被告人見舞状(一)(二)


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被告人見舞状(一)
 益々御壮勤奉大賀候扨小生今回交通労働組合本部より敢て御貴件弁護の大命を拝し候に付き即刻参堂拝謁の光栄に浴し度と存居候折柄アラ不思議や昨夜日常信仰怠らざる尊神の霊夢に顕はるるあり『多数弁護の結果本件は遂に無罪以上』との神告を受け候間偏に御安神相成度就ては小生も本日より同志弁護士数十名の義憤弁護依頼に取掛り候始末何れ此方完結次第弁護届多勢引連れ直ちに出陣可仕先は取り敢へず御機嫌奉伺如此に御座候
 噫大正九年五月廿八日
          東京市芝区新桜田町十九番地
          平民法律所長平民大学法律博士
          弁護士 山崎今朝彌

被告人見舞状(二)
 益々梅雨の候愈々御健在兎も角も目出度申納候。扨事件の儀既に御承知の通り約大半は取調を終り今月中には全部責付(註一)と係官(註二)も申され、お上の事故話し半分としても来月は多数追放の事と存候間、待遠しくも御待被下度、出る出ないの運賦天賦は御運次第、偏に貴君の幸運を祈り候。弁護依頼の件も目下非常の盛況にて、呉服の投売、銀行の取付も到底及び申間敷、大詰迄には優に忠臣蔵を凌駕する事と存候。先は取敢へず御報申上度、萬一此端書が間に合はず、拙者が面会に行く必要もなくなり候なら、お互様に勿怪の幸之れに過ぎず候
   註一、保釈の如く保証金を積まなくてもお上の方から追ひ出す事
   註二、予審判事団野新之
 大正九年六月廿五日
          芝区新桜田町十九番地
          法博士 弁護士 山崎今朝彌
<山崎今朝弥著、弁護士大安売に収録>
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