チート会SS1

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チート会SS


合計点<+29/ニート会です あチート会ですまで>



ニート会です あチート会です<+2/千尋:吸血鬼じゃなかったのか!>


エニート執事養成学校「岬の楼閣」では甲賀「風」忍法の授業があるんだよ
特に意味はないけど

セバスチャン「ああ 面倒臭いなあ」
新渡戸否働「むむ どうした?セバスチャン授業が始まるぞ」
春のポカポカ陽気の日差しが差し込む渡り廊下
ここはエリート執事養成学校「岬の楼閣」

セバスチャン「にーとべ先生、こんなに天気が良いのに授業とか面倒じゃありませんか?」
新渡戸「そうだな、我々は親の財産や生活保護をあてにするニートという名のいわば吸血鬼、当然夜型だしなあ」
セバスチャン「先生も著書で仰ってたじゃないですか ニートとは働かざる事と見つけたり って」
新渡戸「よし今日は天気も良いし 庭で中二話でもするか!!」
先生もやっぱりニート体質
「ニート道」を書いただけの事はある

セバスチャン「さすが先生!! そうだ吸血鬼だから蝙蝠使いとかどうですかね!!」
新渡戸「おお 蝙蝠とひきこもりをかけているのだな!!流石だなセバスチャン!!」
セバスチャン「二十匹蝙蝠(ニートヒキコーモリ)とかw」
新渡戸「うはwそれ良いなwぜってーおもしれーってw」
セバスチャン「じゃあ今日から私は吸血鬼を名乗りますねw」
新渡戸「単に夜型なだけなのになw」
セバスチャン「いやいやwちゃんと一族設定で魂喰ったりしますよw魂=血とか言えばいいんですよ」
新渡戸「ソウルイーター設定が面倒なんだろうww」


結局この日執事に関する授業が行われる事はなく
気持ちの良い陽気の太陽の元
元気に二人はサボってたって事ですね


『ニートは元気になってもニートだしうつ病患者が明るく接する程度で治るくらいなら苦労はない』<+1/千尋>



ダンゲロス子によって確かにセバスチャンは元気になったよ

セバスチャン「よし、私は今日とっても気分が良い!!だから明日から頑張るよ!!今日の所はまあ面倒臭いから引きこもるよ」
雨月病「そうだねえ、なんだろうかあの明るい女は死ねばいいのに、うつ病患者に明るく接するのはタブーだって事の常識も知らないらしいなあ、死ねばいいのに」

ニートは元気じゃないわけじゃい
うつ病は何も考えずに明るく接すれば悪化する

そんな常識も知らないダンゲロス子によって
2人の能力は強化されたのであった


チート会所属のSSです。<+2/千尋:ニート会ww 誰が巧いこと(ry>


「名前と言うものにはすべからく意味があるのだよ。魔人達にとっては特にね。
白金の名を冠する者達は必殺の一撃を放ち、木下の一族は異次元転送の才を秘めている。
桂一門は皆呼吸をするかのように自然に死を操り、あっちんといえばウィルスの権威だ」
「それで?」
「つまり、だ。他者を使役し裏世界に君臨するぽぽの一族の末席に身を置かせてもらっている
私が自ら動こうとしないのは自然な姿だと言う事さ。同士よ、分かってくれたかな?」
「よりにもよってサボる言い訳がそれか!!後、ぽぽの一族の皆さんに謝れ!!」
「君だって昼間はあまり働かないではないか、人の事は言えないだろ」
「私はその分夜は多めに働いているわよ、一緒にしないで」
チート会が集会に使っている教室の片隅、もはや日常茶飯事となった吸血鬼の男女による
痴話喧嘩が今日も行われていた。

「これはお前のサボリで困っているお前の雇い主とチート会の皆の分!」
「うわらば!」
働く方の吸血鬼・夜渡咲のナッコウが働かない方の吸血鬼・セバスチャンのテンプルを強打する。

「そしてこれは吸血鬼全体のイメージダウンに怒る私自身の分よ!」
「さすがに何度も喰らうのは面倒だ、開けニート空間!」
20匹の大蝙蝠がセバスチャンの周りを飛び交い、それと同時に周囲に全ての攻撃を拒絶する
闇を生み出す。これこそがセバスチャンの奥義『二十匹蝙蝠』。彼の働きたくない気持ちから
生み出される絶対無敵空間(ただし自分も攻撃できない)だ。こうなったらこの空間が解除されるまで
夜渡に打つ手は無い。しかし、今日の彼女は一味違った。こうなった時の為にニート執事に
お仕置きする秘策をちゃんと準備してきたのだ。

(夜渡はもう諦めてくれたかな?)
二十匹蝙蝠の限界時間が近づいてきたので闇からそっと顔を出すセバスチャン。
いつもなら夜渡が呆れてどっかいってしまうか瀬戸内寂聴先生辺りが喧嘩の仲裁に乗り出して
くれている頃。
だが今日のセバスチャンの目の前にいたのは青ざめた顔で横たわる見知らぬ少女だった。

「た・・・助け・・・て・・・」
「君、どうしたっ!」
「げほげほっ、持・・・持病の前立腺の発作が・・・お願い・・・スカートを外して楽にして・・・」
「分かった、私に任せたまえ!」
ニートだが根っこの部分は執事であり紳士であるセバスチャン。少女の言葉に従い
スカートのホックを外し足から抜く。そして―、
(ばくんっ!)
突然少女の股間から赤黒い何かが飛び出したと気付いた次の瞬間にはセバスチャンの顔が
生暖かいもので包まれ視界が闇に閉ざされる、今度のこれはニート空間によるものではない。

