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 だじだじだじだじタイルに湯がたたきつけられる音が響いている。
 排水溝に吸い込まれていくぬるま湯がゴポゴプうるさい。
 痣だらけ傷だらけの細い身体にシャワーを当てると少しだけ呻くように声を上げた。
 「……痛むか?」
 目に力がない。当然だ、二時間もひっきりなしに嬲られたのだから。
 血と白濁液のにおい。髪にへばりつく誰かの唾。おぞましくて力任せに髪を洗う。
 白い肌に黒い斑点。
 こいつの血は黒いから。
 シャワーで流して何度もボディソープだらけのスポンジで擦った。匂いが嫌だ。跡が嫌だ。感触が嫌だ。
 出来ることなら全てを上書きしてやりたい。
 自分の持てる全てを使って。
 だがこいつにとってそれは更なる苦痛でしかないのだろうなという事が容易に想像できるので黙っている。
 「他にどこか、洗って欲しい場所はあるか?」
 力のない唇は動かない。
 潤む目を見ているのが辛い。
 いっそ逃げ出したくさえある。
 「……からだ、ぜんぶ、あらって……」
 微かに声が聞こえた。
 まるで迷子の子供の泣き声みたいじゃないか。
 「髪も歯も身体も既に8回洗っている。これ以上こすると皮膚が擦り剥けてしまうぞ」
 「からだのなか」
 僕は汚い、とかすれる声が聞こえたと思ったら、啜り泣きがそれに続いた。
 「もうマカにあわせる顔がない」
 もう尽きたかと思っていた涙が、大粒の涙が腕の上に降ってくる。
 だじだじだじだじタイルに湯がたたきつけられる音が響いている。
 排水溝に吸い込まれていくぬるま湯がゴポゴプうるさい。
 痣だらけ傷だらけの冷えた身体にシャワーを当てると、クロナは呻くように声を上げた。






著者コメント

 >>630 こうですね。わかっていました。