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FXのリスク

最近何かと話題になっているFX(外国為替証拠金取引)ですが、4億円稼いだ主婦(脱税でニュースになりましたね。)の話などもあり、一般の方にもその名前が一気に広がっています。

FX 主婦の話題は、大きな反響とともにFX への関心が高まった事件でもありました。

確かにFXは魅力的な投資方法のひとつですが、各メディアの報道の通りリスクもあります。証拠金を元にその何倍かを取引するわけですから、利益が大きく得られる反面、損失も大きくなるわけです。

しかし、無駄に怖がることはないと思います。リスクへの喚起がメディアでされるのはすばらしいことなのですが、いたずらにFXが怖いものとして認知されるのは非常に残念なことです。

FXのリスクについてしっかりと理解して、リスクヘッジ(リスクを知って減らすこと)を考えていくのが大切です。

興味がある方は、無料のデモトレードでFXのやり方を体験しながら勉強するとより理解が深まりますよ。

さて、FXのリスクとは主に次の5つが挙げらます。

  • 為替変動リスク
  • マージンコールリスク
  • 流動性リスク
  • 金利変動リスク
  • 信用リスク
主にFXのリスク要因はこの5つに分けられます。それではそれぞれのリスクについて見ていきましょう。

FX 為替変動リスクとは

為替変動リスクとは、FX リスクの中では一番メジャーなもので一番気をつけなくてはいけないものです。文字通り為替が変動することで損をしてしまうことへのリスクです。

しかし、FXをしている人の中で誰もがわかっているのにそれでも失敗してしまうのがこの為替変動リスクです。

FXは元本保証がない投資法ですから、リスク管理(リスクヘッジ)をしっかりと自分で行う必要があります。

FX リスクヘッジの基礎となるのは、レバレッジ(預け入れた証拠金よりも大きい額を取引できる)の設定によって、どれだけの為替変動で実際にどれだけの損になるのかを把握して、チャート図や各種の情報ツールを利用して、自分なりに分析していくことが大切です。

そして、実際にそれを元に損切りの設定を、「逆指値注文を入れる」などの方法でしておくのが不可欠です。

株と違って、FXの場合は逆指値注文には、ほぼすべての取引業者が対応していますから、リスクヘッジを分かりやすく設定することができます。

もしかしたら待ってたらあがるかも知れないという淡い期待感で大損しないように、○○円より下がったら売るという風に、逆指値をしっかり入れることで、基準を機械的に決めておくのが大切というのも、FX リスク管理としてよく言われています。

FX マージンコールリスクとは

マージンコールリスクとは、FXで利用している取引業者が設定しているマージンコールの基準にひっかかって、預けている証拠金が一気になくなってしまったり、そうならないために証拠金を追加しなくてはならなくなるというリスクのことです。

マージンコールそのものを採用していないFX業者もありますし、マージンコールの他に強制ロスカットという仕組みもあります。

FXの強制ロスカットとは、文字通り強制的にロスカット(損切り)する仕組みで、証拠金に対して一定の基準を下回ればその時点で決済されて損が確定してしまいます。マージンコールとの違いは、有無を言わさず決済されるというところです。

実際にこのマージンコールリスクを意識するのは、FXのレバレッジを何十倍など高く設定しているときです。

証拠金に対して大きな額を取り扱いすることができるのが、FXのいいところでレバレッジはFXのメリットなのですが、実際に損する場合は一気に損が広がってしまうため、わずかな為替変動でマージンコールがかかってしまうことはよくあります。

ですから、いくらになったらマージンコールがかかるかをあらかじめ把握しておくのは最低限必要といえます。

レバレッジを高くすることそのものは、各種のFX リスクを減らすリスクヘッジ効果も含んでいるのですが、最近のFXに関する報道では、破産した人の例を取り上げて怖いものとしてしか伝えてないように感じます。

FXでレバレッジの設定が証拠金に対して、どれほどの損害がでる可能性があるかなど、基本的な知識はしっかり身につけておきましょう。

FX 流動性リスクとは

流動性リスクとは、FXの様々な要因で注文が約定しない(取引が成立しない)というリスクです。

FXでは、株取引と比較するとリスクが少ないといわれています。為替というのは、株式と比べると流通量がとても多いからです。

そうは言っても、取引量の少ないマイナー通貨の場合はFX リスクのひとつとしてしっかりと認識しておく必要はあります。

しかし、メジャーな通貨(ドルやユーロなど)でもFX本来の意味からは少し離れるかもしれませんが、システム的な面で注文が約定できないという事態がしばしば起こります。システム障害リスクとでも言ったほうがいいのかもしれませんが…。

