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京とみな 605

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605 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 本日のレス 投稿日:2006/09/27(水) 20:22:48.37 hTD30go+0

じゃぁお言葉に甘えて

───────────────────────────────

愛用の自転車にチェーンをはめると、とりあえず気付いていた問題を片づけることにした。
下手に留守番中に電波を拾うもんじゃぁないね、もう7時過ぎだ。

「さぁ~て、出て来な。」
「うらぁッ!」

と、何をどうしたのかは知らないが高さ2メートルのお隣との塀を乗り越えてそいつが出て来た、なんか溜めながら。
当然の如くというか当然それを避ける、痛そうだし。
しかしそれで終わらなかった、着地しながらスカッた勢いを逃さず更にこちらに飛翔して来やがる。
(この女なら容赦は要らんか)
半身を引き・・・相手の拳を狙い・・・・全身の力を乗せた拳撃で突き飛ばす。
いい感じに相手は駐車場の端に吹っ飛んでいった。
うん、満足満足。



606 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 本日のレス 投稿日:2006/09/27(水) 20:24:27.71 hTD30go+0

「よう、みな、相手が悪かったなw。」
「そういうこと言いながら『w』とか付けないでよ、うわ、なんかこれ痛いよ。」
「いや、『うらぁッ!』とか叫びながら何かの如く湧く女に言われたくねぇよ。」
ムスッとしながら立ち上がったのは最悪のお隣さん、梶原実菜都。呼び名はみな。
何が最悪って、性格がである。
「だって京パパが言ってたじゃん
『そうだなぁ、ちび京に勝てたら認めてやるよ』
                     だろ」
実菜都に重ねてぼやいてみる、これは遙か昔に酔ったうちの親父が行った演説より抜粋だ、なんでも完遂すれば漢として認められるらしい。
そんなこんなで俺、廣瀬京也はかれこれ13年間こいつに背後を付け狙われていた。単細胞生物なのである、こいつは。
まぁ常識という物を理解したここ数年は収まった傾向にあるが・・・。
「で、用件はなんじゃらほい。」
「ん・・・それはね。」
妙にごもる、そういえば最近様子がおかしい。
思春期独特のアレのナニかとは思っていたが、こうして対面してやられるとなぁ。
「とりあえず中入ろうぜ、コーヒーでも飲んでゆっくりしようや。」
「うん、・・・だね!おじゃましま~」
(いきなりここで先行して人の家に入るのかよ)

気付いていなかった『・・・』に妙な決意が込められていた事に。



607 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 本日のレス 投稿日:2006/09/27(水) 20:27:25.29 hTD30go+0

「ヒャッハーイ!」とか「ファッホー!」とか
そんなかけ声を背で受けながら淹れたコーヒーを差し出すと、とりあえずは実菜都を落ち着かせることができた。

「何故暴れる?」
「ほら、壁にマシンガンがあったら、ねぇ?京パパママは遠征中だっけ?」
「・・・・まぁわからんでもないが。どちらも旅行だよ、父さんだけ仕事だから明日来るとか・・・で、何をそんなにもじらもじらと?」
一拍、目線を明後日に向けてから答えは、
「ほら・・明後日・・・京の誕生日・・・でしょ・・・」
「その話か。」

性転成身体異常、要は性別が変わってしまうというお話である。
なんでも一定年齢までの童貞を理由に身体が『男性』に見切りを付け、より子孫繁栄の可能性のある『女性』に変化してしまうそうなのだ。
その大まかなタイムリミットが17歳の誕生日、すなわち明後日である。
ちなみに自身の起爆装置解除の目処は─────立っていない。
それなりの回避システムがあるにはあるが、漢たる者、自分の(ryと以下延々熱弁垂れたのはうちの親父、決して許しはしなかった。
そして、この東京マルイ製MP5を2丁流にして振り回していた女だ。
俺は美奈都が好きだった、愛おしかった、何よりも。
でも、その気持ちを伝える事は不可能だった、この関係を壊してしまうかも知れない。怖い。
故に、ほかの女子との関係なんぞもってのほかと考えていた、親父譲りの頑固さの見せ場であった。ま、それについては美奈都自身が防波堤になっていたのだが。
ともかく、今はこいつをなだめる必要があるか。


608 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 本日のレス 投稿日:2006/09/27(水) 20:30:28.27 hTD30go+0

「んな心配事か。それはだな、なんでも『なる』ときには前兆的なもんがあるらしい、その間にヤッてしまえば問題ない、と。」
「そ・・・そうなんだ。じゃ、じゃ今は・・・・」
「特に何ともないよ、なんとかなるべ。」
「そ、そっか。でも、なっちゃうときはなっちゃうんだよねぇ。」
「そだなぁ・・・・困ったなぁ。」

