解放社発禁争議に就いて


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解放社発禁争議に就いて
          山崎今朝彌
 昨日の日曜を利用して詳報を十頁も書かせて貰ふ予定であつたが、無保証ときいては筆が否ペンが動かず罰金出させても御気の毒だから、詳報は「解放」十一月号に譲り感想?二三を左に
 一、昨年の解放十月号の禁止に対しては、『忽再版忽禁止忽参版忽解禁』の広告で再版を出した。
 二、本年六月の解放群書第三編『プロレ諸大家最近傑作選集』の発禁に対しては、『初版へ(解放新年号)絶対安全、再版(合本)突如禁止、参版発売(不穏箇所切取)但初版を添ふ』の広告。
 三、七月号の絶対禁止に対しては八月号で、『不可抗力で幸か不幸か差押前に殆んど売切の盛況、併し流行歌つて曰く、解放潰すにや何んにも入らぬ、禁止の三度も呉れりやよい。』の減らず口。
 四、八月号に対しては、左記広告。
解放及解放群書発行所解放社は東京芝区新桜田振替三六九四四
八月号解放読者に謹急合掌
解放由来穏健也        然るに発売禁止六七八
三回連続古来稀        近来検閲頗悪化
全誌壹面忽赤化        秩序紊乱幾十頁
風俗壊乱数百所        断然下る切取命令
何でも無のに過激派極まる   製本済ゆへ只申訳け
本の少々討取切取       危険を冒して本日壹斉
全国同時に配本発売      人感情人生意地
憎いさ余て余たに禁止?    御買損じは一生の後悔
半円投じて即刻即刻      壹刻千金此事也
四六解放創刊号        幸徳秋水文集号
極秘突然一昨真夜中      全国一斉配本済
○○危険充分也        壹円投じて是亦即刻
   南無妙法蓮華経霊注射頂門一針
   群書各冊各壹円南無妙法蓮華経
 五、九月号の発禁では参つて仕舞い、否無し応無しやる気なし金もなければする事もなしで、所々方々へ厭味の抗議歎願書提出
 六、十月号から労資協調官民一致全部内検閲で妥協、其代り優に二十日に発行出来たのが二十九日発行となり、売行頗る悪いならんか、但し政府は勿論損害賠償の責に任ぜず(十月四日朝)
<以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。>
<旧仮名遣いはそのままとし、旧漢字は適宜新漢字に直した。>
<底本は、『複製版文芸市場』(日本近代文学館、1976年)、底本の親本は、『文芸市場』(文芸市場社)大正 15年(1926年)11月1日発行)>
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