘因
- ①肥満(最多) ②過食 ③ストレス ④妊娠 ⑤加齢
- 血糖値に関わるホルモン
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- BS↓
- インスリン
- BS↑
- グルカゴン・カテコールアミン・副腎皮質H・GH・甲状腺H
- 症状
- 初期は自覚症状なし。高血糖のまま5~10年経過してから症状出現。
- 口渇・多尿・多飲
- 高血糖による浸透圧上昇による利尿作用→脱水を招く。
- 体重減少・脱力感
- 糖質が利用出来ないため、脂質や蛋白質が分解される。
- 全身倦怠感・疲労感
- 筋や肝の細胞でブドウ糖をエネルギーに転換できないため。
- 過食
- エネルギー不足の情報が脳の空腹中枢を刺激する。
- 3大合併症
- ①神経障害 ②網膜症 ③腎症
- 治療
- 食事療法・運動療法・薬物療法
- 食事療法
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- 原則:①適正なエネルギー量 ②栄養バランスの良い食事
- 運動療法
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- 効果:心機能↑、血液循環が良くなる、太りにくい体質に、糖の消費が増える。
- 薬物療法
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- 経口薬(SU薬)、インスリン療法(皮下注射)
- ※インスリン皮下注射では、硬結予防のため注射部位は前回の部位から2cm程度離す。
- 低血糖に注意
- 強化インスリン療法
- 持続皮下インスリン注入療法。腹壁皮下に留置。
慢性腎不全
- 治療
- 血液透析(HD)、腹膜透析(PD)、腎移植
- 透析療法の基準
- 持続的に血清クレアチニン濃度が8mg/dl以上を示す場合。
- 血液透析の原理
- 拡散・濾過・浸透圧による除水
- 拡散は半透膜に、濾過は濾過膜によるもの。
- HDのの頻度
- 週2~3回、1回につき3~4時間。
- シャント
- 外シャント・内シャント・カテーテル法
- 合併症(HD中)
- 不均衡症候群→頭痛・嘔気・けいれん等
- 腹膜透析
- 埋め込み式の腹腔カテーテル(テンコフカテーテル)。
- バッグ交換:1日3~4回。バッグ交換のときに出口部ケアを行う。
- シャントの注意点
- ①閉塞予防(シャント肢を圧迫しない等)②感染予防(シャント肢の消毒・手洗い等)③出血予防(外出血・内出血に注意)
- PDの合併症
- 腹膜炎(腹痛・発熱・WBC↑)
- 腎移植は、日本では生体腎が多く、欧米では死体腎が多い。
気管支喘息
- ピークフロー
- 1日最低2回測定。1回につき3回測定。喘息日記には最大値を記入。
- 発作
- 軽発作・中発作・大発作
- 軽発作
- 軽い喘鳴あり。ピークフロー値 80~70%
- 中発作
- 喘鳴あり。ピークフロー値 70~50%
- 大発作
- 著明な喘鳴あり。肺内に痰が多く存在し、チアノーゼを認める。
- 重積状態
- 不穏状態、意識障害等。呼吸停止に至れば人工呼吸器管理。
- 呼吸困難時の対応
- 口すぼめ呼吸(吸気は鼻で行い、呼気は口をすぼめてゆっくり吐き出す)
- コントローラー
- 長期に渡って毎日使用し、持続性喘息をコントロールする。吸入ステロイド薬・抗アレルギー薬等
- リリーバー
- 気道収縮とそれに伴う急性症状を速やかに改善させるもの。短期型β2刺激薬、抗コリン剤等。
- 看護目標
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- 発作時
- 救命と呼吸困難の改善
- 非発作時
- セルフケアの確立
- 発作時の看護ケア
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- ①輸液管理:吸入薬
- 使用物品:ステロイド剤・気管支拡張剤
- ②酸素管理:鼻腔カニューラ・酸素マスク・リザーバーマスク
- ③睡眠時間の確保:就寝前の吸入薬使用
- ④安楽な姿勢の保持:起座位・セミファーラー位・前傾姿勢。
- オーバーテーブル・クッション・枕の活用
- ⑤気道のクリーニング:ネブライザー・吸引・適切な加温/加湿・水分摂取
- ⑥発作誘発物の除去
- 吸入アレルゲン:花粉・ハウスダスト・羽毛
- 食物抗原:牛乳・卵・魚介類
- ⑦精神的サポート:不安の軽減・プライバシーの確保
最終更新:2007年07月16日 23:51