「いい演技だったわよ、出島君」
「もー、こういうのこれっきりにしてくださいね」
二人分の声が聞こえてきた。夜渡と少女の声である。セバスチャンは自分がはめられたのだと
ようやく気付いた。

「後はあなたの能力でセバスチャンに力を与えるだけ。これで彼もやる気一杯になり真面目に
働くはず」
「そして、本気の吸血鬼が二人揃ったチート会に敵はないって事ッスね」
「ええ、そしてこれから行われるマンチグループとの戦いに勝てば世界を完全に操作できる。
ああ、もう一息で陽の光に苦しめられない世界が私のものに」
「世界のルールを変えればオレも普通の男に戻れるかもしれない」
「出島君、これからもよろしくね」
「まかせてください、男・出島キーラ、チート会の為になんだってしますよ。今回みたいな事以外は」
やがて二人の声が聞こえなり、セバスチャンの顔中の穴という穴から何かが流し込まれていく。
自分の体に未だかつて無いほど活力を感じながらセバスチャンの意識は遠のいていった。

これが、まだ今の半分ぐらいの規模だったチート会に出島キーラが加わった日に起こった出来事である。
そして今、セバスチャンはあの時から大きく変わった。
「働きたくないでござる!絶対に働きたくないでござる!」
「って肝心の所が全然変わってなーい!」
彼は以前よりもずっと精力的に全力でニート化していた。
「こんにちわー、今日からここでお世話になる五月病の雨月病でーす。あー眠い」
寝巻き姿で枕を抱えたのやる気ない顔をした男が入ってきて、入ってくるなりセバスチャンと目が合う。
「失礼ですが、あなたもニート体質ですね?」
「あなたもですか、おおっ同士よ!」
がっしと抱き合い肩を組みながらニート空間に引きこもっていくセバスチャンと雨月病を見て
夜渡はため息を付く。

「世界を自由に変えれるようになる前にこの組織の名前がニート会に変わるかもしれないわね」


『関口奮迅』<+2/千尋:やっぱ京極堂のあれは屁理屈だよね!>


「くそっ、駒沢の野郎、やはり裏切ったか・・・!」

関口は義憤に燃えていた。
駒沢がチート会を裏切った…その事実は、
関口にとっては予想していた未来の一つであった。

そもそも駒沢などは最低のロリコン野郎であり、
実家は浄土真宗・大谷派の寺の跡取りである。
坊主同士、寂聴とでもよろしくやっていればいいのだ。
それをあのクズ野郎はチート会を裏切り、
マンチグループの走狗となることを選んだ――

「許すまじ、駒沢! 私がこの手で必ず殺す!」
「ど、どうしたんですか、関口さん。荒れてますね」
そこに話しかけてきたのは木下恭介。
むろん、関口とは旧知の仲であり、盟友である。
関口はカッと目を剥いた

「うるせー! このドヘタレが! いいか俺は知ってるんだぞ、
 お前がどんな強い能力を持っていようと、
 それが発動された試しなんて過去に一度も…」
「うわーーーー! 言わないでーーーー!」
「黙れ!」

そこに颯爽と現れたのは榎本和馬。
一瞬で関口を惨殺し、肉塊と化した。

「危ないところだった…今回の戦いは屁理屈が影響する勝負。
 万が一ということもあり得る」

一方、肉塊と化した関口は復讐を誓うのだった――
「おのれ駒沢、おのれマンチども…
 今回は屁理屈が影響する勝負だと?
 この私が貴様らを皆殺しにしてやる……

 京極堂! きみの屁理屈を借りるぞ!!」


『駒沢の逃亡』<+2/千尋>



いつものように手芸に興じていた駒沢の前に、人影が現れた。

エリエス「よくもやってくれたのう、駒沢よ」

駒沢「これは王女様、俺が何かしましたか?」

エリエス「とぼけるでない! おぬしの縫っておるそのぬいぐるみは、私への贈り物ではなかったのか!」

駒沢「え、そんなこと言った覚えが……」

エリエス「それなのにおぬしは他の女とイチャイチャしおって。それも二人も!」

駒沢「あ、あの、王女様……?」

戸惑う駒沢を余所に、エリエスは一人でなにやらブツブツとつぶやいている。
エリエスは、とっても思い込みの激しい女なのだ。

赤頭巾「駒沢お兄ちゃん、あそぼー」

そこへ空気を読まずに赤頭巾がやってくる。

エリエス「むむ、こやつが駒沢の女か! ファイエルよ、やっておしまい!」

エリエスの命を受け、ファイエルが無言で剣を抜く。
命の危機を感じた駒沢は、持っていたぬいぐるみを投げ捨てるとヤケクソ気味に叫んだ。

駒沢「チッキショウ! なんだか分からないけど、妙技・不知縫(シラヌイ)!」

赤頭巾を引き寄せ、抱きかかえたまま全速力で逃げていく。

赤頭巾「きゃっ! もう、駒沢お兄ちゃんったら、大胆なんだから」

赤頭巾は突然のことに驚きつつも、頬を朱色に染め、駒沢の胸に顔を埋める。
もちろん駒沢には、その温かさを感じている暇なんてない。
なんなんだ、このチームは。まともな人間がいないじゃないか。
もうこんなところにはいられない。
それでも、せめてこの子だけは守らないと。

