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キッド×クロナ030」(2009/04/14 (火) 05:40:59) の最新版変更点

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『わぁ……桜って、綺麗だね……』 『ん、あぁ、そ…うだな』 ザァッと風に散らされる薄紅色の花弁の舞の美麗さに、クロナは ゆっくりと目を細め、その様子を夢見心地の様相で追っていた。 問いかけに、キッドの「心ここに非ず」といった色を感じ取ったクロナは、 桜の花びらのダンスから視線を外し、隣に座している死神の息子へ 不安げな目を向けた。 『…キッド、ご、ごめんね。つまんないよね…ボクと一緒なんて。  物凄い…罰ゲームみたいなものだよ、ね……』 『勘違いするな』 被されるように即返された言葉の強さに、クロナは思わず息を飲む。 ―――怒ってる? ふとそんな風に感じたクロナを余所に、キッドの言葉が続いた。 視線だけは動かさず、――桜の花の流れを追って。 『この桜の花の色………それがあまりにもお前の髪の色と  近しいから、そのだな、目を奪われてて生返事になっただけだ』 『…えっ』 『クロナと共に過ごせるだけで、俺はどうにかなりそうなくらいなんだ。  だから、そんな風に自分を貶めるな』 ―――ポロポロポロッ! 『な…! お、おいどうした? 俺が何か変なこと―――』 音もなく大粒の涙をこぼしたクロナを見て、キッドは狼狽し、 あたふたと焦りを見せたが…… クロナは返事の代わりに大きく首を左右に振った。 『違う。嬉しかったから、胸がきゅーっとなって涙がね……』 ボク、おかしいよね? と頬を紅潮させたまま泣き笑いの表情を 晒す。その複雑な心情を示した顔に、キッドの理性は一瞬で 彼方へ追いやられた。 『キッド……? んむっ?!』 いきなり唇を奪われる。素早い展開に混乱しかかりながらも抵抗しようと する腕を抑え込まれ、熱く鋭い舌がクロナの口腔を侵し始めた。 夜通し場所取りで座っていただけの二人の体は、痛みを伴いかけるほど 冷え切っていたが……合わせられた粘膜の接触から紡ぎ出される 背徳と快楽の行為で徐々に高められていく。 闇が薄くなり、東の空の端に仄かな光明の気配。 その明るさから逃れるよう、隠れるように桜の幹に体躯を預け、 深く甘いキスが続けられていた。 『…ん、…っ キ、キッ…ド……ぷあ…っ』 不躾に顎をつかみ、強引に割り開かせた瑞々しくもまだわずかに蒼い唇をゆっくり舐め取り、その奥に控える小さな舌をも味わい始めた。 背中に感じる冷え切った幹の温度が、クロナの火照った体を 良い具合にクールダウンしてくれる。 気がつくと、細くしなやかな腕は更なる悦を追い求めるように キッドの背中を這い回り、やがてしっかりと縋った。 夜明けの風が吹く。激流の川が発する迸りを思わせる、騒々しくも艶っぽい桜の散華が幼いつがいを狂おしく包む。 途切れることのないその音の狭間、未熟な性を貪り合う水音が微かに織り込まれて羞恥を撒き散らす。 『……は…っ、はぁ…っ、』 ねぶり上げられる快楽に身を任せ、蕩けた瞳でキッドを見つめるもわずかに視点が揃っていないクロナ。息もすっかり上がり、キッドから刻まれた、体液すべてを交換するのではないかと危惧するほどの濃厚な口づけの余韻に浸っていた。 ふ…っと息をつくと、またしても難しそうな顔をしているキッド。その強張った表情がクロナの瞳にも写り込んで、少女の心を再度不安に駆り立てていった。 『…あ、あの…?』『動くな、じっとしてろ』 ビクッ! 強めの口調に思わず目を瞑り、肩をすくめる。 ――――――時が停止する―――――― 『………?』 淡い薄桃色の髪の毛の先、わずかに触れられる感触。おずおずと目を開けると、髪と同じ色の小さな花弁を指に摘んだ、愛する人の、笑顔。 『ひとつ、お前の頭に載っていた。左右対称を崩していたから取った。…それだけのことだ。……これから先、お前に降りかかるもの、俺がそれらから全て守ってやる。俺の一方的なわがままだが受けてくれると……嬉しい』 バニラアイスに蜂蜜とザラメ、さらにはカラメルソースとコンデンスミルクをたっぷりぶちまけて混ぜ込んだような甘すぎる告白。 その甘さがまた、宝玉の涙を呼び覚ました。 言葉にならないクロナの細い体躯をしっかりかっちり抱き留め、寄り添う箇所の体温を心地良く感じながら、二人はいつまでもそのぬくもりを享受し続けていた。 白んだ早春の空と、咲き乱れる桜花に見届けられながら。 #back(left,text=前ページへ戻る) ---- 著者コメント <元ネタレス> 484 :名無しさん@ピンキー:2009/03/24(火) 22:19:19 ID:??? キックロお花見エッチが見たい みんなでお花見することになって運悪く?場所取り係りになった2人 夜明け前の桜の木の下で寒がるクロナたんをくちゅくちゅして暖めてあげる息子さん 改行多すぎ。と注意されて四苦八苦して投下しますた。 エロ突入なくてサーセン。 お花見の時には、何で目が腫れてるのかとか突っ込まれて 真っ赤っ赤になるキッドとクロナ萌え。 ----
