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その日の昼、僕が学校から帰ってくると、僕の顔を見た後、いつも足代わりにしていたス
ーパーカブに乗って母は出かけて行きました。
「ちょっと出かけてくる」と言った母に対し、僕は何故か

「お母さん!お母さん!」

と叫びました。
今思い出しても、何故叫んだのかはわかりません。ただ事実として、母はそれっきり家には
戻ってきませんでした。

僕は寂しさというより、不安のあまり母を捜しはじめました。
母がよく立ち寄って世間話をしていたお店、行き着けの美容院、知り合いの家などをまわり、

「お母さんはきていませんか?」

と聞いてまわりました。でも、母はみつかりませんでした。今思えば、小学4年生が探せる
範囲など、たかが知れています。しかし、母を捜すために町の中を疲れきるまで歩きました。

夕方になり、姉と兄が帰ってきました。母が帰ってこないことを伝えると、帰ってこないこ
とを知っていたかのようでした。