真言空言


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真言空言
         山崎今朝彌
◎『コレデ山崎も中々考へてるから尻尾を出したり怪我をする様な心配も有るまい、どんな広告を出そうがどんな端書を刷らうが構はない事に仕様』動議は佐々木内閣二月二日の初会議に可決確定された早速第本号大正四年二月五日発行其都度新聞毎回一回当日発行第二種郵便物認可定価前金一部無料郵税一枚一銭五厘と云ふ新聞が四方に飛んだ、金の御都合で知人一般に配布出来なんだが実に残念。
◎時勢の要求か内閣の更迭か兎も角大赦に遇ふて、大森では日本一景色の佳い借家から弁護士では日本一大きな事務所に通い、高い負けろの面倒もなく一定均一の上告専門、コレデ金でも溜つたら小生も嬉しくて溜らず。
◎手紙にも雑報にも時偶吉田三市郎外四名と来る、外四名が気に喰はぬ、いろは順の表示でもアルハベツトでも一年交代でもあるまい、ハテナ、これかあれか、の相談も有つた、五人寄れば不思議の智慧、トド、円い輪に五人の名を書き並べ電気仕掛で絶へず廻転さすと云ふ動議の提出で問題消滅。
◎新年号で事務所の○○○を○○したとて非常に仲間に叱られた。今年は新年早々頗る景気がよい各部悉く廿日頃には予定○○○に達し従て○○○も多くなる勘定、月末になつて事務員の退隠料や補助積立資金や去年注文の未払やがウヨウヨと出た、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○して恭しく捧呈に及ぶと女房頗る不平面『マー日本の国より税金が高いのネ』
◎田阪君の統計好と云へば此節では、誰の○○が月に何回訪ねて来て日に電話を何回掛けた等の事迄やつてる、附き付けられて○○した人もある、が吉田君時代に受信簿に一々領収証を取られたよりは面倒がなくてよい、『ヨク整頓して居ますネコレナラ証拠になります』と判事に賞められたと云ふ位ではアノ面倒の埋合せにはならぬ。
◎某弁護士大審院の刑事公判に出頭し先づ一定の申立からと『原判決を破毀す訴訟費用は被告の・・・』と云ふた切り立往生、鶴裁判長気の毒がつて下を向き乍ら顔を円く一撫で『一定の申立はよいでしょう』聞けば某君最初陳述期日に民事法廷に立ち直に理由を述べんとしたら裁判長から一定の申立はと突ツ込まれたからだと阿保君の話。
<以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。>
<旧仮名遣いはそのままとし、旧漢字は適宜新漢字に修正した。踊り字は修正した。>
<底本は、東京法律事務所『月報』第6号4頁、大正4年(1915年)2月20日号>
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