駒沢「ああ神様、もしいるのなら、奇跡を起こしてくれ。俺に真っ当な人生を送らせてくれ!」

駒沢の祈りは、しかし届くはずがない。
奇跡を起こせるのは、王女エリエスだけなのだから。

白金「あ、駒沢先輩ここにいたんすか、全然気付きませんでした。また縫物を教えてくださいっす」

駒沢の姿を見かけた白金が声をかけるが、呼びかけを無視して彼は走り続ける。
背後からは剣を持ったファイエルが追いかけてきていた。
呼びかけに応える余裕などないのだ。

白金「ってどこ行くんすか! 待ってくださいよー!」

二人を追って白金も駆けてゆく。
こうして白金、赤頭巾、駒沢の三名は、マンチグループへと去っていったのだった。
駒沢の野郎、マジで許せねー。



一方その頃。

寂聴「あらあら、うふふ。これで心置きなく駒沢くんと戦えますね」

遠くから様子を見ていた寂聴は闘志をたぎらせ、肩慣らしとばかりに近くを通りかかった関口を、壁に向かってぶん投げるのだった。

関口「ぬわーーーっ!」



駒沢三部作 -完-


『駒沢の受難』<+2/千尋:いつまでも関口が鉄板だと思うなよ!>

審査員指定 千尋

いつものように手芸に興じていた駒沢の背後から、不意に誰かがぶつかってきた。

駒沢「うわっ! な、なんだ?」

白金「いたたた……。あ、駒沢先輩じゃないっすか。いつからいたんですか、全然気付きませんでした」

白金は悪びれた様子もなく笑うと、駒沢の手にある物を見て目を輝かせた。

白金「うわー、ぬいぐるみ縫ってるんすか? いいな、いいなー!
ボクも縫物には興味あったんすよ、ちょっとやらせてください!」

白金は駒沢の返事も聞かずに針を奪うと、ためらいのない動作で自分の指に突き刺した。

白金「いってー! 指が、指がー!」

駒沢「……ドジってレベルじゃないぞ、まったく」

駒沢はため息をつくと白金の指を取り、そっと自分の口に含ませた。

白金「あ……」

突然のことに白金は驚き、頬を赤らめてじっと駒沢を見つめる。
やがて駒沢は白金の指に絆創膏を貼ると、「よし」とつぶやいた。

駒沢「これで大丈夫だろう。手芸は人の命すら奪う恐ろしい技だ。もっと気をつけて扱わないと駄目だぞ」

自分にかけられた言葉も耳に入らず、白金はぼーっと駒沢を見つめている。
そんな二人の前に、

赤頭巾「お兄ちゃん、その女、誰?」

いきなり赤頭巾が現れた。
その目は、自分の頭巾と同じくらい赤く血走っている。

駒沢「誰って、同じ仲間の白金じゃないか」

赤頭巾「……そう。そいつがお兄ちゃんを狂わせる魔女なのね」

駒沢「何を言ってるんだ? 待て、なんだその手に持った包丁は。よせ」

赤頭巾「お兄ちゃんどいて! そいつ殺せない!」

赤頭巾は叫ぶと、包丁を両手で持って、目をつぶったまま前に突き出した。
殺される――!
駒沢が死を覚悟した瞬間、

「ぎゃあーーーっ!」

目の前で悲鳴が上がった。

駒沢「?」

見ると、たまたま近くを通りかかった関口辰夫が駒沢の代わりに刺され、鮮血をまき散らしていた。
関口辰夫は死んだ。

赤頭巾「お兄ちゃんのバカーーッ!」

赤頭巾は泣き叫びながら走り去っていく。
その様子を呆然と見ていた駒沢の背後で、白金がつぶやいた。

白金「駒沢先輩……」

駒沢「え? あ、ああ、どうした?」

白金「責任、取ってくださいよね」

駒沢「せ、責任? なんの?」

白金「あー、ひどいっす! ボク、こんなことされたの初めてなんすからね!
ゆ、ゆ、指をなめるだなんて、そ、そんなの、は、は、恥ずかしいっす!」

駒沢「あ、あのー、白金さん? 何を言って……」

白金「……ボクの初めてを奪った責任、ちゃんと取ってくれなきゃ怒っちゃうんすから」

駒沢「っ!」

いつの間にか周囲には異様な空間が生まれていた。
そのプレッシャーに気圧され、駒沢は身動き一つ取れない。
先に動くと、やられる!

