平民大学令・平民大学令詳解


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平民大学令
   第一条
平民法律所は総て之を平民大学と称す。
   第二条
日常の実際生活に必要なる法律は総て之を平民法律と称す。
   第三条
雑誌『平民法律』は之を平民大学法律講義と称す。
   第四条
平民大学は毎月一回、平民大学法律講義を発行頒布して、平民法律、を学者に伝授す。
   第五条
平民大学法律講義は、通俗平凡にして、趣味津々たるものとす。
   第六条
日本臣民は均しく、平民大学学者となる権利を有す。
   第七条
本学の卒学者には、『平民大学法律学士』の称号を認許す。
   第八条
本学又は国家に特別の功労ありたる者は、総て之を本学名誉員に推薦し、悉く之に『平民大学法律博士』の称号を授く、但、平民の体面を汚したるときは、即時之を褫奪す。
   第九条
本学学者は、卒学迄の学費六ケ月分金壱円也を前納するものとす。
   第十条
本学学者は、本学講義に対し、次号講義の発行ある迄、随時質問を為し、無料解答を要求する特権を有す。但返信料は之を要す。
   第十一条
一般臣民は別段の手続を要せず、年半円を前納し『平民法律』を愛読する事を得。


平民大学令詳解
          学長 平民大学法律博士 山崎今朝彌
   第一条
 『法律の面前に、人は平等なり』と云ふ法律格言は、今日は、財産や地位を有つ人にのみ云ふ格言で元来法律は、平民も貧乏人も委細構はず、他の者と同様に取扱ふ性質のものではない。然るに平民法律所は、聊かなりと其れを、萬人平等公平にし度いと云ふ希望から新に設けた法律所で、其れが又即ち平民大学である。
   第二条
 普通、法律は、社会の秩序を維持保護する為に在る、即ち上の者が下になり、此方の所有が彼方の所有となる事を防ぐものである、換言すれば、財産や地位の現状を乱さぬ様に、財産や地位の有る人達が拵へたものである。併し平民法律とは、現状を打破し、局面を展開し、財産や地位を得んとする、現在財産や地位なき人の、日常生活に最も必要なる法律の事である。
   第三条
 新聞も雑誌も、雑誌も講義録も元来一如、故に平民法律も平民大学法律講義も同一物である。
   第四条
 平民法律を学ぶ者、之を学者と云ふ。本大学は毎月十日、講義録を発行し、平民法律、即ち現状を打破して、一躍各種成金となるに必要なる法律を、其学者に伝授する。
   第五条
 世に、平民法律を伝授する処が絶対にないではない、併し其講義は皆高尚幽玄でなければ無味乾燥で、到底平民の耳目に適しない。本学は茲に見る処があつて、古今東西の法制を調べ遂に、老若男女苟も『いろは』が読める程の人物なら、誰でも不知不識、卒学に至る迄面白く愉快に、聴講の継続出来る様、金甌無欠の此講義を広く世に開放するに至つたのである。
   第六条
 本条の規定は本学たる所以特色を発揮したもので、全く四民平等主義に則つたものである。
   第七条
 故に本学学士は、六ケ月間、学籍を維持した者の完全に有する称号で、他の学士の如く認許料又は試験を要しない。
   第八条
 本学の公共団体にして、国家の一延長たる性質上、本条の規定は当然で、敢て異とするに足らぬ、最も特別功労、体面、等の程度に就ては実際問題として争の起るを免れぬ。
   第九条
 本条の六ケ月間は暗に卒学年度を示す、が卒学後と雖も尚引続き学者たる事は勝手である。
   第十条
 本条は学者の特権即ち質問権を規定したものである、此質問権は回数の制限がない。期限に制限を付したは、蓋し学者の勉励を奨励する為である。
   第十一条
 本条に於て本学は、繁文褥礼排斥の旗幟を鮮明にした。由是観之敢て質問権と学士権との要なき臣民は、進んで本条の読者となる事が、双方の利益である。従て一文の損失もなく、学者より読者に転ずる事は自由である。(完)
<山崎今朝弥著、弁護士大安売に収録>
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