平民の法律(b)


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平民の法律
          平民法律所長弁護士 山崎今朝彌
      ズルイ会社
■一助は横浜某会社の貨物係として雇はれ、取扱貨物一個に付拾銭宛の給料なるも、月給三十円に充たざる時は三十円を給すと定めたり最初二月は三十円以上の収入ありしも三月目よりは収入二十円にも足らず、然るに会社の主任支配人等に変更ありたる以後会社は其不足金四ケ月分を支払はず。一助は歎願請求の末人を以て交渉したるも会社は言を左右して更に支払はず遂に当所に事件を依頼したり、当所は初め一助の名にて手紙を以て請求したるに返事なし、依て当所は次に其権利を東京の一助の或友人に譲渡さしめ、会社の謄本を下げ、会社の取締役に宛て当所の名を以て債権譲受人代理人として談判したるに会社は苦もなく之れを支払ひたり。会社とはズルイ奴なり。
      高利貸の手数料と高利
■高利貸より百円の証書を入れて七十五円を借受け今日迄に利息百円余を支払ひたり、裁判すれば証書取戻が出来るとの事なるが如何との質問あり。借入の際手数料廿五円を支払ふ約束にて百円を借り受け廿五円を支払ひ残り七十五円を受取りたると同じ意味にて初めより七十五円を百円の証書にて借入れたるなら借用金は百円なり、又利子として百円余を支払ひたるなら裁判しても其利子は勿論証書の取戻し出来ざるも、利子とも元金とも付かず内入したるものなら裁判所にて計算するときは、普通利子で計算するものと鑑定せり。
<以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。>
<旧仮名遣いはそのままとし、旧漢字は適宜新漢字に修正した。>
<底本は、『平民法律』第6年7号6頁。大正6年(1917年)8月。>
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