高尾平兵衛の出版法違反被告事件


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高尾平兵衛の出版法違反被告事件
 高尾平兵衛は、大正9年2月、森戸辰男の論文「クロポトキンの社会思想の研究」の謄写版を秘密出版して同志に密売した罪、及び同年5月頃「クロポトキン」著「法律と強権」(大逆事件で死刑に処せられた大石誠之助が秘密出版したもののようである。)を秘密出版した罪により、出版法違反により第一の事実につき印刷、発行人として各禁錮二月、第二の事実につき禁錮一月、罰金二十円に処せられた。
 その刑事公判において、被告人不起立事件が起きた。
 すなわち、『客年七月五日右事件公判中検事ノ論告ニ対シ裁判長ハ被告ニ起立ヲ命シタルニ「吾々ハ絶対自由ヲ欲ス若シ強テ起立セシメムトセハ暴力ニ訴フヘシ」ト怒号シ、裁判長ハ「左程秩序ヲ無視スルナラハ何故裸体ニテ入廷セサリシヤ」ト叱スルヤ本人ハ矢庭ニ双袒ヲ脱シ傍聴中ノ同志モ之ニ和シ喧噪セルヲ以テ被告ニ退廷ヲ命シタリ』(以上、『特別要視察人ノ近状及其ノ取締ノ概況』第二要視察人ノ行動、(A)東京の部、(ホ)在京一般要視察人ノ行動(3)附記、より引用。)がそれである。
 この一件について言及しているのが高尾平兵衛保釈願である。
 また、同公判においては、『同年八月廿四日公判ノ際「平民大学夏期講習生」ハ見学ノ為ト称シ他ノ要視察人等ト共ニ傍聴シ裁判長ヲ罵倒シ又ハ被告ニ声援スル等ノ行動アリ退廷ヲ命セラレ法廷外ニ於テ革命歌ヲ高唱喧噪セル為主ナルモノ四名ヲ所轄警察署ニ検束セリ』(以上、上記参照の同資料、同部分より引用。)という事件も起きている。禁止公判傍聴許可願はこのときの許可申請書であるかもしれない(許可願に記された日にちは異なるが、大正9年8月12日に平民大学夏期講習として公判傍聴が行われたことは上記同資料において明らかであるので、8月24日という記述が誤記なのかもしれない。)。
(以上については、森長英三郎『山崎今朝弥-ある社会主義弁護士の人間像』(紀伊國屋新書、1972年)133頁、『特別要視察人ノ近状及其ノ取締ノ概況』を参考にした。)
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