白金「……えへへ。ちょっとびっくりさせちゃったっすね。すんませんっす」

やがて白金は緊迫した空気を解くと、満面に笑みを浮かべ、駒沢の腕に自分の両腕を絡ませた。

白金「ふつつか者っすけど、よろしくお願いしますね、先輩♪」

駒沢「……やれやれ、参ったな」

俺の人生はどうなるんだろう。
これからのことを思い、駒沢は大きなため息をつくのだった。


DSKING/SS 十人目 EA01<+1/千尋>

筆:チート会所属デスシャドウ

トオいキおク
ワタしハえガオをツクるタめにウみダサれタ。

ソシてイま
わタシはカナしミをうミダしテいル。


アあ――
チちよハハよ、オコたエくだサい
ワたシはなゼ、ヒトをコワさなケレば、ナらナいのデすか
わタしハイツまデ、ヒとヲこワシツづけレばいイのでスカ


DSKING/SS 九人目 服部投人<+1/千尋>

筆:チート会所属デスシャドウ

気づけば体が動いていて
気づけば何かが飛んでいった

とある富豪の邸宅の話だ。
潜入部隊がしくじったらしく、いくらつぎ込んだのかすらわからない豪邸のそこかしこが
にわかに慌しくなっていた。

「潜入班の撤退支援をする。ついてこい」

万が一に備えて周囲の庭園には、戦闘部隊がいくつか伏せられていた
拙者はそんな戦闘部隊の一つに所属していた。

部隊長の指示に従って、情報が錯綜してるらしい黒服の、まさにそれっぽい男たちの間を縫うように駆け抜ける
どれほどの精鋭といえども、ただの人間だ。
生粋の隠密集団である拙者たちの動きは、混乱しているこの状況では、視界に捉えることすらできないだろう。

その時、右となりで、何かが潰れる様な音がした
見ればそこには、首から血を噴出す黒服の――



考えるよりも先に
拙者はソレを投げ飛ばした


DSKING/SS 八人目 伝説の剣豪MUSASHI<+1/千尋>

筆:チート会所属デスシャドウ

刃を高く掲げる

剣の道は本来、心を鍛えるものである。
今でこそ、侍といえば日本刀のイメージが強いが。
古く合戦ではむしろ、槍や、弓の方が比重が高かったといえる。

刃を振り下ろす

ならばなぜ、これ程までに、普及したのか。
それはやはり、剣の道を究めたものは、その時代における時の人とみなされたからであろう

刃を高く掲げる

日々の鍛錬を通じて、理を学び、収める。
真に剣を極めたものは、剣を必要しなくなるという。

刃を振り下ろす

であれば、私はまだ極めていないのであろう。
伝説の剣豪とよばれる私ですらも

そして、刃を高く掲げ、振り下ろす
刹那、男の姿は木漏れ日の中をぶれ
直後、背後の巨木が、音を立てて崩れ落ちた

極めた先に何があるのか。
刀と共にあったといっても過言ではない人生。
最後まで付き合うのも、悪くはない――。


DSKING/SS 七人目 サファイアラクーンの誘拐魔<+1/千尋>

筆:チート会所属デスシャドウ

ある、東欧の山村の話である。

羊飼いの青年がある日突然、その姿を消した。
その晩、村人総出で探したが、結局見つかることはなかった。

翌日、畑仕事に出ていた老夫婦が、その姿を消した。
その晩、村人総出で探したが、結局見つかることはなかった。

翌日、村を訪れた商人の一人娘が、その姿を消した。
その晩、村人総出で探したが、結局見つかることはなかった。

恐ろしくなって村を出て行く人間が現れた。
麓にたどり着いたものは誰も居なかった。

麓の自警団が異常を察知して捜索隊を組み、村へと向かった。
誰一人として、村にはたどり着けなかった。

やがて村から人が消えた。
そこに村があると知っている人間は誰も居なかった。


チート会所属のSSです<+2/千尋:恥ずかC-!><>


読む前の注意(このSSではすごいディック男木下をすごい男・果てしなきビックディック・
木下一族の誰か(多分鏡介)の三人組という解釈で書かれております)


「待てー」
「待てるかー!」
「逃げるぞチート会の人、今は協力しよう!」
「言われなくてもスタコラサッサだぜ!」
「俺のチンコを好きにされてたまるかってモンだ!」

追う一人と逃げる四人、都合五名の男が逃亡劇を繰り広げていた。
追う男、播磨千針ver.Tは逃げる四人のチンコに興味があった。
マンチグループの男木下と彼と存在を共にするすごい男&果てしなきビックディック、
そしてもう一人の男?は播磨同様チート会所属の出島キーラ。
彼ら四人は陣営の壁を越え奇妙な友情とも思える連帯感を抱きながらチンコの測定と
切除をしようとするマッドドクターから逃げ続けていた。

「痛くしないからこっち来なさい君達!いまならアメちゃんあげるよ!」
「献血の誘い文句か!」

運動能力に大きな差は無いが逃げるのは四人に対し追うのは一人、バラバラに逃げたり
合流したりを繰り返し翻弄する事で誰も捕まる事なく1時間が経過した。

「うーん、困った。あの四人(キャラ数では二人)はそれぞれのグループを代表するチンコメン。
ぜひとも手術したいのだがなー、そうだあいつをよぼう」

頭に電球がキラメきポンと手を打つ播磨。片手メガホンのポーズで奴を呼ぶ。

「アイテム屋ー」「はいなー」

プリンを片手に乗せたプリン風な男が0.2秒で到着。

「バイアグラ一丁、御代は?」「プリン1個です」「安しー」

播磨はアイテム屋から購入したバイアグラの瓶の蓋を開け即座に逃げる三人の方に投げつける。

「おーい君達ー、アメちゃんだよー」
ピューン×4
「わーい」×4
パクッ×4
ボッキーン×4

バイアグラの副作用で脳に血が回らず四人は貧血で倒れる。目を覚ますと勃起状態のまま
手足が寝台に縛られ、播磨による計測が始まっていた。

「すごい男氏は凄いサイズー」
「すごい恥ずかC-ぜ!」
「キーラきゅんは邪気ティンを持たぬものには理解できないだろう大きさー」
「止めろー!今すぐ止めろー!」
「ビックディックの勃起は果てしないレジェンド級ー」
「嫌だぁぁぁぁぁぁぁ切られたくないぃぃぃ!!チンコは俺の全てなんだぁぁ!!」
「木下はポークビッツー」
「いっそ殺せー!」
「さーて、さてさて。今度目が覚めた時君達の股間がどうシャッフルされているのかお楽しみ~」

