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 食後ふらふら死武専のキャンパスの裏山を散歩してたら、雑木林の少し入り組んだ所で、よく見知った背中を見つけた。
 おねーちゃん、なに半ケツ出しながら茂み覗いてんだ?
 あたしはヒョイと近くの枝に掴まって、逆上がりの要領で身体を枝より上に起こす。
 なんとビックリ、キッド君その人がクロナを後ろから抱っこしてるじゃーあーりませんか!
 ……で、おねーちゃんはアレを出歯亀してるワケね……
 一瞬、情けねーなーと突っ込むセリフが口をついでかけたけれど、それよりオモシロそうな事を先に考え付いたパティちゃんはエラい!自分でよしよししちゃう。よしよし。
 くりん、と枝を降りて(この時点で結構ガサガサ葉が鳴ってるのに気付かないおねーちゃんもどうなのよ)何食わぬ顔で別の道から二人が居るデスシティを見渡せる展望台があるベンチに向かう。
 「ヤァヤァお二人さん、お安くないねぇ!」
 丸虫のように団子状になっている二人を覗き込んで声をかけると、まずキッド君が赤らめていた頬以上に顔を真っ赤に染めて金魚のように口をパクパクさせた。はわ~……か、カワイイ!
 次いでクロナが顔を上げ、疲れたような目をカッと見開いて、同じような顔になった。アハハそっくり!
 「なにそれ、今流行のパントマイムか何か?」
 ベンチにキッド君が座り、その膝の上にクロナが座っているとゆーラブラブな二人をしゃがんで見上げながら、あたしも二人の真似をして口をパクパクさせてやった。
 「こ…っ…これは……ちがっ!違う!違うんだパティ!」
 「そっそうだよ!全然そーゆーんじゃない!全くの誤解なんだ!」
 二人が同時に奇妙なひっくり返った悲鳴を上げたので、あたしはニヤニヤしながら平然と尋ねる。
 「そーゆーのって、ナぁニ? ナ~ニがチガウの?」
 あたしが『ン~?』という風に首を曲げて語尾を延ばした。
 「だっ!だからその!話せば長くなるのだが!決してやましい事を屋外でしているのではないぞ!」
 「ヘー。」
 「そ、そーだよ!ぼぼぼ僕がちょっと体調悪くて!ここで唸ってたらキッドがたまたま通りかかって!」
 「ホー。」
 「そう!その通りだ!クロナが腹痛を訴えて困っていて、そういう時は身体を冷やすのは良くないだろう!? だがあいにく上着の持ち合わせが無く……!」
 「フーン。」
 「で、でだな!この場を動くにも難儀をすると言うからおれが仕方なく……!」
 「なっなにそれ!平気だって言ってるのにそっちが無理やりここに座れって……!」
 「戯け!あんな真っ青な顔でそんな事いわれて捨て置けるか!」
 「なんだよ!僕は痛いの慣れてるし、これくらいよくある事だって言ったじゃないか!」
 「何を言うか!おれが服を引っ張ったくらいでよろけた癖に!大体ここに座った時だって氷のように身体が冷え切っていたんだぞ!」
 二人がギャアギャア言い始めたので、頃合かなとあたしは二人を制する。
 「あー。うん。大体分ったヨ、二人の言い分」
 「……そ、そうか。ならば良かった」
 「うん、だから別に他意はないんだよ、偶然こうなっただけで」
 どうだ、といわんばかりに納得顔の二人があんまり面白かったので、つい突っ込んじゃった。
 「で、お前らいつまでしっかり抱き合ってんの?」
 そう言ったとき、ものすごーく頭に慣れたゲンコツが降って来た。
 「馬鹿だねパティ!もーちょっと待てば面白くなったのに!」





著者コメント


そんな金曜の午後12時半を妄想した。ごめん病院行って来る。