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窓から外を見ると、中庭のベンチに腰掛けるマカとクロナが見えた。
マカが両手をせわしなく動かしながら一心に何かを話し、その横でクロナは笑顔で相づちを打っている。
キッドはそんな二人を暫く見ていたが、ふとちくりと胸を刺す何かを感じ
正体のしれないそれを振り切るように窓から離れ、部屋を後にした。


「中庭に居たな」
なんの事かと手元から顔を上げたクロナは、すぐに放課後の件と思い当たり、隣で書棚から本を抜くキッドを顧みた。
「…うん…。マ…マカに前の課外実習の話を聞いていたんだけど…」
「な、なんで?」
そう尋ねられてキッドは、視線だけでクロナを一瞥し、そのあとおかしな表情をする。
「…ただ見えたので聞いただけだ」
ぶっきらぼうにそう返事をすると手にしていた本を、中を見ることもなく元へ戻した。
クロナはそんなキッドに、自分が何か不味いことを言ってしまったのではないかと不安になったが、
とりあえず手に抱えた数冊の本を書棚へと戻す作業を再開する。
キッドは書棚にもたれクロナの細い指先が厚いハードカバーの背表紙を掴み棚へ戻す様子を見ていた。
その視線に居心地の悪さを感じながら、クロナはすべての本を戻し終える。見計らったようにキッドは声を掛けた。
「クロナ」
機嫌は直ったのだろうか、クロナがキッドを振り返ると、キッドは身体を起こし戸惑うクロナの腕を掴んで
そのまま地下の書庫へ向かう階段を下りて行った。
「ど、どこへいくの?」
無言で進むキッドは、薄暗い地下の書棚の奥、壁配置の変則的な並びの為に出来たわずかな窪みへクロナを押し込むと
壁と自分の腕でクロナを囲む。
困った様に寄せられる眉に、自分を見ようとしない伏せた瞳
わずかに嘆息すると、キッドはその細い身体に身を寄せた。
腰に手を回しさらに身体を密着させると、お互いの体温が混ざり合い、上がってゆくのが判る。
額を合わせるように至近距離で覗き込みキッドはクロナの上唇を軽く吸った。
合図を受けるようにわずかに顎をあげたクロナの後頭部を支えると、顔を斜めにずらし、深く口づける。
すぐに舌を差し込むようなことはしない。重ねた唇を吸うと、小さな水音がした。
キッドが手をあげてクロナの平坦な胸に大きく這わせると僅かに細い身体が戦く。そこは男の胸とは違う僅かに柔らかな感触があった。
掌全体を使って胸を撫でていると、クロナが紅潮した頬を隠すように俯きキッドの肩口に顔を伏せる。
その仕草がなぜだか嬉しく、キッドは自分の中にどんどん熱が篭もってゆくのを感じた。
指先を立ててあたりをつけ、わずかな突起を集中的になぞるとクロナがきつく瞼を閉じ、
しがみついていた少年の上着の袖に力を込める。
「っ、ん」
シンメトリーを愛する彼は手を変えてもう片側の胸へも愛撫を繰り返した。

まるで彼の屋敷の窓に垂れているような重く厚い生地は、この身体がどういう形をしているのか大まかなプロフィールしか
伝えてこない。キッドはその柔らかさを、先日身をもって知った。
初めて知った他人の身体は年齢の割に落ち着きをみせる彼をも夢中にさせて、クロナはもとより、キッド自身も当惑し持てあましていた。
姿を見ると触れたくなる。見えない時もクロナを探し、誰かと共にいるクロナを見ると、今まで感じたことのない感情がわいてくる。
彼は、その感情の名前をまだ知らなかった。
キッドはただ、若い自分の身体が、覚えたばかりの肉欲に流されているだけだと推察していた。

