EquilibriuM

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Sagas


優れた作品は、時として絶望と破滅を生む。

サリエリはモーツァルトの才能に嫉妬し、彼を毒殺しようとしたという説がある。モーツァルトの優れた作品によって、サリエリは絶望の淵へと落とされたのだ。

漫画「コミックマスターJ」において、究極の漫画「JUDGES」は そのあまりの傑作さ故に、世界を破滅へと導いた。優れた作品は核兵器以上の破壊を齎すのだ。

しかし私が思うに、世界を滅ぼしうる作品というものがあるとしたら、それは「漫画」ではなく「音楽」なのではないだろうか。何故なら、漫画は結局は読もうとする人間にしか読ませられないからだ。過去発売されたどれだけの名作・話題作であろうが、それを読んだ人間よりも読んでいない人間の方が遙かに多い。しかし、音楽は強制的に人に聴かせる事が可能である。テレビやラジオで流させればいい。大きなスピーカーを大量に用意してあちこちの街中で鳴らせばいい。車に載せて走り回ればいい。そうすれば人類の大半の耳に入り、世界を絶望で覆い尽くす事ができる。

そしてさらに言うならば、恐らく「世界を滅ぼしうる音楽」というものは、「笛」あるいはそれに類した管楽器が重要な要素となるものではないかと思う。かの諸星大二郎は作中に於いて稗田礼二郎の口を借り「『古事記』には神話以上の真実がある」と言わしめたが、同様に聖書やエッダにも神話以上の真実があるのかもしれない。ヨハネの黙示録によれば世界の終末には黙示録のラッパ吹きが現れ、北欧神話においては神々の黄昏ラグナロクはビフレストの門番ヘイムダルの角笛で始まる。クトゥルフ神話においても無定形のフルート奏者が異界の象徴として現れる。終末と笛には切っても切れない関係があるのだ。これは某有名 SF 作品にあるように、人類がその終焉の時という未来の記憶を無意識下に持っているのかもしれない。

さて、本題であるドイツのヴァイキング/フォークメタルバンド、EquilibriuM の 2nd「Sagas」だ。1st「TURIS FRATYR(神々の紋章)」を聴いた人は理解している事だろうが、このバンドは笛を多用している。1st の #5「Widars Hallen(雷鳴轟く大地)」などは笛が爆裂激走する超名曲である。この曲を聴いた時、私はこのバンドこそが終末の笛を鳴らす者ではないかと思ったものだ。

しかし、この 2nd では笛があまり活躍しない。笛を使っていないわけではないが、1st のようにそれが主役として激走したりはせず、裏方としての仕事が中心となっている。…では、このバンドは終末を齎す者ではなかったのか?否、ヨハネの黙示録にしろ北欧神話にしろ、笛吹きは終末の序盤に現れるものであり終末の主役ではないのだ。お解りだろう、終末は 1st が出たその時から始まっていた筈なのだ。そして、終末の第二幕は EquilibriuM の 2nd「Sagas」によって始まるのだ。

しかし、結局「TURIS FRATYR」「Sagas」が世に出ても世界は滅びようとはしていない。何故か?…前述の「コミックマスターJ」では、未来を知った主人公Jは「世界を滅ぼすほどの史上最高の傑作」を「ただの傑作」に過ぎなくさせるために、それと同レベルの作品を作り出せる漫画家を生み出すべく活動をしていた。恐らくはそれが現実に起きたに違いない。EquilibriuM「Sagas」が世界を滅ぼす事を知り、それを防ぐべくメタル界の発展に力を注いだ人間がいたのだ。そしてその活動は成功し、EquilibriuM「Sagas」は傑作ではあるが世界を滅ぼすほどの相対的傑作ではなくなったのだ。そんな人知れずこの世界を救った「メタルマスターJ」の事を、我々は忘れてはならない…

…さて、絶賛している割に音楽面にまったくと言ってよいほど触れていないレビューもどうかと思うので少しは書きますが、しかし敢えてここは #13「Mana」に限って書こうと思います。

この「Mana」、16分にも及ぶインスト曲です。非常に長いインスト曲、それも最後の曲となると Korpiklaani の「Korven Kuningas ~森界の王」の悪夢(ひたすら太鼓が同じリズムで鳴り続けるだけ)が思い起こされるわけですが、この「Mana」は違います。これほどの長さでしかもインスト曲だというのに、全編に渡って展開が素敵すぎてまったく飽きません。特に 6:00 あたりからの展開が神。「Mana」以外も素敵な曲満載なんですが、最後の最後にこの曲にすっかりやられてしまいました。そんなわけで、フォークメタル好きなら絶対買うべき一枚です。

レビュー:猫と重金属


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