新刊紹介


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新刊紹介
山崎博士著
「山崎伯爵創作集」
四六版二百二十頁 平民大学発行定価金一円也の小冊子ではあるが、地震憲兵火事巡査、テロリにケロリ、チツトにタツト、露国討つべし日本べからず、偉大たる低能、等大小十数編の創作が容れてある。
 内容には、巡査と火事憲兵と毒薬、流言蜚語の震源地と責任者、地震と社会主義との関係、大和魂と虐殺問題、朝鮮人と支那人、亀戸事件と甘粕事件の真相、大杉事件と福田大将、露国討伐論と大庭柯公君虐殺の真相、低能弁護士の決議見本と馬鹿判決の標本、鮮人塚亀戸祭宗一地蔵、日本社会主義同盟の抗議書、社会葬と赤化防止、被告心理と裁判官心理、裁判と法律と警察と軍隊との正体、自伝他伝正伝訛伝、等雑多数白編が縦横無尽前後左右東西南北に織込まれて居る。
 併し何と云つても著者会心の作と云へば、地震憲兵火事巡査、露国討つべし日本べからず、チツトにタツト、テロリにケロリであらふが、著者得意の文章は朝鮮問題問答集に露国討伐論、其れに低能弁護士と判事を味噌に悪口した処であろう。
 著者の文は世既に未だ定評はないが、愈々肝心要の処となれば遂に竜頭蛇尾スルリスルリと蛇の如く脱兎の如く逃げて仕舞つて張合がない。尤も之れが其の発禁を免れて本書の世に出た所以であらふ。
 著者は本書到る処で小児病患者の如く頻りに『革命来』『革命の宣言』を説いてるが、よくよく煎じ詰めれば著者は全く『動揺常なき確固不抜の感情』に立つ一個の人道主義者たるに過ぎない。否一打罷り違へば、何時何ん時でも忽ち国士にても志士にてもなれる危険人物である。
 何は兎もあれ、論文創作集といふレコード破りの珍書、玉石同架支離滅烈矛盾撞着の議は免れざるも、一旦巻を手にしたが最期、何人と雖も読んで仕舞はずには本を離されず初版既に拾版を売る著者が全責任を負ふて其真価を保証するから、読者は安心して一本を購求されたい。(山崎今朝彌)
<以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。>
<旧仮名遣いはそのままとし、踊り字は修正した。旧漢字は適宜新漢字に直した。>
<底本は、『復刻版進め』(不二出版、1989年)、底本の親本は、『進め』(進め社)第3年2号(大正14年(1925年)2月号)31頁>
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