解放時評合評会


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解放時評合評会(十一月二十三日夜)
 高橋亀吉、青野季吉、宮崎龍介、石川準十郎、中西伊之助、望月百合、高津正道、山内房吉、山崎今朝彌、推名速記

      無産党の党費、富士紡の争議
 ◇解放時事問題合評会は魔の会である。前回には責任者の岡君が倒れ今尚病床に皮肉を歎じ、今回は翌日速記者が電報で呼戻され家族が遂々死んだ。お蔭で今度も亦記事が載せられない。幸ひ望月女史の「党費問題合評会拝見記」と赤松君の横槍「川崎争議の厳重批判」があつたからソレへ少々注釈弁解を加へ以て責を塞ぐ。来年は--愈々鬼が笑い魔が怒つて誰か死なねばよいが。尚ほ魔の会には魔がサすものと見へ、二十三日が二十五日、午後五時正開が公開と新聞に誤報され、ブルドツクは廿五日警官に取巻かれ、熱心家は無駄足を踏ませられ誠に気の毒をして申訳がなかつた。
      ○
 ◇先づ自分の事だ。望月さんの、僕が云つたといふ安部さんの逸話は、安部さんが憤る処か年にも臆せず白髪を撫でて、徹夜若い人達の猥談を熱心に傾聴したといふだけの話だ。誤解のないよう茲に「敬意を表して」却て書く事にする。
 ◇「所謂共産党」の陰謀談もあるはあつたが高津君も青野君も其話には仲間入りをしなかつた。しかし高橋君の追出方がヒドかつたと云ふ結論には同感だつたと記憶する。高橋君も強ち共産党の陰謀とは云はなかつたが、中西君が腕を捲り石川君か憤慨して話が発展し、高橋君も遂々、打角「解放」で無産階級道徳確立問題を提供した時余程書かふかと思つたが又考へ直して中止したが、今考へれば後悔するとか結局よかつたとか白状する段取になつたのだ。此外雑談に移り速記中止掲載禁止となつてからの事は洩らせない。
      ○
 ◇川崎の富士紡争議批判は其晩偶然其処に評議会のビラがあつたので突然議題となつた。議事は総同盟の要求は正当であるか、評議会が此際かかるビラを撒くは許さるべきか、と云ふ二段に別けて進行した。第一段は中西君一人で議論を闘はし、現今の繊維工場相手では萬止むを得まいと云ふ結論に達した。第二段は字句の末で僕が評議会の弁護を試みたか成立たず。石川君の中傷撹乱の外何物でもないビラだと云ふ論と、中西君の罷業の際の決死的敏感的心理状態論とが圧倒的大勢を制して、評議会のよいと云ふ者は一人もなかつた。併し、口々に総同盟も従来やつて来た手で、一旦地位を換ゆればやり兼ねまいと云ふ者も中々あつた。(山崎)
<以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。>
<旧仮名遣いはそのままとし、踊り字は修正し、旧漢字は適宜新漢字に直した。>
<底本は、『解放』(解放社)第5巻1号別冊120頁(大正15年(1926年)1月1日発行)>
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