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母が戻らなかった夜、当然のように父もどってきませんでした。
父は日ごろから家には戻らず、戻ってきたときは母とケンカを繰り返すだけでした。

夜になっても帰らない両親。その中でポツンと姉が兄と僕に言いました。
「昨日の夜、なんとなく目が覚めたとき、お母さんが私たちの顔を泣きながら
 じっと見ていたの。起きちゃいけないと思って、寝たフリをしていたけど、
 お母さんは一人一人の顔をじっと見ながら、泣いていたの。
 やっぱり……。お母さんは今日出て行くことを決めてたんだ。」

兄もそれに気が付いていたそうです。年の離れた姉と兄は、今日起こる出来事を
知っていたかのようでした。

母はこの辛い毎日から抜け出すため、胸が張り裂けそうな葛藤の中、僕たちを置いて
旅たっていきました。

ただ、僕だけはそのとき、何も理解していませんでした。