堅く目をつぶるクロナの顎をささえ、わずかに開いた口から舌を差し込むと、柔らかい舌同士が触れあい、甘い唾液を感じる。
舌から身体全体へしびれるような、切ない疼きが広がってゆく。
クロナはキスを受けながら、彼が触れる部分の熱さに、そこで火が灯いているのではないかと考える。そしてそれだけではなく、――。
困ったように一度目を開けて、すぐに伏せられる。それからまたおずおずと視線を上げ、言いにくそうに声をかけた。
「…あの」
わずかにクロナが身じろぐ。
先程から彼のこわばりがクロナの下腹に押しつけられていた。それで、どうにも落ち着かない。
「し…仕方ない。生理現象だ」
やや照れながらキッドがわるびれもせず言った。
拒むことを知らないクロナは恥ずかしそうに伏せた視線を横へ流すと、染めた頬をうつむかせる。
そんなクロナの様子を見てキッドは胸の奥がざわめいていく。クロナをもっと恥ずかしがらせたいと考え、しばらくその赤く染まった
横顔を見ていたが、所在なく両脇に垂らされているクロナの手を掴むと自分の股間へ導いた。
「できるか」
何を求められているのか判って、クロナはさらに顔を深く俯かせてしまう。
だが押しつけられる手のひらにあたる熱に負けて、クロナはためらいがちにキッドのズボンの前をくつろげると
すでに窮屈そうにしている彼のペニスを掴みだし、その白い手の中に包み込んだ。
冷たい掌の心地よさにキッドが瞼を閉じる。
それを見て、クロナは頬を紅潮させた。
相手の感じている様を見て身体が熱くなってくるのは初めての経験だった。
両手で覆い、ゆっくりと上下させると眉を寄せたキッドが熱い息を吐く。
多少の問題はあるが、整った顔立ちと信念を写す強いまなざしが特徴的なこの少年に憧れる女生徒はたくさんいる。
ましてや法と秩序の管理人、次期死神たる血統をもつ唯一無二の少年だった。
クロナは、まるで生気のない貧相な我が身を振り返り、情けなく思い、そして考えることを止めにする。
母親がたびたび連れてくる人間の中にはクロナに興味や同情を抱く人間が居なかったわけではない、そんなこともありはしたが
クロナのあまりの主体性のなさに皆呆れ、やがては興味を失ってしまうのだ。
彼がどうして自分に興味を持ったのか判らなかったが、クロナはこの少年の心もいずれ離れてゆくことが判っていた。
だが今のところキッドのこんな表情を知っているのは自分だけなのだという、初めて抱く優越感に今は酔っている。

「う…」
腰からせり上がってくる快感にキッドは呻いた。クロナがその声に顔を上げ、すぐに赤くなった頬を俯かせる。
さっきみたクロナの白く細い指先が自分のそこへ絡みついているかと考えると、キッドは興奮が過ぎて目の奥が廻るようだった。
腰に廻した手で尻を掴み、胸よりもずっと掴みがいのある肉を手に納めて揉み引き寄せる。
もっと肝心な部分へ触れたいのだが、いかんせんスカートの丈が長くてこの姿勢では裾へ手が届かない。
たぐり寄せたり、引っ張ってみたり悪戦苦闘してみたが、徐々にクロナの手により紡がれる、下半身からの快感が存在感を増し
他のことはどうでも良くなってくる。
キッドは俯くクロナの額にキスを落とすと、顔を上げさせ、唇を吸った。クロナがおずおずと舌を絡めてくる。
それから廻した手で背のラインを何度もたどり、布越しの柔らかな感触を楽しんだ。

「はあっ…もういい、いきそうだ…」
クロナの手を引きはがそうとその手に重ねると、クロナは僅かな躊躇いののち、足下へ跪いて手の中のペニスを咥え込んだ。
「!ク、ロナ…っ」
舌を先端に絡ませ軽く吸い上げ幹を2,3扱くとそれだけで彼は絶頂を迎えてしまった。
「アッく、――っあ、ああ」
彼の吐精したものがクロナの口内へ放たれ、クロナはそれを最後まで受け止めると両目を堅く閉じ、苦労して嚥下する。
それから、彼自身から口を離しクロナはキッドを窺った。
肩をはずませながら、唖然とした表情で見下ろすキッドがクロナの目に映る。荒い息の中彼が口を開く。
「の…飲んでしまったのか?」
「あ…」
クロナは突然弾かれたように後ずさったが、バランスを崩して尻もちをついてしまう。
キッドがあわててクロナを追い、倒れそうな背を支えると、クロナは繕うように話し始める。喉にからんだものが第一声を濁らせた。
「ご…、ごめん、…びっくり…したよね…」
クロナはそうつぶやくと俯く。
「いや、…」
「…よ、喜んでくれると思ったんだ、ごめんね…」
クロナの言葉にキッドはショックで返事を返すことができなかった。
叱られた犬のように身を縮め唇を噛むクロナに、キッドは自分の身を繕うと膝をつき再びその背に手を添える。
驚いたのは確かだが不快ではなかった。それをどう伝えようか考えたあげく、俯くクロナを覗き込む。
「…ああ、悪くない」
それだけ言って、キッドはクロナへ顔を寄せた。
「ま、待ってキッド」
クロナが何を気にしているのか判っていたが、構わずクロナへ唇を重ねる。
自分の出したもののにおいがしたが、舌で丹念に粘膜をつたい、それを共有した。
何とはなしに感じていたことだったが、クロナはこう言ったことに慣れている。それもかなり。
他人が怖いクロナが自らそんなことをするとは考えられない。あの母親の元で今までどんな暮らしをしてきたのか想像に難くはなかった。
キッドは腕の中の細い身体を抱きしめながら、
初めて芽生えた感情の所在と、これからクロナに自分が何をしてやれるのかを考えていた。









著者コメント

以後気をつけます。つーかテコキで寸ません