悩みの種、というか漠然とした問題にぶち当たり口を紡ぐ。
何でも女性化すると趣向まで変化するとかなんとか、困る。それは困る。

「その・・・なんだけどね。ぼ・・僕で良かったら・・・相手に・・・」
「ぶうはっ・・げっううぅぇぇ。いきな・・なに・・・げふぇ。」
「飲んで多量と噴いた量矛盾してない?」
そう来られたか。
「あのね、小学校のときに学校で聞いてからずっと『京の相手は僕だけだって』ずっと、ずっと。」
「と、ともかくだ、そういうことは軽々しく言うんじゃねぇ。わかったら帰って寝れ。」
「軽くないよ!むしろ重いよ!ずっと前から京のことが・・・好きで・・・好きで・・それで。せぇぇぇぇいやぁぁぁぁ!!」

突然のタックル、そして紅潮しきった美奈都の顔が迫り。
キス。
マウントポジションからの、むさぼられるような感覚のキス・・・これって野郎がやる事じゃね?
しかし何かは吹っ切れさせられた、隠していた感情は表に出て来た。


609 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 本日のレス 投稿日:2006/09/27(水) 20:33:48.02 hTD30go+0

「ああそうさ!俺だってお前がなぁ、好きでたまらないんだよ。だからなぁ、無理なんだよ。」
「好きならヤばいいじゃない!それでねぇ、僕はねぇ、京のお嫁さんになってねぇ、毎日殴ってねぇ。」
「だからッ!好きだからできねぇんだよ!断じて断る!」
「そ、そんなぁ、いいの?女になっちゃって?あれだよ?速攻で倒しちゃうよ?」
「ま、待て、発狂するな。落ち着け・・あ・・あれ。」
「やだよ、僕は!そんな殴りがいのない京は!」
「やめ・・・からだ・・重・・」

なんだ・・・身体が・・・熱い?何故、美奈都はにんまりしてるんだ・・・・?

「だから、毒、もとい媚薬を盛ったんだよぉ。」
「きさま・・・後で・・・絶対、うわぁ」
にへらにへらと笑う美奈都にソファーへぶん投げられると、もう身体は動かなかった。ちくしょう。
「これ結構きつくてさ、僕も飲んじゃったんだけど、えへ、なんかね、すっごいの。」
(ああ、なんでお前はもう全裸なんだ・・・。うわ、ズボン脱がすな・・・)
「う~ん、期待してたよりちっちゃめだけど今後に~ってやつだね。今日は許しておくね。」
媚薬の感覚には慣れてきたが、動くのは無理だった。美奈都がモノをくわえはじめた。童貞が女の舌使いに敵う訳がなかった。
「ふふ~ん、やってみるもんだねぇ。じゃぁ、いただきま~す。」
美奈都が覆い被さって・・・身体が・・・包まれて。
「ふへぇ・・・入った。いったぁい。」
接合点から赤い液体が流れるのが見えた、無茶は承知の上か。
「じゃ、動かすね。」
ヤツは痛覚が麻痺してるのか、そのまま動き始める。
「うぅわ・・あんまり強く・・動かす・・ひぃゃぁっ!」
「ああぁ・・・京のが・・中で・・こすれて・・・いいよぉ・・・」
「もう・・・持たないぃっ!」
美奈都が「はうっ・・・」と引きつる、俺はこいつに中で果てた。なんだ、ぼーっとしてきた・・・。
「これで京は僕の物。」

そう言って、『にまぁっ』と笑う美奈都の顔を見ながら俺は気絶した。

614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 本日のレス 投稿日:2006/09/27(水) 20:46:16.03 hTD30go+0

「ふぅ・・・、おは・・」
先に目覚めたのは美奈都だった。
床に転がった戦利品を見見て満足なような恥ずかしいような気持ちでいっぱいになる。
勝利のバルカンパンチを乱射していると外から爆音が聞こえてきた、この家の主、廣瀬京介のお帰りである。
流石にこの格好は不味い、慌てて服を着て戦利品の下半身も隠して・・・と、ちらりと目に入った股間に違和感を感じ。

