書式文例(二)


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書式文例(二)
上告内規
          山崎今朝彌
      第一 総規
 一本規ハ其適用ノ必要ナキトキハ適用セズ
 二何人ト雖モ本規ニ定メナキ理由ヲ以テ臨機応変ノ処置ヲ為サザル責任ヲ免ルルコトヲ得ズ
 三本規ハ総テ必ズ直チニ之レヲ為ス可キモノトス
      第二 受任
 一受任者ハ受任ノ際委任状、弁護士選任届、契約書其他必要書類ト共ニ手数料ヲ受取ル
 二委任状、弁護士選任届、契約書ノ書式左ノ如シ
~~~~~~
      委任状
 大正何年(オ)第何号私対何某間ノ上告事件ニ付左記弁護士ニ民事訴訟法第六十五条第一項第二項ノ訴訟行為代理ヲ委任ス
 大正何年何月何日    何某
濱口喜一、上村進、吉田三市郎、田阪貞雄、山崎今朝彌、阿保浅次郎、佐々木藤市郎
~~~~~~
      弁護士選任届
 大正何年(れ)第何号私関係ノ上告事件ニ左記承諾捺印ノ弁護士ヲ選任ス
 大正何年何月何日    何某
 濱口喜一、上村進、吉田三市郎、田阪貞雄、山崎今朝彌、阿保浅次郎、佐々木藤市郎
大審院第何刑事部 御中
~~~~~~
      契約書
 私関係ノ大正何年(れ)又ハ(オ)第何号上告事件ノ訴訟代理又ハ弁護委任シタルニ付左ノ通リ契約ス
 一手数料金何円ヲ本日支払フ
 二成効謝金ヲ成効ノ月内ニ支払フ
 三私ノ責任ニ因ル委任ノ消滅ハ成効ト見做ス
 大正何年何月何日    何某
組合東京法律事務所 御中
~~~~~~
 三報酬ハ法律課ノ規定ニ従フ
 四受任者ハ受取リタル金銭、契約書ヲ会計課ニ其他ノ書類ヲ記録課ニ送付ス
      第三 会計
 一受任者ノ伝票ニ反対ノ記載アルニ非レバ会計課ハ受領証ヲ作ル
 二事件費用、契約書ハ会計課ニテ保管ス
 三成効謝金、立替金ハ事件終結ノ報告ヲ受ケタル次ノ月内ニ整理ス但訴訟ヲ提起スルニハ上告主任ノ名ヲ以テス
      第四 記録
 一記録課ガ受任者、会計課ヨリ事件ノ送付ヲ受ケタルトキハ受附簿ニ登記シ基本カードノ外報告カードヲ作成シ受任者上告主任ニ送付ス
 二書類ハ一件記録、保管物ニ区別シ記録ハ記録庫ニ保管物ハ金庫ニ保管ス
 三記録、保管物ハ請求ヲ待テ返還ス
      第五 上告主任
 一上告主任ハ上告事件一切ノ指揮監督ヲナス
 二上告部ハ調査カードヲ各弁護士各調査員ニ交付ス
 三上告主任ハ最初、最終ノ調査ヲナス
 四上告主任ハ調査ノ結果ニヨリ調査会議ヲ開キ又ハ懸賞調査ヲ為スコトヲ得
 五提出書類ハ受任弁護士ノ同意ヲ得テ上告主任之レヲ作ル
 六作成書類ハ了解ニ容易ナル簡単ノ文、正確ノ意義ヲ有スル小劃ノ字ヲ使用ス
 七書類ハ印刷、印字ス
      第六 調査
 一各弁護士、各調査員ハ調査カード受領後陳述期日、趣意書提出期日一ケ月前ニ調査ヲ遂ゲ其結果ヲ報告ス
 二調査ハ記録閲覧室ニテ記録原本ニ就キ為ス
 三破毀ノ理由ヲ発見シタル調査員ニハ賞与シ、看過シタル者ハ罰給ス
 四受任弁護士ノ承諾ヲ得ルニ非レバ調査ヲ終結スルコトヲ得ズ
      第七 期日
 一期日係ハ受附登記ナキ事件ト雖モ事件申込簿ニ基キ期日、期限ニ付キ特別ノ注意ヲナス
 二期日係ハ時々委任状、弁護士選任届ヲ偽造スルコトヲ得
 三期日係ハ提出スベキ書類ヲ期日期限ノ前日迄ニ裁判所係ニ交付ス
 四期日係ハ期日、期限其変更其他事件ニ関スル一切ノ通知ヲ為ス
      第八 特別上告
 一弁護士ノ委託ニ係ル上告事件ヲ特別上告ト称シ特別ノ取扱ヲナス
 二特別上告ハ手数料金弐拾円成効謝金参拾円トス但簡易又ハ重大ノ事件ハ特別ノ協定ヲナス
 三提出書類ノ原稿ハ委託弁護士ニ送付シ意見ヲ求ム
 四理由ナキ理由ハ提出セズ
      第九 上告心得
 一上告ハ事実取調ヲナスモノニアラズ又第一審第二審一件記録ハ全部大審院ニ廻送サルルモノナレバ本人ノ出頭談話事実説明書、弁解書ノ送付ヲ要セズ
 二刑事上告ノ公判日ニ被告ハ出廷スルコトヲ得ザルモ傍聴スルコトヲ得
 三刑事上告ノ公判日、上告趣意書提出期日ハ絶対ニ延期セズ
 四上告趣意書提出期日後ニハ上告趣旨拡張ヲ許サズ
 五弁護届ガ間ニ合ハザルトキハ仮弁護届ヲ提出シテ記録ヲ閲覧シ上告趣意書ヲ提出スルコトヲ得
 六民事上告ノ陳述期日ハ正当ノ理由ヲ疎明スルニアラザレバ延期ヲ許サズ
 七訴訟物ノ価額不明ナル為メ貼用スベキ印紙ノ額ヲ知ルヲ得ズ、ヨイ加減ノ印紙ヲ貼用シ置ク等ノ事アリ民事上告ノ委任者ハ第一審第二審ノ判決送付ヲ要ス
 八判決言渡ガ一年間モ延期ニ延期ヲ重ヌルコトアリ判決原本ノ作成ガ半年モ後ルルコトアリ
 九民事部刑事部共毎週一部ハ火金二部ハ月木三部ハ水土曜日ニ開廷シ刑事部ハ次ノ開廷日ニ民事部ハ次週ノ該当日ニ判決ヲ言渡ス
 十至急ヲ要スル上告通信ハ上告部宛ニセザレバ一日遅ルルコトアリ
      第十 上告金言
 一上告ハ十分不成効ト鑑定セヨ九分ハ必ズ成効ス
 二正当ノ上告理由ナキヲ恐ルル勿レ確実ニ破毀サルルハ屁ノ如キ理由ナリ
 三上告判決ハ全部破毀セラル
 四上告デ蘇生
 五上告ヨリ往生
 六上告ニ最モ利益ナルコトハ最モ早ク受任スルコトナリ
(羅馬法)
<以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。>
<旧仮名遣いはそのままとし、踊り字は修正し、旧漢字は適宜新漢字に修正した。>
<底本は、東京法律事務所『東京法律』第20号10頁、大正5年(1916年)6月1日号>
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