一体、どれだけの時が流れたのだろうか。
数分か。数時間か。数年か。
一瞬しか経ってないように思うし、未来永劫の時間が流れてるようにも思える。
だが、そんな事はどうでも良かった。

俺はリアルクイーンを犯し続けていた。
粘液とフェロモンによって俺の性欲は萎える事なく、リアルクイーンの子宮に精液を送り続ける。
今まで以上に俺の肉体がターム族に近く作りかえられているのか、
リアルクイーンは産道を兼ねた肛門から、赤子を一日に何回も出産する。

軍師でクイーンに殺された友人。かつて忠誠を誓った皇帝。世界の宿敵たる七英雄。
そう言ったコトバが頭の中を過ぎるが、その意味は理解出来ない。
今の俺にとってリアルクイーンの子宮に精子を送り、出産させる事が全てであった。
支配するのは本能。

最初はようやく生まれた子供達だったが、今では山のように増えていた。
俺とリアルクイーンの性器は結合して子供達に精子を送れないが
リアルクイーンは娘だけでなく息子も出産していたのだ。
子供達は互いに近親相姦しあって、ネズミ算のごとく数を増やしている。
あの中には俺とリアルクイーンの孫やその曾孫や、そのまた曾孫も沢山居るはずだ。

だが、俺には連中にかける愛情など欠片も持ち合わせてない。

オレとリアルクイーンの子供達は、母親の巨乳に吸い付いて乳蜜を吸っていた。
最初に赤子を出産した時のリアルクイーンは、拒否反応で赤子を引き離して放り投げようとしていた。
だが今のリアルクイーンは、我が子の頭を撫でて子供を愛しんでいる母親の姿を見せていた。

…くだらない。

そう思いながら陰茎からリアルクイーンの子宮に、精子を射出した。
快楽に身を震わせながら陰茎が萎えていく。
その余韻を味わう事もせずに俺はリアルクイーンの乳蜜を吸うべく、邪魔な子供達を引きはがして放り投げようとする。
だがその俺をリアルクイーンが押さえつけて静止した。

「何のつもりだ?」

「今何をしようとした? 私の子供に」

「ははは! 何言ってやがる。
 最初は おぞましいモノ とか蔑んでやがったのに今更私の子供か。笑わせやがる」

俺は高らかに哄笑して、子供をはねのけた。
そのままリアルクイーンの口内に、自らの舌を突っ込んで舐めとるようにディープキスをする。
リアルクイーンの荒い鼻息を嗅いだ事で再び欲情し、陰茎の硬度を取り戻していく。
フェロモンだ。嗅いだ人間はリアルクイーンの虜と化す魔性の香り。


くだらない。
俺は最初から現在までにかけてリアルクイーンや子供達は、性欲処理としか見ていない。
フェロモンを嗅いでリアルクイーンの虜になった俺が、こうなったのも
リアルクイーンがそれを望んだからだろう。
そう言って俺は腰を動かし続け、そのままイッてしまう。

そして俺は快楽の余韻に浸る。
そのままいつもの様に眠ろうとした時、俺は見た。
かつて下水道で散ったあいつがそこに居た。

クイーンに殺された軍師。
軍師なんかになったために死んだ俺の友人。
だが頭の中で認識していても、俺の中で興味関心を惹かない。

「お母様」

あいつによく似た軍師は、リアルクイーンに向かって言った。
その声は男にしてはやたらと甲高い。まるで少女のように。
リアルクイーンは息も絶え絶えながら、軍師に向かって語りかけた。

「お、お前は……? 人間が…… はあっ なんでっ、こんなところに?」

「いいえ、私です」

確かターム族は、人間に寄生する事が出来たはず。
それは生きてる人間に限定されており、死んだ人間を操る事は出来なかったはず。
だが、そこに居たのはまぎれもなく死んだはずのあいつだった。

次の瞬間、何かがあいつの腹部を突き破って出てきた。
そこから出てきたのは最初に生んだ俺とリアルクイーンの娘だった。

「まさか…… 死んだ人間にも寄生出来るのか!?」

俺はあいつの体を突き破って出てきた娘を見て、思わず叫んだ。
あいつの死体は回収される事もなく放置されていたに違いない。
娘はそれに寄生して操っていたのだろう。

「ええ。でも寄生出来るのは人間だけではなくてよ。お父様」

娘は舌なめずりをして、妖艶に笑った。
その後ろから現れた連中を見て、俺とリアルクイーンは絶句した。

「七英雄……」

娘の後ろに居たのは、世界に恐怖を与えた英雄達の姿であった。
ワグナス、ノエル、ロックブーケ、スービエ、ダンダーク、ボクオーン、クジンシー。
その姿を見てリアルクイーンの顔が恐怖に引きつる。
無理もない。
クイーンが人の形を取ったのも、アバロンへの復讐だけではなく、七英雄に滅ぼされないためというのも理由の一つであった。
七英雄はリアルクイーンを恐れていたらしいが、七人全員が揃っている連中に対して勝ち目は殆ど無い。
更に絶望的なのは、俺と性器が結合しているという点だ。勝ち目はゼロだ。

だが、そんなリアルクイーンを見て七英雄の一人であるロックブーケが優しく笑った。

「心配しないで。お母様……」

次の瞬間、ロックブーケの腹が裂けた。
ロックブーケのみでなく、他の英雄達の腹も裂ける。
そこからは青白い肌の、俺とリアルクイーンの子孫達が出てきた。

「こ、これは一体どういう事……?」

リアルクイーンは絶句していた。俺も、また同じ心境だった。
それを察して最初の娘が、俺たちに語りかけた。

「七英雄は皇帝によって滅ぼされた、という事です」

「滅ぼされた? 七英雄が皇帝に?」

「私達は死者の皮をかぶって、皇帝一行と七英雄の最終決戦の場に向かいました。
 そこにあったのが岩の中で一つに繋がっていた七英雄の死体でした。
 肉体の損傷は激しかったのですが、死体の損傷は私達の能力ですぐに修復されました」

俺とリアルクイーンの子孫達が、七英雄に寄生している理由はそういう事だった。
しかし、何故奴らは死体に寄生したり、死体の損傷を修復したり出来るのか。
と考えて、その理由がすぐに理解できた。


奴らは人間とターム族のハーフ。
人間であった俺と、ターム族であったリアルクイーンの子供。
自然の摂理を破壊した結果、そのような能力を会得したとしか思えない。
スーパーターム族といった所か。

言葉を失う俺に、ロックブーケの皮をかぶった俺の子孫が優しく口付けしてきた。

「私達を生んでくれてありがとうお父様。貴方のおかげで私達は世界を支配出来るチカラを得た」

そう言って俺の視界が薔薇に染まる。
ロックブーケの必殺技・テンプテーション。生前の技も使えるのか。
同時にリアルクイーンが反射的に分泌したフェロモンも嗅いでしまう。
テンプテーションとフェロモンを同時に喰らった俺は、それだけでイッテしまう。


ターム族に寄生され、再び現れた七英雄。
人類が彼らに抗う術はあったのか。
そんな事は俺にはどうでも良かった。
俺は本能の赴くままリアルクイーンを妊娠させて、スーパーターム族を孕ませ続けるだけなのだから。

(完)

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