中野翔の日記(7) ◆Zsc8I5zA3U

    

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930 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 02:59:32.12 qwWdB8Oe0

さて、最後にして最大の障害を切り抜けた俺たちはそのまま家族としての日常を余すところなく過ごしていた。希も何か吹っ切れたのか勉学と体術の
強化に励み、翌年の高校3年生の冬・・見事に主席で大学合格を果たした。また、家では家事を率先してやっていたので料理とかも格段に腕を上げており、より完璧超人の名を
欲しいままとしていた。道場では内藤の息子と会うのだが、内藤の息子は一応一通りには形になっているものの、いつも希にやられていた。しかし、この2人・・どことなくいい雰囲気だな。
まさか・・俺に隠れて付き合ってるんじゃないだろうな!!恋人までは一応許しておくが、その先になったら俺は許さんぞ!!

しかし・・そんな俺の想いも思わぬ形で砕け散ることとなる。


それは、希が大学2年の中頃に差し掛かった頃、俺らと内藤夫妻は希たちから㌧でもない事実を突きつけられる事となった。希は重たい口調で俺らに驚くべきことを言った。

「あの・・わ、私・・・出来ちゃったの?」

親の因果は子にしっかりと受け継がれるものである。希は・・かっての俺らのように出来てしまったのだ。
そう!!俺の最も恐れていたことが起きてしまった!!!


    出  来   ち  ゃ っ  た  結  婚  で  あ  る


まさか・・希がこのようなことになってしまうなんて・・・俺は早くこれが夢だと信じてみたかった。相手は内藤のボンクラ息子である。ここまでぴたりと当たってしまうなんて・・
過去の喧嘩から培った俺の直感もまだまだ捨てたんじゃないな。そうだ、俺より強い奴でなきゃ希の彼氏とは認めないんだ!!早速、内藤のボンクラ息子をハッ倒す!!そう俺が準備しようとしていると
俺の目の前に一閃の光が飛び込んだ。


次の瞬間、俺が見た頃には内藤の息子はみぞおちを押さえながらその場に立ち竦んでいた。やったのはもちろんこの場では1人しかいない・・



932 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 03:16:44.38 qwWdB8Oe0

そう、あいつだ・・あの相良 聖だ。しかもその瞳はあの血に飢えた狂犬の頃のものであった。あいつは威厳たっぷりに内藤の息子を見つめるとこう言い放った!

「希の言うことなんざどうでもいいんだよ!!!この、ボンクラ野郎がッ!!!大事なのはてめぇは希を幸せに出来るのかできないのかどっちだ!!!
真のない言葉を言ってみろ!!てめぇをその場でブッ殺してやるぞ!!!!!!!!!」

俺のお株を奪ったあいつはあの頃のままの視線で内藤の息子を睨み上げた。そのキレと技とスピード・・当時のあいつのまんまであった。
それに・・あいつをじっくり見ていると久しぶりに男の頃のあいつとかぶって見えた。そうだ・・この感じだ。何も考えてなかったあの頃・・まさかこの歳になってこの空気を感じるとは・・・思っても見なかった。
あいつがそのつもりなら・・俺もそうさせてもらうぜ。


そして俺の中で20数年ぶりに俺の中で深い深い眠りについていた殺戮の天使が目を覚めた。




933 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 03:17:50.16 qwWdB8Oe0

「おい、てめぇ!!!この殺戮の天使様と血に飢えた狂犬との一人娘を幸せにする度胸はあるのかァ!!!」


目覚めた俺の中の殺戮の天使はあの頃の威厳を取り戻すかのように内藤の息子に怒鳴り上げていた。この最凶・凶悪タッグを前に内藤の息子は鳩尾を抑えながら俺らを見ていた。
当の内藤夫妻はというと、俺らを止めもせずただ、じっとこの場を静止していた。しかし、そこには只ならぬ友に託した子への想いがあった。
俺らは友人の“想い”を受け取るとこいつらの覚悟と器量を問うた。

「てめぇら!!この世の中はお前らが思っているほど甘くはないぞ!!!・・お前らは社会に出て傷つき、その理不尽さに怒りがこみ上げるだろう。
そしてその怒りに我を忘れ時には揉めあうだろうな・・その困難にてめぇらは耐えれるのか!!!」

俺たちの重く、深い問い・・そうかあの時、親父はこんな気持ちで俺たちの覚悟を試していたのか・・社会に出ることへの理不尽さ、それに耐えうることの出来る忍耐や覚悟・・
そして、何よりも肝心で大切なのは相手を幸せに出来るのかということ――――ッ!!


