平民法律所の性質


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平民法律所の性質
 法律の面前に於て人は平等なりとの格言は法律は人民を平等に保護すの義なれど、事実今日の社会に於て、此格言は相当の金持又は地位権勢ある者以上の人に対してのみ真実である。中流以下で多少の資産ある人が正当の権利を有する場合と雖も、入費の点で其権利を伸張する事が出来ぬ場合が頗る多い。否寧ろ其れが今日の実状である。
 前述の現状を打破改革するには四民平等の金持に均一するか、権利の伸張を国家の事業として人民には一銭も出させぬ事にするか、入費立替又は補助の慈善事業を起すかに限る併し之は何れも皆出来ぬ結構である。
 平民法律所は多数の名士学者華族富豪等の賛助と熟練精通憂国達識の多数弁護士弁理士技師等の特約補助とを得て、出来得る範囲に於て苦もなく直ちに実行し得る方法即ち法律所に支払う報酬を出来得る限り低下軽減する事に依て、幾分なりとも一般平民の権利伸張を図る目的を以て設立したものである。
 故に平民法律所は一般普通の法律所と少しも異らぬ、只事務所の受くる報酬が安いのみである。平民法律所は決して慈善事業でないから無料を原則としない。平民法律所には金持だからとて特に歓迎しなくてはならない理由が少しもない。只普通の客として取扱ふのみである。併し平民法律所は、敏速と確実と低廉とを望む者の必ず来らざるべからざる社会政策実行の本邦唯一公益事務所なりと高言し得る法律所である。
<山崎今朝弥著、弁護士大安売に収録>
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