無産政党選手権獲得全国大会の結果から


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無産政党選手権獲得全国大会の結果から
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 雑誌のすなる『往復問合せ』といふを解放も時々やつて来たが、今月号程成功した例は滅多になかつた。読者は本誌七二頁以下の各無産政党選手の回答から数多くのことを学び取るであらふ。私はハツと気が付いたお蔭でヤツと此の一頁を埋め得る。
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 古来左翼は理論を有つと謂はれる。此回答でも争闘気分満々たる堂々の論陣を張るは皆左翼労農党の選手である。が、其堂々たるや抑々と来れば世界の資本主義となり、今やと来れば日本の客観的状勢となるの類で、千筍一律少々仰山に云へば、三つのフレース半百のワードの入れ替へで、理論と云へば理論、口写と云へば口写し、所謂福本張から一字一句も進出して居らぬといふ点が著しく目に著く。
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 読者の誰もが其氏名を知らない人は皆地方農民党の公認選手である。其人柄を見よ、其論調を見よ、而して其宣言綱領を見よ、蓋し止むを得ざる当然の帰結乎。只之れを無産政党だなどと弁護する者は、回答にも見える通り、結局党を中傷するもので、其恨を買ふに至ることを覚悟しなければならぬ。
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 成程社会民衆党は名士と紳士の政党だ。品の良いことと温和しいこと。闘志満々覇気横溢の喧嘩士労働健筆家が中々多いと聞いたのに、此の人達が安んじて沈黙を守らされるのは、当分の間であらうが、教会クラブの政党たる所以であろふ。
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 反之、日本労農党は回答の少ないことでマダマダ未成品中、傑出した組合の人々の回答があるので、組合中心の労働者党、局外に支持者が多いので前途有望期待疑問の中間党が伺へる。最後に此処へ飛び込む程の論客猛者は、意見がないのか勇気がないのか、此種の人の回答は余りに少なかつた。
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 各党好む処の公認公選であるとは謂へ、この暮と正月に際つて四割の回答があつたは、政治政党運動の中々本気で真面目の処を物語る。之れでは私の各党は忌憚なく和気靄々と大に喧嘩すべしの持論を一場の夢と化し、各人は挙つて全部の各政党に加入すべしとの主張を戯談化する危険がある。
(一月十六日、山崎今朝彌)
<以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。>
<旧仮名遣いはそのままとし、踊り字は修正し、旧漢字は適宜新漢字に直した。>
<底本は、『解放』(解放社)第6巻2号1頁(昭和2年(1927年)2月1日発行)>
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