未完成


上図はダブル・トップの典型的なモデルを表している。上昇する相場が一旦Aで頭を押さえられBまで下落するが再度上昇をトライ。ところが,前回天井をつけた水準でまたもや売りを浴び値を崩す。一度は下げ止まったBの水準を今度は堪えきれず急落していく様子が見て取れよう。同じようなレート水準で二度天井を打つのがダブルトップのパターンである。三度天井を打てばトリプル・トップ。上図の上下を逆転させれば,下げ相場の底値圏でしばしば見られるダブル・ボトムの形となる。

上昇する相場においては一度つけた高値は強く意識され,いわゆる売りの値頃感を市場参加者に提供することになる。相場が次にそのレベルに接近したとき,再び売り手が集中しがちだ。ここで買いが売りを吸収するほど勢いがあれば当然相場は上がるのだが,売り勢力が買いよりも強ければまた相場は頭打ちとなる。このように二度までも相場が同じ水準で天井を作れば,市場参加者の多くが強い売りの存在を意識せざるを得ない。或いは,買い圧力が徐々に減少しつつあると見る者も出て来よう。この結果相場は下げに転じ始め,過去に下落を食い止めた価格水準Bが破られれば,市場参加者はマーケットの力関係が明らかに変調をきたしていると解釈するだろう。こうして,ネックラインが破られると同時に一気に売りが集中,下げを加速させてしまう。

ネック・ラインを破ったあとのターゲットは,ネックラインから上にはみ出た値幅と同じ分だけネックラインから下に取った水準になると期待できる。
最終更新:2009年04月27日 20:07