FXは言うまでもなく各国の通貨を取引するのですが、取引の基準となるのは、アメリカドル(以下、米ドル)です。そのアメリカドルに対する判断材料の発表の前後は、取引注文が殺到しFX業者のサーバーがダウンしてしまったりということになってしまうんです。

FXでこのようなリスクが表面化するのは主に、アメリカの雇用統計発表がある日です。FXをする人の間では常識として理解されていますが、これからFXをはじめようという人は特に注意をしておく必要があります。

ちなみに、FXでシステム面で約定しなくなるリスクに強いのが、伊藤忠グループのFXプライムという業者です。手数料がかかってしまうのが残念ですが、予定されたサーバーメンテナンス以外でシステム障害を起こしたことがないのは大きな利点です。

FX 金利変動リスクとは

金利変動リスクというのは、FXのスワップポイント(通貨間の金利差)を支払いする必要ができたり、もしくはその支払い額が増額してしまうことへのリスクを言います。

FXのリスクとしては、それほど気にする必要はないともいえますが、実際に取引を始めてしばらくしたころに、この金利変動リスクで痛い目をみてしまうことがあるようです。日本円を中心にした取引を例にみていきましょう。

日本円は、金利引き上げを徐々に開始したとは言うものの、まだまだ世界中でもかなりの低金利です。FX初心者のうちは、外貨を買って売るという方法からはじめると思いますが、円高に向かっているときはすることがありません。

そこで、外貨を売ってから買うという反対の取引を考えるのです。FXでこの方法(売りから入る取引)をはじめるなら、円高相場でも稼ぐチャンスが生まれます。

もっていない外貨を売りからはじめるというのは、想像するのが難しいですが、株の信用取引の空売りと似ています。

一方で、海外の通貨をはじめに扱うためその通貨の金利を支払い続ける必要(海外通貨を借りるため金利を払わなくてはならない)がありますが、この金利が変動する恐れがあります。

これがFXでいう金利変動リスクです。日本円ではなく、米ドルとユーロなど外国通貨どうしの取引などをするときには、さらに気をつけなくてはなりません。

ちょっと説明がわかりづらかったかもしれませんが、FX金利変動リスクを一言でいうと「スワップ金利をもらう額が減ってしまうこともありますよ。支払っているときはその額が増えることもありますよ。」ということです。

(参考リンク)スワップポイントの高さで有名なセントラル短資を紹介しているブログです。手数料がデイトレード以外は有料なのが残念ですが、長い歴史を誇る会社の運営で安心感もあると評判のようです。

FX 信用リスクとは

信用リスクとは、外貨の売買に使っているFXの業者が倒産してしまうなどして、預けている資金が引き出せなくなるというリスクのことです。

現在は、FX業者は登録制になっていて自社資産と顧客の資産とを分別保管することが義務付けられているのですが、法規制が行われる前は悪質な業者もいて実際に資産が戻ってこなくなるという危機があったんです。

登録されているFX業者なら、金融先物(金先)の登録番号がついていますから、申し込みの前には必ずチェックしておきましょう。

FXの信用リスクについての安全度は以下の順で大体の判断をすることができます。

  • 取引所預託(くりっく365)
  • 信託保全
  • 分別保管(登録業者の義務)
1から順に、FXで万が一の事態に陥ったときでも安全だといわれています。

FXのクリック365というのは、公設取引所を経由するタイプの外国為替証拠金取引で、スプレッドの幅が比較的狭い、税率の優遇制度があるなどのメリットがあります。

ただ、短期売買を中心にすることが多いFXでは、取引手数料が普通のFX業者と比較すると高めなのに加えて、取引ができない時間が存在するのと、注文方法にやや難があるのが難点です。

話が少しそれましたが、FX業者の信託保全というのは信託銀行に顧客から預かった資金を信託財産として管理する仕組みで、より安全と言えます。

FXの信用リスクはもちろん会社の経営状況(上場企業かどうかなど)を判断するのがまず大切だということを、最後に付け加えておきます。
最終更新:2009年04月26日 22:55