上告革命案


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上告革命案
          主任 山崎今朝彌

月別  破毀 棄却 取下 被上告    受理
五 民 -六 -六 -三 カチ二マケ一 -九
  刑 -八 一二 -四 ------ --
六 民 -七 一二 -五 カチ四マケ一 -三
  刑 -四 二〇 -二 ------ --
七 民 -二 二一 -三 ----勝五 -五
  刑 -二 二〇 -六 ------ --
八 民 -〇 -九 -一 -----〇 -〇
  刑 -〇 -六 -一 ------ --
九 民 -四 一八 -六 ----勝一 -六
  刑 -三 一〇 -〇 ------ --
 右成績表元来なら前号又は前々号にて発表致すべきの処五月が余り成績良かりし故態と遠慮致し七月を待ち八月を待ちたるに七月八月は海内無双の不成績にて発表が厭に相成り今後は絶対に成績は発表せぬ事と相定め候次第に候処又々九月より景気相催し候に付き再び茲に発表する次第に候、人間とは勝手の動物なりと思へば何の仔細なき儀かと存候。
 従来の当所特別上告部は其規則第一条に「地方法曹の」と制限有之其適用を地方法曹にのみ限定され候へ共近来は東京弁護士よりの委託の方却て多数に相成候に付き来る十一月よりは在京法曹の委託事件も総て特別上告部の事件として取扱ふ事に致し候、併し当分の内は国家経済上用紙案内書等総て従前の分を仕様仕り候。
 委託せらるる弁護士諸君より料金が安くて困る少し高くせよと仰せらるる事屢々有之候、高くては人の為めでは絶対にないと云ふが私年来の主張に候又均一の均一たる所以には安過ぎるのが有るは当然の事と存候、此場合規則外の報酬決して受けぬものにも無之候、若し夫れ・・・困る・・・と云ふ点に至つては、当所も素人より法律課へ直接依頼の事件は随分思ひ切つて高く取り遠方より態々上京して報酬の点で依頼するに至らず帰国の上弁護士の手を経て特別上告部へ委託せらるる事等も多々益々有之候。
 年を取るに従つて物覚へは悪くなり頭が段々駄目に相成る様考へ候、其昔し日本唯一元祖上告専門弁護士等と広告したる事が此頃漸く可笑しく相成候、併し私が駄目でも事務所が宜敷候事務所には頭も目も沢山有之候、上告は何と云ふても多くの頭と多くの目で考へ出し探し出すに限ると存候、大概の問題は大森より事務所への往復汽車中で片付き申候、汽車は毎朝毎晩議事堂、汽車で極まらぬ事件は食堂会議、別に図書館へも行かず判例をも探さず大抵は誰かが一度失敗した経験の問題に候、御手に余る大難問は明治三十八年三月創立以来一度も欠かさず毎週土曜日の開会を以て有名なる弥生会研究会に持出し申候、安くも出来る筈に候、良くもある訳に候。
 弥生会は一時除名会とまで云はれた会にて直ぐと除名問題が起り候、広告のダシに使ひ放しでは又問題が起るかも知れぬから一々氏名を挙げて利益均霑の相殺を対抗仕り候、住所も電話も弁護士名簿に有之候、氏名はいろは順、猪股淇清君、岩田唯雄君、原孫六君、岡本一雄君、河鰭義三郎君、吉田三市郎君、吉井浜次郎君、吉村朔郎君、名合孟君、山崎今朝彌君、安田要六君、近藤民雄君、駒澤辰明君、阿保浅次郎君、佐々木藤市郎君、岸井辰雄君、渋澤昇三君、鈴木徳太郎君。
 此間沖縄在住の弁護士よりの依頼により沖縄の事件を北海道の弁護士に紹介致し聊か趣味を感じ候に付き行末は営業にする積りにて当分は物好に無料にて元祖弁護士ブローカーを特別上告部の附属事業として十一月より開始仕度倍旧に続々御申込被下度候。
 以上の論旨は之れを要するに
~~~~~~
改正特別上告部略則
○法曹諸君の委託に係る上告事件を均一料金にて取扱ふ。
○控訴院の裁判に対しては手数料十五円成功謝金三十円。
○地方裁判所の裁判に対しては手数料十円成功謝金二十円。
○当事者多数の場合一人三円の割増を求む。
○右の外民事刑事共上告実費として一件二円宛を申受く。
○東京法曹の事件を地方法曹に地方法曹の事件を東京法曹又は他の地方法曹に仲介す。(当分無料)
<以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。>
<旧仮名遣いはそのままとし、踊り字は修正し、旧漢字は適宜新漢字に修正した。>
<底本は、東京法律事務所『東京法律』第13号6頁、大正4年(1915年)10月20日号>
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