名合孟君


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名合孟君
◆面と向ふては首を垂れる様な事でも筆を持つと思ふ存分云ふて見度いが小生の病気であるが、名合君に限り何だか兄弟の批評でもする感がして余り気が進まぬ、賞める訳にも参らず、悪口も云ひ度くなし。
◆月並に之れを論ずれば無邪気で正直な弱い強い意志を持つた常識の人である、世人は君を奇人と云ひ最近の東京弁護士番付にも君と小生を奇行二家としてある、其註によると君の木綿着物小生の洋服に下駄傘の類とある木綿は安い強い衛生的で便利なること和服に靴洋服に下駄の如し、何の奇行か之れあらん、便利簡単奇人ならば電信電話も人の内、天下豈如此理あらんや。
◆名合君は決して世人の誤解する如く突飛な処も頑固の処もない、常識の人は決して常識の人の意表に出づるものではない、或問題に対する名合君の意見も方針も乃至は君の未来将来等小生には常にアリアリと見へてならぬ永く生きて後四十年、小供が多くて三人乃至五六人、金が出来て見た処が総額五十萬円はどうか、明日死んだ処で天下の大勢に影響はなく、友人の尽力で二三の新聞に五六行の履歴でも書いて貰ひ、一二年間「面白い気軽の遊ふには持つて来いの男だつたに」と惜しまれるが関の山。
◆併し君の怒鳴り声の雄壮強大にして、情実に囚はれ的の問題に大喝一声直ちに断案を与へたり、偖愈々議論に敗けたとなれば其敗け工合の上手なる事等、実に天下一品にして小生等の遠く及ばざる処である。
<山崎今朝弥著、弁護士大安売に収録>
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