『わぁ……桜って、綺麗だね……』 『ん、あぁ、そ…うだな』 ザァッと風に散らされる薄紅色の花弁の舞の美麗さに、クロナは ゆっくりと目を細め、その様子を夢見心地の様相で追っていた。 問いかけに、キッドの「心ここに非ず」といった色を感じ取ったクロナは、 桜の花びらのダンスから視線を外し、隣に座している死神の息子へ 不安げな目を向けた。 『…キッド、ご、ごめんね。つまんないよね…ボクと一緒なんて。  物凄い…罰ゲームみたいなものだよ、ね……』 『勘違いするな』 被されるように即返された言葉の強さに、クロナは思わず息を飲む。 ―――怒ってる? ふとそんな風に感じたクロナを余所に、キッドの言葉が続いた。 視線だけは動かさず、――桜の花の流れを追って。 『この桜の花の色………それがあまりにもお前の髪の色と  近しいから、そのだな、目を奪われてて生返事になっただけだ』 『…えっ』 『クロナと共に過ごせるだけで、俺はどうにかなりそうなくらいなんだ。  だから、そんな風に自分を貶めるな』 ―――ポロポロポロッ! 『な…! お、おいどうした? 俺が何か変なこと―――』 音もなく大粒の涙をこぼしたクロナを見て、キッドは狼狽し、 あたふたと焦りを見せたが…… クロナは返事の代わりに大きく首を左右に振った。 『違う。嬉しかったから、胸がきゅーっとなって涙がね……』 ボク、おかしいよね? と頬を紅潮させたまま泣き笑いの表情を 晒す。その複雑な心情を示した顔に、キッドの理性は一瞬で 彼方へ追いやられた。 『キッド……? んむっ?!』 いきなり唇を奪われる。素早い展開に混乱しかかりながらも抵抗しようと する腕を抑え込まれ、熱く鋭い舌がクロナの口腔を侵し始めた。 夜通し場所取りで座っていただけの二人の体は、痛みを伴いかけるほど 冷え切っていたが……合わせられた粘膜の接触から紡ぎ出される 背徳と快楽の行為で徐々に高められていく。 闇が薄くなり、東の空の端に仄かな光明の気配。 その明るさから逃れるよう、隠れるように桜の幹に体躯を預け、 深く甘いキスが続けられていた。 『…ん、…っ キ、キッ…ド……ぷあ…っ』 不躾に顎をつかみ、強引に割り開かせた瑞々しくもまだわずかに蒼い唇をゆっくり舐め取り、その奥に控える小さな舌をも味わい始めた。 背中に感じる冷え切った幹の温度が、クロナの火照った体を 良い具合にクールダウンしてくれる。 気がつくと、細くしなやかな腕は更なる悦を追い求めるように キッドの背中を這い回り、やがてしっかりと縋った。 夜明けの風が吹く。激流の川が発する迸りを思わせる、騒々しくも艶っぽい桜の散華が幼いつがいを狂おしく包む。 途切れることのないその音の狭間、未熟な性を貪り合う水音が微かに織り込まれて羞恥を撒き散らす。 『……は…っ、はぁ…っ、』 ねぶり上げられる快楽に身を任せ、蕩けた瞳でキッドを見つめるもわずかに視点が揃っていないクロナ。息もすっかり上がり、キッドから刻まれた、体液すべてを交換するのではないかと危惧するほどの濃厚な口づけの余韻に浸っていた。 ふ…っと息をつくと、またしても難しそうな顔をしているキッド。その強張った表情がクロナの瞳にも写り込んで、少女の心を再度不安に駆り立てていった。 『…あ、あの…?』『動くな、じっとしてろ』 ビクッ! 強めの口調に思わず目を瞑り、肩をすくめる。 ――――――時が停止する―――――― 『………?』 淡い薄桃色の髪の毛の先、わずかに触れられる感触。おずおずと目を開けると、髪と同じ色の小さな花弁を指に摘んだ、愛する人の、笑顔。 『ひとつ、お前の頭に載っていた。左右対称を崩していたから取った。…それだけのことだ。……これから先、お前に降りかかるもの、俺がそれらから全て守ってやる。俺の一方的なわがままだが受けてくれると……嬉しい』 バニラアイスに蜂蜜とザラメ、さらにはカラメルソースとコンデンスミルクをたっぷりぶちまけて混ぜ込んだような甘すぎる告白。 その甘さがまた、宝玉の涙を呼び覚ました。 言葉にならないクロナの細い体躯をしっかりかっちり抱き留め、寄り添う箇所の体温を心地良く感じながら、二人はいつまでもそのぬくもりを享受し続けていた。 白んだ早春の空と、咲き乱れる桜花に見届けられながら。 #back(left,text=前ページへ戻る) ---- 著者コメント <元ネタ部分> 484 :名無しさん@ピンキー:2009/03/24(火) 22:19:19 ID:??? キックロお花見エッチが見たい みんなでお花見することになって運悪く?場所取り係りになった2人 夜明け前の桜の木の下で寒がるクロナたんをくちゅくちゅして暖めてあげる息子さん 改行多すぎ。と注意されて四苦八苦して投下しますた。 エロ突入なくてサーセン。 お花見の時には、何で目が腫れてるのかとか突っ込まれて 真っ赤っ赤になるキッドとクロナ萌え。 ----

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