それを親父は試したのだろうと今ここで実感した。



935 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 03:33:38.01 qwWdB8Oe0

場には先程とはうってかわって、静けさだけが支配していた。静寂の中・・あいつらは黙って下を俯いていた。俺は目を瞑りながらあの時と同じ状況を思い出していた。
あいつを幸せにする想い・・おなかにいた希を守り抜くという覚悟・・それらが入り混じって俺らは晴れて結婚した。あの時、俺が見せた覚悟をこいつらは果たして見せられるかどうか・・
それがこの静寂を脱却する唯一の方法であった。周りの音がよりはっきり耳に聞こえたまま・・俺はそっと目を閉じた。すると、走馬灯のように今までのことが駆け巡る・・

結婚してからのあいつ・・

               笑っているあいつ・・


不安げなあいつ・・

                 まだ幼い希を抱っこしているあいつ・・


そして・・俺にあいつを託してくれた男の頃のあいつ・・・


そのすべてが俺の中で駆け巡った。俺はすべての思い出を見ていると突然、机がドンッっと叩く音が響いた。俺はゆっくりと目を開けると内藤のボンクラ息子が真剣な表情をしながら俺らにこう示した。
その瞳にはあの頃の輝きが秘められていた。


内藤のボンクラ息子は覚悟というオーラをまといながら俺たち最凶タッグへと立ち向かっていった。



936 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 03:48:54.88 qwWdB8Oe0


「俺は・・あんたら見たいな実力もなければ才能もない・・ただの凡人だ。だけど・・だけど!!!希を思う気持ちだけは誰にも負けない!!!
確かに・・世間てものは甘くないとはわかっている。だけど・・俺たちは耐える!!耐えて耐えて・・耐えまくって!!俺の愛する人とその子供を絶対に幸せにしてみせる!!!」

相当な覚悟だ・・あのときの俺と同じような気迫だ。ボンクラ息子からは脱却させてやるよ。だが、それでもまだ足りない。
さぁ・・示せお前たちの道を・・


俺はじっと・・希を見据えた。


そして希が立ち上がり、一呼吸置いてから俺たちに向けて覚悟を貫き通す威厳と気迫をまとったまま俺らに立ち向かった。
それは・・新たなるものであった。

「私は愛する人との子供を宿した・・・だから、だから!!私は何が何でも絶対にこの子を産みます!!!たとえそれが世間の風に逆らおうとも・・

    • 私たちは絶対に幸せになる!!!!」


このときの希には俺らの風格とオーラをしっかりと受け継いでいることが確認できた。



937 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 03:55:30.66 qwWdB8Oe0


見事だった・・よく、言ったと・・俺は親として誇らしげに思う。
ちょっと早いが希も成長したなと俺らは思った。あんなに小さかった希がここまで立派になった。俺らの子育てはようやく終わりを迎えた。希は世間に出られるようなれっきとした
一人前になったのだ。内藤の息子も・・よく言ったと誇らしげに思う。最後に内藤とツンからはあの時と同じように援助は一切なしとの通告を2人に叩き付けた。希は血に飢えた狂犬の荒々しさと
殺戮の天使の冷酷さを見事に受け継いでいた。それを横にいたあいつと一緒にそれを確認するとあのときの親父のようにゆっくりとその場から立ち去った。・・この2人ならどんな困難にもたち迎えられるだろう。
そして俺は親として最後の祝辞を2人に送った。


                2人二一生ノ幸アレ・・・



    • そして、月日は経ち今日はあいつらの結婚式だった。俺たちの結婚式と同じようにあいつらも友達に祝福されながら巣立っていった。
内藤の息子は既に希を養うためにアルバイトに精を出しているという。決して楽ではないが2人とも幸せな日々を送っているというらしい・・だが、そこまで世の中甘くはない。時には悲しみ大きな障害が2人に
待ち受けているだろう。だけど・・2人で力を合わせれば何とかなるはずだ。2人とも・・もうそれができる歳だ。


そう思いながら、傍にいたあいつと一緒に俺は希の晴れ姿を内藤と一緒に見届けた・・・



938 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 04:18:04.09 qwWdB8Oe0

◇月○日・・この日記もまだページが残っていたんだな。俺は今病室のベッドの上だ。希の晴れ舞台を見届け、孫の顔を見た後、若きスーパージジィとなった俺は仕事をしていると突然、会社で
倒れてしまった。すぐさま俺は病院に運ばれ、精密な検査を受けたら衝撃の結果が出た・・・


診断によると末期がんだそうだ。既に全身に転移しており医学的には完治不可能だそうだ。あの難病といわれた女体化シンドノームは治せるのに末期がんは治らないのかねぇ・・
あの時、あいつらを養うために無理したのか・・それとも、よく喧嘩していた頃のつけが今頃回ってきたのやら・・・抗がん剤投与で延命はできるらしいのだが俺はそのまま断った。子供の成長も見届けたしな・・
もう思い残すことは何もない。だけど・・あいつが少し寂しい想いをさせてしまうな・・まぁ、いいか。



少しだけ・・ 

        ほんの少しだけ・・・



あいつには少しだけ寂しい想いをしてもらうだけさ・・・なぁに、すぐに逢えるさ・・
でも、妻に寂しい思いをさせるなんて旦那失格だな俺・・


そんな俺の感情を知ってか知らづか・・俺の決断を聞いたあいつはいつもと同じ表情のまま俺を迎えながらにこやかにこう言ってくれた。



939 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 04:19:29.34 qwWdB8Oe0


「フッ・・殺戮の天使と恐れられたお前もさすがに病気には適わないようだな。・・安心しろ、お前が死んだって俺はちっとも寂しくないさ・・お前の分まで孫の世話でもしてやるよ。
そうしたら、自然にあの世行きだ。」


