Dragons Of The North
以前「ヴァイキングメタルは『勇猛系』と『渋い系』に分けられる」的な事を書きましたが、はっきり言って、疾走曲中心の『勇猛系』だけを聴いて「ヴァイキングメタルいいねー」とか言っている人はまだヴァイキングメタルの中に足しか踏み入れていないのです。『渋い系』を聴いて、その疾走曲とは正反対の演歌並に渋い曲の数々に魂を震わせられるようになって初めて真のヴァイキングメタラーになれるのです。
そんな『渋い系』の代表と言えるのがこのノルウェーの EINHERJER です。「エインヘリヤル」などと読みます。「EINHERJER」を「エインヘリヤル」と読むだけでも難しいですが、その上ロゴが拘りすぎているので「EINHERJER」と読み取るだけでも困難という二重苦です。ちなみに「EINHERJER」とは、戦いの中で勇敢に死に 戦乙女（ヴァルキリー）に戦士の館（ヴァルハラ）へと招かれた『神々の戦士』の事です。真のヴァイキングメタラーはもうこのバンド名を見ただけでよだれダラダラです。
この 1st「Dragons Of The North」、もう全曲とも渋さ全開で、疾走曲なんぞ一曲たりともありません。しかし随所に真のヴァイキングメタラーならば思わず斧を手に大海原へと飛び出したくなるような素敵メロディが仕込まれています。特に #2「Dreamstorm」が渋い系ヴァイキングメタルにおける名曲中の名曲です。1:18 や 4:00 からの展開は、もうこれに燃えなければ戦士ではない！というくらいの素晴らしさです。いやまぁ私は戦士じゃないですけど。
レビュー：猫と重金属