類まれなるチンコを持つ四人の絶叫が夜の病院に響きわたった。



DSKING/SS 六人目 てんこ<+1/千尋>

筆:チート会所属デスシャドウ

「こっこ。朝ごはんだから、てんこおねーさんを起こしてらっしゃい」

わかった、と言って、私は持ってた大根と大根卸を置いて、手を洗う。
冷たい水が心地よい。季節は冬。天気予報によれば気温は丁度0度。少し寒いけど寝起きの頭には丁度いい。

広い武家屋敷の西側の一室に、姉――てんこの部屋がある。
入り口からもっとも奥まったところにある所で、数多くある部屋の中ではもっとも不便な部屋だ。
部屋の中で、誰かが動いてる気配はない。まだ、てんこ姉は起きてないみたいだった。

「てんこ姉。あさごはん――」

そう声をかけながら、障子に手をかけて開けようとする。
けれども、私のその手は、中から響いてきた声にその動きを遮られた

「なんで命中率90%で避けられて、30%なのに当たるのよ!」

「……え?」

さっきまで、静かだった部屋の中からどたばたと……まるで地団太を踏むような音が響いてくる。
恐る恐る障子を開けると中では、寝巻きのまま毛布に包まって
チカチカと明滅する、先日購入したばかりのデジタルテレビの前で、布団の上をぐるぐると転がっているてんこ姉の姿があった。

「てんこ姉。何、やってるの?」

「ゲームぅ……って、こっこじゃない? どうしたの?」

「いや、朝ごはんだから、おかあさんが呼んできてって」

その私の言葉に、てんこ姉は、あーと、何かを考えるかのように声を上げて
しかめっつらの表情を貼り付けた頭のこめかみに、透き通るような、長く綺麗な白い人差し指をあてる。
そういて、小一時間うなって、てんこ姉はまた、毛布に包まってテレビのほうに向き、手に白い塊――テレビゲームのコントローラーを持つ

「って、てんこ姉。朝ごはんはー?」

「んー。いらなーい。私はゲームで忙しいの。早くトビーと合流しなきゃいけないの。それまでは貫徹よ!」

そしててんこ姉は、狐用ヘッドホン『コン=コン』を頭につける。
綺麗なしっぽが、ゆらゆらと楽しそうに左右に揺れている
こうなったおねえちゃんは、私ではどうにもならない。
仕方ないので私は、障子を閉めて、てんこ姉の部屋を後にする。

「ふふふー。必中、熱血、努力、幸運。ボタン砲、なぎはらえー!!」

楽しそうな声が聞こえる。私は携帯を取り出して、おかあさんの番号を呼び出した。




数分後、寒空の下に、若い女の悲鳴が響き渡ったとさ。


DSKING/SS 五人目 夜渡咲<+1/千尋>

筆:チート会所属デスシャドウ

関東都市圏郊外に数年前に作られた自然公園。
都民の血税をつぎ込んでつくられたそこには、世界中から集められた様々な種類の花や木々で満たされていた。
けれども、利便性を度外視した立地から、そこに人々が訪れることは殆ど無く
この公園内を見られるのは、環境維持用に作られた自動人形か、ここを寝床とした動物くらいのものだ。
――私のような、人間外の存在を除いて。

時刻はまもなく、0時に指しかかろうとしている。
歩行用の石畳の通路の脇に等間隔に備え付けられた外灯の、その人工的な明かりの下。
同じようにぽつんと置いてある、真新しい木製のベンチの上に、私は一人座っていた。

私は、吸血鬼だ。

古くは18世紀。吸血鬼という存在が知られるようになったのは、その時代のイギリス帝国まで遡る。
病的なまでに白い肌に、鋭く伸びた犬歯。夜な夜な闇に紛れて無辜の人間を襲う、暗闇の貴族。
たかだか、当時は比較的裕福な層の娯楽でしか無かった小説を書く人間がなぜ、私たちという存在を知っていたかは知らない。
とにかく、その時から少しずつ、私達吸血鬼の存在は人間の間に知られていき、今日では、知らぬ者などそうはいない
怪奇の代表的存在となっていた。


カツンー

石畳を叩く音が、人気の無い公園内に木霊する。
まるで何かを告げるように、ぱちぱちと、頭上の電灯が点滅を繰り返しはじめる。

「良い夜ですね」

静寂を引き裂いて。来訪者は言う。
そこに居たのは、無貌の男。特徴のない、何処にでもいるようなそんな顔付の男。

「今宵は満月。人間達がいくら夜を明かりで埋め尽くそうとも、私たちの太陽は消えることはない」

そいつは、大仰な手振りで空を仰ぎ、高らかに歌い上げる。
その表情には、興奮の色が見て取れる。
いつもの事だった。

「自己陶酔もいい加減にして。私の家は遠いんです。早くしないと、人間たちの太陽にこんにちはされてしまうわ」

苛立たしげにそう私は呟くと、男はつまらなそうに表情を潜め、その右手を虚空へと突き出し、何かをつかむ動作をする。
刹那、ピシッ――と、何かがひび割れるような音が辺りに響き渡り、そして、暗闇の中に吸い込まれていった。