そう口では言っていたが・・多分、泣いていたのだろう。俺の死を受つけるのは怖いんだな。こいつは意外と寂しがり屋さんだからしゃあないな。
俺は久々にあいつをそっと抱きしめるとそう心に呟いた。


                 ごめんな・・先に逝っちまおうとするなんて・・・



あいつは笑っていたが、瞳からはわずかに一滴が零れ落ちていった・・・



それが最期に見たあいつの笑顔と・・・悲しみであった。



940 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 04:38:27.23 qwWdB8Oe0

そしてその夜・・来るべき日がとうとう来ちまった。
突然苦しみだす俺の体・・しかし、その変化はどちからかというと心地よいものであった。ふわぁっと、離れる体・・・すると周りにはたくさんの人がいた。
ドクオに白菊さんに内藤にツンに椿に俺の孫を抱えた希に内藤の息子・・それに、あのときのように必死に泣きじゃくるあいつがいた。おいおい、泣くなよ・・
また逢えるだろ?ただ、逝くタイミングが少しずれちまっただけだ。最初の頃のセックスのように・・・

悲しみの声が俺の周りにじわりと広がっていった。希からは「親父ィ・・まだ、死なないで・・・」っと、そういえば希は昔からパパっ子だったな。小さいころはよく手を引いて散歩とか
よくしたもんだ。車の中では俺の膝の上に座ってよく駄々をこねて俺たちを困らせていたな。最後の最後までだめな親父だったな俺は・・・ごめんな希、親父この若さのまま死んじまったよ。


ざまぁ、ねぇな・・でも、生きている間に希が一人前に育ってくれて本当によかった。





941 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 04:43:33.62 qwWdB8Oe0

そしてあいつの声が最もよく響いた・・

「こんのバカヤロォ!!!!!俺よりも・・・この相良様よりも先に逝っちまいやがって!!!!!!こんの大馬鹿野郎ォォォォォォォ!!!!!!

このバカヤロウ・・・・・・俺、お前が・・お前が・・



先に逝っちまったら俺どうすればいいんだよぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」


大丈夫さ。まだお前には俺たちが遺した家族がいる。さすがに俺はもう蘇ることは出来ないが十分に死ぬまでの代わりにはなると思うぜ。
希は小説家になったそうじゃないか、とんだ博打が味わえるな。でも、希は俺らの娘だ。・・絶対売れる。ビッグなことをしてくれぜ!!いつになるかはわからんがな・・

それにまだ、お前はあの頃のようにかわいいよ。初めて惚れた頃のようにかわいい・・俺が保障する。

    • 死んでるけどな


最期に・・俺はお前に逢えて本当によかった。俺は一生後悔はしない。むしろ生まれ変わったらもう一度恋をしたいぐらいだ。
この日記も最期にこういう形で飾れることが来て本当にうれしい。そういやこの日記も残るはもう最後の一行だったな。


では、最期に・・・愛してるよ聖、また逢おうぜ・・・



942 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 04:59:43.42 qwWdB8Oe0

この日記は今、時代を風靡している小説家、中野 希が自身の父親である中野 翔氏が綴った日記を編集、再構成したものである。
そして、この日記帳は中野 翔氏の妻、中野 聖氏の遺品から見つかったものである。その時の聖氏は非常に安らかな寝顔で逝ってしまったといわれている。

まるで・・亡き翔氏に出会えたかのように・・・

なお、この日記は貴重な過去の女体化シンドノームの資料としても重要視されている。


しかし後に希氏はこう述べている。

「この日記はただの女体化シンドノームの体験記ではありません。今は亡き、父と母が体験した・・・
偉大なる大恋愛サスペンスです。この日記を読みながら父と母の記憶が体験できたら幸いです。

ただ・・原本である、父の日記には最期のページが真っ白でした。・・どうか、皆さんで最期のページを見つけてみてください。
読んでいるうちにきっと、最期のページが見つかるはずです」




943 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 05:02:06.56 qwWdB8Oe0


   あなたには見えますか?



                         この日記の最後のページが・・・




これは喧嘩に明け暮れていた男の・・・


                             涙と苦労と忍耐と根性と愛と・・・・・




そして・・中野 翔という男の感情がすべてがつまった日記帳である。





fin


 944 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合)
05:08:06.26 qwWdB8Oe0 
疲れた・・・ 
なんだか、終了してどっと来ました。 

これで聖シリーズは完了です。 
長々としたのを見てくださって本当にありがとうございます。
自分でもここまで続くとは思っても見ませんでした。 
また、アイディアが練られれば別の小説を書こうと思います。 


リクエストで外伝が見たいという方は出来る限り答えます。 


さて、ここからはおまいらに感謝感激雨霰wwwwwwwwww 
本当に見てくれてありがとうなwwwwwwww
おまいらのおかげで成り立ったといっても過言ではないぜwwwwwww 

本当に俺の作品を見てくれてありがとう。 
wikiの人も収録してくれてありがとうwwwwwww 



最  期   に
      み  ん  な  あ  り  が  と  う  !  !  !
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