「なんかおかしいような。」
(──────ッ!)
「ただい、うわっ。なんだ、遂にやられたか京也。夜襲でも・・・ん?」
「京パパ、男の人にその・・なんていうか、その・・子供を産むための機能は付いていないよね?」
「だな、どうした?」
「これ・・」
京介がのぞき込む。
「どう見ても女性器、いわゆるお○んこだな・・・ああ息子よ、お前はついに。」
「・・・・うそだ・・・童貞奪ったはずなのに、戦利品なのに・・・」
「なに?」
「先月から画策して・・・、タックルから・・・馬乗りギャラクティカの要領で・・・・毒殺・・・」
「ちょっと待て、詳しい話を聞こうか」
「んあっと、昨日の夜~~~~で、今朝。誕生日は明日だよね、ね、ね?元に戻るよね?」
「な、なるほど。とりあえず・・・病院だ。おい、起きろ。」
『ドゥハァッ!』という鈍い音が響いた、拳が上から振り下ろされたのに京也の身体は10cm跳ね飛んだと描写しておく。

「あ・・父さんおはよう。おみやは?ん?みな、み・・・ってぇんめぇこのやろぅぐぁああああああああ」
と盛大にこける、ズボンが下げられっぱなしだった。
いつもと変わらない感じなので安心・・・できないよ。
「便所に行って自分のナニの後ろを見てこい、話はそれからだ。みなちゃん、付き合ってくれるな?」
当事者はトイレに入る、僕はため息を付く、で数十秒後。
「ぎにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
J・P・ポルナレフを乗せた改造車が病院へと駆けていった。


615 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 本日のレス 投稿日:2006/09/27(水) 20:49:53.90 hTD30go+0

運が悪かったらしい。
他の人なら女性化の際に兆候として体毛が減ったり体脂肪が激変したり。京也にはそれがなかった、元々そういう体質だったのか。
男に戻る事は不可能とか、既に睾丸が機能していなくて子宮が完成していたとか、そんな事を頭の中でリフレインさせながら自室でベッドに潜っていた。
身体器官が変化していく甘痒い感覚は、それこそ陵辱という単語がぴたりと当てはまった。認めたくなかった、変化していく自分を。

「入っても・・いい?」
どぞ、と小声で返すと、入ってきたのは美奈都だった。
ベッドに腰掛けたのは気配で分かったが、それから口を開くことはしなかった。大まかなことだけは親父から聞いているはずだったので簡潔に伝えることにした。
「2~3日だって、それで全部終わるって。安静にしてろって。」
「そ・・そう、あの、ごめん。もっと僕が早く襲ってたらこんな事。」
「黙れ。」
そうだ、黙ってくれ、謝らないでくれ、悪いのは俺なんだ、お前を後悔させたのも俺がびくびくしてて・・・。
「帰ってくれ・・・もう、いいよ、俺大丈夫だから。」
「うん、とりあえず顔色だけでも見せてよ。」
「やめてくれ。」

変化を人に見られるのが怖かった。っというか自分でも見るのがいやだった。
それは緩やかな物だとは聞いていたが、もし違うと言われたら、変化を指摘されたら・・・。

「あぁったくもう。」
背後で膨れあがる殺気、本能的に構えを取る。
「おりゃぁ!おりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃうりゃぁ!」
「ちぃ、無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄むぅだぁうわぁ」
慣れたラッシュのぶつけ合い、だが身体が上手く動かない・・・・。
結果はじき飛ばされ、対面する形となる。
目の前にはぽかんとした美奈都の顔、そして、一言。

「これはこれでいいかも。」

618 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 本日のレス 投稿日:2006/09/27(水) 21:04:26.34 hTD30go+0

「ふぇ?」
「もう顔とか、女の子っぽく。あ、これいいいねぇ、いいよ、正に戦利品だよ。」
ぺたぺたと顔を触られ、頭を撫でられ。あれ?なんか変な。
「中身は京だもんね、うん、問題なし。いろいろ楽しみが増え・・・ん?何その目は。」
「いや・・・」
なんだこいつは、何を喜んでるんだ、そんなに人を小馬鹿にして楽しいのか・・・?
「だって京は京でしょ?なんか中身まで変わっちゃう人とかがいるって聞いてたから、それだけ心配してたの。」
「そんな事か。それは変わらんさ、俺は俺だ。でも、でも。」
「いいじゃん。女の子で、これから更に変化するんでしょ。それは、それで、食べ応えが。」
最後の一言がやけに引っかかったが。
「そか、みなにそう言ってもらえるとなんだかな、気まずいな。だがもう帰って寝れ、いい時間だろうが。」
一言で言えば安心できた。『この』俺でも認めてもらえた、またこいつと馬鹿ができる・・・うれしい・・・
「えへへ。じゃ、またくるね。う~んいろいろ調べ物もあるし。」
「何かあったのか?」
「ん?女の子の食べ方。」
「身体が安定したらいっぺん死なすと予告しよう。」
「戦利品にいわれたくないよ、それに女の子の身体で僕に勝てるかな?あ、それと・・・・誕生日おめでとう。」
時計は12時過ぎを指していた。

fin
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