「ご注文の品。こちらに」

気づけば、男の手の先には、大量の輸血パックが載せられた台が現れていた。

「振込みはいつもの所でいいですよね。ご苦労様です」

「ええ。それでは私は、他のお客様も待たせているので、これにて――」

そう言って、男は消える。
後に残ったのは、両手で抱え切れそうにない大量の輸血パックと、不機嫌さだけだった


吸血鬼は、凡そ生物としては、もっとも強力な場所に位置するだろう。
だが、同時に、私たちは多くの弱点を抱えていて、それは私たちにとってはほぼ致命的なものなのだ。
だから私たちは、人間社会に溶け込んで生きていかなければならない。
自分の右腕を見る。
細い腕。病的なまでに白い肌。太陽の恵みを受けられないその証が、そこにはあった。
思考を振り払うように私は髪を書き上げて、夜空を見上げる。
私たちの太陽は、ただ優しく瞬いていた。


チート会所属 『駒沢の決意』<+1/白金>

審査員指定 白金

いつものように手芸に興じていた駒沢の耳に、悲鳴が飛び込んできた。
声のする方へ行くと、なんと赤頭巾がこん棒を持ったオッサンに襲われているではないか。

駒沢「あれは、関口! 死んだんじゃなかったのか!」

関口「ナンボや、ナンボ出せばええんや?」

なぜか関西弁の関口が凶行に及ぶ寸前、駒沢の手が光った。

駒沢「――妙技・不知縫(シラヌイ)!」

異常に鋭い針と強靭な糸を飛ばし、赤頭巾の衣服に縫い付けると、自分の手元へと引き寄せる。

関口「……?」

獲物を失い困惑する関口を余所に、駒沢は赤頭巾を抱きかかえたままI.Z.K.を駆使してその場を去った。

駒沢「ふう。ここまで来ればもう大丈夫だろう。関口め、さっさと死ねばいいのに」

一息つく駒沢を見上げ、赤頭巾が微笑む。

赤頭巾「ありがとう、駒沢お兄ちゃん」

駒沢「お、お兄ちゃん!?」

『お兄ちゃん』という言葉に顔を赤らめる駒沢。

赤頭巾「駒沢お兄ちゃんは他の男の人と違うんだね。男の人はみんな、私を見るとすぐに乱暴なことをしてくるの」

駒沢「ん、まあお子様には興味ないからな。俺は年上好きなんだ。
って言っても、いきなり人の命を狙ってくるような婆さんは勘弁だけどな、はは」

赤頭巾「決めた! 私、大人になったら駒沢お兄ちゃんとケッコンする!」

駒沢「は? お前、何を言って……」

赤頭巾「絶対いいオンナになってみせるから、それまでの間、私のことを守ってよね、お兄ちゃん♪」

赤頭巾は駒沢に抱きつくと、その頬に軽くキスをする。

駒沢「やれやれ、参ったな」

駒沢は戸惑いながらも、「まあ、こういうのも悪くないか」とつぶやく。
赤頭巾の無邪気な笑顔を見ていると、戦いの日々で傷ついた心が癒されていくような気がした。
この子は俺が守ろう。
駒沢はそう心に誓い、まず手始めに、関口をむごたらしく殺してやろうと思うのだった。


チート会所属SS<+2/千尋:FS「あしたの虹」の意味が分かった>


いつものように手芸に興じていた駒沢の前に、寂聴が立ちふさがった。

寂聴「駒沢くん。悪いけど、死んでもらうわね」

駒沢「お前は、寂聴! なぜ俺の命を狙う?」

寂聴「あらあら、うふふ。そんなことも分からないの?
能力が『かぶってる』からに決まってるじゃない。分かったら、さっさと死んでね~」

駒沢「くっ!」

駒沢は得意のI.Z.K.を駆使してその場を離脱しようとしたが、その懐に、雷光のごとき素早さで寂聴が潜り込む。
存在感が薄い程度では、さとりを開いた寂聴の猛攻から逃れることなど出来ないのだ。
寂聴は超神秘的な仏教パワーを駆使して駒沢を掴むと、渾身の力を振り絞って投げ飛ばした。
描かれる放物線は、明日へとかかる虹の架け橋。
仏道とは投げることと見つけたり。

壁にぶつかる――!
駒沢が死を覚悟した瞬間、

「ぬわーーーっ!」

強い衝撃と共に、彼の背後で悲鳴が上がった。

駒沢「?」

見ると、たまたま近くを通りかかった関口辰夫が壁と駒沢の間に挟まれ、クッション代わりに押しつぶされていた。
関口辰夫は死んだ。

駒沢「ふう、危ない危ない。関口がいなければ即死だったぜ」

寂聴「あらあら、うふふ。命拾いしたわね。
これも運命なのかしら。この戦いが終わるまで、勝負はお預けとしておくことにしましょう」

寂聴は笑顔のままでその場を後にする。
その後ろ姿を見送りながら、駒沢は安堵のため息を漏らす。
彼女が敵じゃなくて良かった。心の底から、そう思っていた。

そしてもう、自分の代わりに死んだ人間のことなど、綺麗さっぱり忘れているのだった。


DSKING/SS 四人目 木下恭介<+2/千尋:「ふつう」の扱いが巧い>

筆:チート会所属デスシャドウ

(これはあくまで二次創作です)

