高尾平兵衛保釈願

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高尾平兵衛保釈願  私事出版法違反にて事件発生以前より投獄引続中の処今回愈々御取調無之審理終結致し候に付き保釈許可相成度、逃亡等の御疑念は以ての外にて、警察以来未だ曽て一言の弁解も二言の申立も致したる事無之候条保釈御許可相成度候、尤も例の起立問題にては官憲を侮辱し法律を無視し神聖なるべき法廷を帝国議会の如く心得、我国開闢以来の騒擾を巻き起し盛んに其威厳を傷け候段重々不屈の至りと存候も、又翻て静かに之を考ふるに、為めに慣例を破り被告に退廷を命じ片言秘かに獄を断するの新例を開き、以て栄達を願はず検事を怖れず只管司法の威信と裁判の公平との為めに、専ら訟訴を静粛に、聴取を完全にし被告に満足を与へる従来の優柔不断なる当該判事に、其手腕と模範とを示し之れをして少なからず教訓を得せしめ、私かに会心の笑を漏したるは独り貴官のみの名誉にあらざるべく、若し其れ酷暑の候憤然次回公判期日が忽ち一ケ月の延期となりたるは既に充分被告膺懲の目的を達したるものにして、尚此上無法の裁判に迄自然不服の道を途絶する如き必要更に無之と存じ候故、何卒格別の御詮議を以て、仮令罷業暴動なみに責付相叶はず候とも、せめて木村、信定の不敬罪なみに保釈御許可相成し被下様偏に奉嘆願候、但し喜んで一日壱円の換刑処分に従事する被告に取つて保証金参拾円以上は到底不能の快挙に有之候。  大正九年八月十二日           被告本人 高尾平兵衛           特別弁護人保証人 岩佐作太郎           弁護人保証人 山崎今朝彌 東京地方裁判所第一刑事部 裁判長判事 草野豹一郎 殿 <山崎今朝弥著、弁護士大安売に収録>

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