木下恭介は自分の事を「ふつうの子」だと思っている。
彼の中の普通の、その定義がどこにあるかは余人には与り知れぬが、とにかく、木下恭介は自分の事を「ふつうの子」だと思っているのである。
だから、「ふつうの子」である彼がまったく平静と眺めている光景は、「ふつう」の光景だと彼は疑うことすらなく思っている。

ぐちゃぐちゃと生々しい音が響く
悲鳴とも、なんとも区別のできない声が、そこかしこからあがっている
ここは、深夜の繁華街から、すこし外れた裏路地の一角
世間様に余りよろしくないタイプの若者が集うその小汚い広場には普段とは違う「ふつう」の光景が広がっていた

音もなく空間に裂け目が入る。
夜闇よりもなお暗く、光すら吸い込む何かが、その先には広がっていた。
コンクリートの大地を埋め尽くすそのよくわからない「ふつう」の何かが、ねちゃねちゃと音を立てながら
その闇に少しづつ、飲み込まれていく。


――そうして、その「ふつう」のナマモノが、この世界からその容を消し去ったとき
木下恭介もまた、この世界の何処にも、居なくなったのである


播磨千針SSチート会所属<+1/千尋>


ある日午前3時の電話にて
「はいはい♪こちら人体実験・死体の弄びを主業務とする首脳病院のものですが、千針君かな?」
「この電話が糸電話な時点でほぼ確定だろうが。さてここ一週間述べ53回、約38時間のような暇潰しの用件なら流石に回線もう切るぞ?」
「そんなわけ無いよ。今回は仕事よ。仕事。貴方には、チート会・マンチグループ双方の健康診断の手伝いを命じます。」
「で?報酬は幾らだ。」
「内容聞かないの?1G払うつもりだよ。」
「は?健康診断の手伝いで10億?この播磨千針。誠心誠意全力を持って当たる所存です!!」
「良かった。絶対に断られると思ったんだけどね。内容が内容だけに。」
「男に二言はねぇよ。じゃあ切るぞ?忙しい。」
「いやー。千針君冷たい。内容聞いてってよ。」
「はぁ。はいはい。聞けばいいんだろ。」
「うわーい。千針君大好き。でね。内容だけど『T』の実態調査をしてほしいの。」
「最近見飽きているから問題無い。」
「うん。知ってる。近頃のニュース『T』関連多いからね。内容は平時の状態の『T』の長さ太さ固さ皮の量その他諸々の計測してもらいます。」
「はいはい。」
「次に勃起過程の『T』における変化の量・速度を計測願います。」
「ん?壮絶に嫌な予感がするんだが。」
「でね。フル勃起の『T』も平時と同じように計測してください。」
「切ったほうが精神衛生上いい気がするな。これ。」
「そこから射精時の『T』の計測に入ります。主に精子関連の計測をお願いします。」
「このぐらい大丈夫だよな。俺。…OK問題ない。」
「対象が失神するまで繰り返してもらいます。精液は全て回収の方向で。」
「ええ。ここまでなら。ここまでならこの報酬で十分我慢できるはず。」
「そうここからが本題。これを千針君一人で、しかも無許可。こんな特攻じみたことに1Gで乗ってくれるなんて千針君ホントにいい子だね。」
「コトワラセテイタダキマス。」
「この会話録音してあるからキャンセルは無理だよ♪って回線切断済み!?『千針君一人』は冗談だったんだけどしかたないか。『T』のことは本人達に語ってもらうことにしよう。じゃあね~♪」
この後首脳病院で殺傷事件が巻き起こり、播磨千針はジャングルの奥地で発見されるわけだが多くは語らないでおこう。


DSKING/SS 三人目 セバスチャン=ポポルニート<+2/千尋>



面倒。
彼が口を開くと一言目にはそれが聞けるだろう。
流石に、喋ったり息をしたり思考したり生きることすら面倒……いや、彼は吸血鬼のため、滅多な事では殺しきれないのだが
まぁ、そこまで世捨て人ではないけれども、彼はとにかく面倒くさがりやなのであった。

そんな面倒くさがり屋な彼であったが、そんな彼も生活する為には日銭を稼がなければいけないので
こうやって仕事を仰せつかって、ここ――希望崎学園に訪れたのである。

「面倒だ。糸子様と御医様はどちらだろうか」

左手に抱えた日傘をすこし傾けて、彼は目の前にそびえる白い校舎を仰ぎ見る。
右手に持った風呂敷包みの中には、屋敷お抱えの料理人が丹精こめて作った弁当が収められている
使用人である所の彼も、休憩時間中に一口貰ったが、なかなかの絶品であった
だがまあしかし、私は吸血鬼であるので、あの紅く滴る血の味には負ける……いや、嘘です。
人間の口にするものも棄てたもんじゃないな。

「面倒だ。さて、どうしたものか」

目の前には固く閉ざされた校門が見える。
一見まるで檻のようにすら見えるそれには、常人では知覚出来ないだろうが
出入りを封じる微力な結界が張ってあることが張ってあることが見て取れた
彼はしらない事であるのだが、問題児に溢れた希望崎学園。
そういった問題児が徒に学園を飛びださない為に、つい先日こしらえられたものなのだった。
まぁ、結界といっても微妙であるので

「面倒だ。壊せないこともないのだがー」

彼は働くことがとても嫌いである。何故ならば面倒だからだ。
この仕事自体も、適当に済ませて後はサボろうと思ってるくらい、ニート根性が染み付いている彼が
見るからに面倒そうな結界破壊を行うわけはない。
そうして、少しばかり考えた後――彼は、一つの結論に達した。

「面倒だから、諦めよう」

おあえつらえ向きに、手には昼食がある。
太陽の下を散歩するのも、久しぶりだ。折角の休日をゆったりと楽しむか――



その後、雇い主に灰直前にまで追い込まれる彼が、屋敷の一角で見られたという。


DSKING/SS 二人目 榎本和馬<+1/千尋>



「かっくん。試験結果どうだった?」

がやがやと喧騒に包まれた教室内。今さっき返されたばかりの数学の解答用紙を持って、学友の一人が私の所へやってきた。

「ははは。そう、他人の評価を気にするものでもあるまい。若いんだからな」

「何わけのわからない事を言ってるんだよ。さては――」

頭上で嫌な笑い声が響く。見れば、目は薄く細められ、両端に吊り上げた唇の隙間から、白い歯が覗いていた。

「なんだ、その目は。やめろ、その薄ら笑いをやめろ」

私はそう言って、杯を交わし、極道の道に入って三十余年。
その人生の半分以上もの時間をかけて培った眼力で持って睨む。だが――

「凄んでも無駄だって。ふーん。へぇー。ほぉー」

そんな私の視線も受け流して、こいつは笑い続けている。
それは本来の私であれば、酷く不快なものだったが……私は、不思議と心地良かった

「その笑いをやめろっていっとるんだ!」

「わーい。かっくんが怒ったー!」

教室内を包む喧騒が、別の色を帯び始める。
鏡を見ればきっと、私は笑っている事だろう。

この日常を私は、大切にしていこうと思う。
明日をも知れぬ我が身なのだから――


DSKING/SS 一人目 白金茉璃 <+1/千尋>

(あ、記述し忘れましたが、あくまでこれは二次創作です)

夕焼けに紅く染まる空。
希望崎学園の一角、文化部の部室が集まる生徒たちには文芸棟と呼ばれる校舎の三階に、彼女――白金茉璃は居た。
関東一帯の高等学校に存在する吹奏楽部全てを招いた、演奏品評会。それを翌日に控えた、最後の音あわせが終わったところだった。


「ねーねー。この後、どこ行こっか」

友人の一人が楽しそうに言う。厳しい先生の下、長い練習を終えた帰路に、仲のいい友人たちで何処かで時間を潰しながら帰るというのは
この吹奏楽部に彼女たちが入ってからの日課だった。

「うーん。実を言うと、最近私ほら、色々買っちゃったじゃない? ……おかげで、財布がすっからかんでね」

とっても赤貧なんデス……
楽器を片付けている友人が、苦笑しながらそう返した。
そういえば、親が共働きで一日中家を開けてる彼女は、いつもコンビニとかで適当に弁当をかってくるけど
彼女の今日の昼ごはんは、具材もなにもない、自作らしい海苔で巻いたおにぎりが一つだったっけ
てっきりダイエットしてるんだと思ってた。
まぁ、クレーンゲームに五千円もつぎ込んで見たり、今希望崎学園の女子の中でひそかに人気の特大クレープ(なんと三千円也)
なんて買ってたら、当然かな。
……かくいう私も、今月はピンチなんだけどね。それに

「明日は、私たち一年が始めて出る大舞台。風邪なんて引いたらいけないし、今日はやめとこうよ」

そうなのだ。
なんてったって、明日は演奏会。私たちのこの一年の努力が試される日。
そんな大事で素敵な日を前に、何かあったら笑い話にもなりはしないのだ。
私の、そんな提案に、二人は特に異論もないらしく、そうこうしている内に、帰る準備は整っていた。

「そっかー。そうだよねー。明日は演奏会なんだよなー……。それに、茉璃は頑張っていたしね。
 是が非でも健康で清い体で望まなくちゃ!」

何それと笑いつつ、愛用している木刀を右手に持って、私は立ち上がる。
――そして私は、それを感じた。
研ぎ澄まされた……鋭利な刃にも似たその殺気を

「ごめん。急用を思い出したから、先に帰るね!」

左手に鞄をひったくって、私は慌しく教室を飛び出す。




そして、3分後
数年前、生徒会と番町の戦いによってぼろぼろになり、廃棄された旧校舎の2Fの廊下で
彼女はソレと対峙していた。

「名高い白金の剣。是非手合わせ願いたく、参り申した」

えらく古臭い、胡散臭い言動の男がそこには居た。
男はゆったりと両腰に回し、脇に挿していた刀を抜く

――二刀流!

チリチリと、肌を焼くような殺意が空間に満ちていく。
私は鞄を廊下脇に置き、右手に持っていた木刀を構えた。

陽が、落ちる。
夕闇に落ちた校舎。月光の輝きに二人の姿が照らし出される


翌日、演奏会は滞りなく進んだという
そこには、惜しくも優勝を逃したが、満足そうに微笑む白金茉璃が居た。

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